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飯桐や冬の予告の赤が冴え [散歩日和]

iigiri3_1.jpg「浦島草」の赤き実、黄金色の銀杏、続くは落葉高木「イイギリ」の赤い実。飯桐の名は、その大きな葉で飯飯を包んだことから。「短歌俳句植物辞典」をひくが、外来種じゃなかろうに不載なり。ならば同じ落葉高木の桐をひけば「桐の花」「桐の実」「桐一葉(ひとは)」「桐の花」はある。

 

だが桐はゴマノハグサ科で、飯桐はイイギリ科。イイギリの葉はハート型・葵型で別名「アオイノキ」。一方、桐はホームベース型で毛が生えているゆえに飯は包めぬ。イイギリは赤い実だが、桐は大きな黄色の涙型。茶色に熟し実が割れ、中の実が風に散る。

 

さらに調べてみる。イイギリは別名「アオイノキ」の他に、赤い実が似て「ナンテンギリ」、桐に比して腐りやすく「イヌギリ」、古名「ケラノキ」など。それら別名で「俳句短歌辞典」をひくが、やはり不載。おそらく有名俳人によるイイギリの句がないのだろう。他の季語辞典には「飯桐の実」があるそうだが句例なし。

  イイギリの紅い実は渋いとかで、野鳥は目もくれぬ。やがて周囲の樹々が葉も実も落ちて冬木立の景色へ。ここでやっと赤い実は熟し、それまで見向きもしなかったヒヨドリ、オナガらが「これ以外に喰う実なし」とシブシブの呈で啄み始める。そんな光景が展開され始めると今年も終わりです。


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