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トモエガモ撮って区切りの鳥探し [新宿御苑の野鳥]

tomoe2_1_1.jpg 4年前のこと。未撮の「トモエガモ」(環境省レッドリスト)が綾瀬の公園にいると知った。行けば飛び立った直後だった。その後、見沼自然公園に居るとか。大宮からバスに乗って現地を訪ねた。三脚に長玉(望遠レンズ)の鳥撮りオジさんらがズラッと並んだ遠方のカモ群に一羽の「トモエガモ」。1時間ほど待つと陽の当たる近くに寄ってきて思う存分撮った。ライフリスト160種目で、あたしは間もなく鳥撮りを止めた。

 それ以上は希少種、迷鳥、絶滅危惧種で生活のなかの〝季節の情景〟とは次元が異なる。「花鳥風月」の域を越え、珍鳥に眼の色を変えるマニアックな世界。撮れば自慢気に写真公開し、撮影ポイントは隠蔽。蒐集者の偏屈、満足、競争、嫉妬が渦巻く〝イヤらしい世界〟か。高じてくれば〝生活のなかの野鳥〟から〝珍鳥を撮るための生活(者)〟になる。鳥撮りもここらが潮時だろうと止めた。さらに撮影ポイントだった葛西臨海公園の河口辺り、手賀沼も放射能が蓄積されている。それら地で野鳥を撮って楽しいワケがない。その意では福島原発事故があたしの趣味も奪ったといっていいだろう。

 今も鳥を撮るが、それは生活のなかの〝季節の情景〟〝花鳥風月〟を愉しむ範囲内。先日、読書に飽きて身体の按配も良く、久しぶりに新宿御苑へ鳥撮りウォークをしたくなった。一眼レフに望遠レンズを装着、片手に双眼鏡のかつての出で立ち。

 最近の新宿御苑はかかぁと一緒で、まずは伊勢丹・地下でお弁当を購い、芝生でのんびりと昼食が定番。だが久々に鳥撮り体制で御苑内を歩けば、なにやら三脚に長玉セットのオジさんらが眼に付く。訊けば御苑に「トモエガモ」と「アカゲラ」が入っているとか。「アカゲラ」は探せなかったが、日陰で眠そうな「トモエガモ」を撮った。陽の当たる場所に移動するまで待っても良かったが、日陰で水面になじむ絵もよしとした。

 帰宅後に自身のブログでかつて撮った「トモエガモ」写真を探したが見つからぬ。ブログ内検索をすればマイカテゴリー「おくのほそ道」にあった。芭蕉句「田一枚植て立去る柳かな」のもじり駄句「トモエガモ撮って立去る見沼かな」。野鳥よりも見知らぬ地を彷徨った愉しさが上回っていたのだろう。


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