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巣立ちしたツバメにカメラ罵声浴び [私の探鳥記]

sidati1_1.jpg 喫茶店で読書の帰り、近所の「明治通り」で巣立ちの子ツバメらを見た。最初は道路上の電線の一羽に「あれっ、スズメじゃなし」と注視。近くの電線にも三羽・四羽。眼を凝らせばツバメの子だった。上空で親ツバメが飛んでい、時に子ツバメらは黄色い嘴を開いて餌を求めていた。

 今までにツバメの巣立ちを幾度か見てきた。明治神宮の池前のロープに並んだ子ツバメらに、親鳥がホバリングしつつ喉奥まで頭を突っ込んで給餌するシーンに見惚れた。近所のマンション駐車場で繁殖のツバメを巣立ちまで観察し、空になった巣を淋しく見ていた数日後のこと、ビル路地の小さな木に親子ツバメが羽を休めているのを見た。熟帰りの子を迎え待つ車の真上で、見惚れていたら運転席から婦人が出てきて「あのぅ、私の車に何か・・・」と出てきた。

 さて、明治通りの子ツバメら。通行人は多いが誰も気付かぬ、関心もなし。渋滞気味の車の疾走が続く。自宅に戻って望遠レンズを持ってきた。八月ゆえ二番子(今シーズン二度目の子)だろう。子ツバメらは飛び立つも、餌が捕れぬか、疲れるかでまた電線に戻ってしまう。親ツバメに黄色の口を開くも無視され、また飛んでみる。そんな可愛い姿をカメラに収めていたら・・・。

 「なんでビルを盗み撮っているのよ」。いきなりオバさんに怒鳴られた。カメラを取り上げ、交番にでも連れて行こうかの剣幕に、「ツバメの巣立ちだよ」。オバさん、狐につままれたように固まってしまった。彼女には想像もしなかっただろう言葉が返ってきて、頭が混乱しているようす・・・。

 喫茶店で『絵本江戸土産』や『江戸名所図会』関連書に読み耽り、ツバメの巣立ちに想いを馳せたあたしは、物騒で世知辛い世に生きる人々とは、ちょっとかけ離れ過ぎちゃったような気がした。


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