SSブログ

差上申一札之事 [くずし字入門]

komonjyo4_1.jpg 左記の古文書筆写の<解読文+(読み下し文)>棒組

差上申一札之事(さしあげもうすいっさつのこと) 一(ひとつ) 御家中様 御馬飼葉相納候儀(おんうまかいばあいおさめそうろうぎ)私共三人江被為仰付(おおせつけなされ)有難仕合奉存候(ぞんじたてまつりそうろう)、金壱両を以(きんいちりょうをもって)日数六十日之間御請負(おうけおい)飼葉相納(かいばあいおさめ)可申上候(もうしあげべくそうろう)、当時切飼葉相場両ニ正味百貫目替之積を以(かえるのつもりをもって)随分宜敷品(ずいぶんよろしきしな)入念相納(にゅうねんあいおさめ)可申上候(もうしあげるべくそうろう)、尤(もっとも)相場両ニ拾貫目之高下(りょうにじゅっかんめのこうげ)直段(ねだん)違ひ御座候ハゝ(わば)其節々早速(そのせつせつさっそく)奉申上(もうしあげたてまつり)、相場立替(そうばたてかえ)可申候(もうすべくそうろう)、仍(よって)御請証文(おうけしょうもん)、如件(くだんのごとし)

 各漢字のくずし方は、一字につき何通りもの書き方があり、この古文書はどのくずし字を使っているのだろうと辞書で調べるんだが、これが大変なんだ。一方、これを筆写すれば、スラスラと筆が流れて「くずし字」の味が楽しめる。

 内容は三つの村の三人が、飼葉の納品を請け負い、一両で日数六十日の間に納めてきた。当時の切飼葉は、一両百貫目でいい品を納めてきたが、相場が一両で拾貫目の高下があり、その都度申し上げるのでよろしく、というもの。

 ちなみにあたしが小学生時分は、体重は「貫」を使っていた記憶がある。今あたしは十八貫で、あと一貫はダイエットしたい。(一貫=3.75㎏)

 この文書には異体字が多い。旧字は辞書で簡単に探せるが、異体字はわからん字も多い。三人著名の「鹿浜村」の「濵」は旧字で、「鹿」の異体字が六種ほどあって、ここではブログで変換できぬ字が使われている。「時」も異体字で偏が日で、旁が寸。これまたブログで変換できぬ。日本語の伝統を捨てたデジタルのブログで、わざわざ筆写して江戸末期の古文書で遊んでいる。(amazonで調べたら『異体字解読字典』が2160円で売っていた。購いましょう)


コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。