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応挙のグリザイル、北斎の相撲 [スケッチ・美術系]

sumouf_1.jpg 先日、NHK「日曜美術館」の「円山応挙」を観た。孔雀の羽根の精緻な描写は、墨で濃淡をつけた後でブルーを着色したと再現映像が流れていた。それって西洋画のグリザイユ(Gresaile=灰色)技法じゃないかと思った。

 次に鯉の滝登り図では、縦の幾条もが白のまま残されて光る水を描写と説明。雪松図でも紙の白を残して雪を表現したと説明。それって「白」を残す透明水彩画の描き方じゃないかと思った。さらに風炉先屏風「氷図」は、白地に凍った池の亀裂線が墨で交錯するのは、カンディンスキーの抽象画に似ていると思った。

 絵を描き始めて数ヶ月なのに、生意気な指摘(ツッコミ)をする自分がいた。また円山応挙はスケッチ(観察)をよくしたとか。その例として馬の各部位の長さを詳細記録したスケッチも紹介。あの堅物っぽい応挙だが、彩色12図〝わ印〟絵巻があるそうで、彼の〝わ印〟は、他の浮世絵師らが局部大誇張なのに比し、彼のはリアルサイズで描かれているのかしらと思った。

 スケッチと言えば葛飾北斎で、「北斎漫画」には〝相撲スケッチ〟があった。前回〝組んづ解れつ・四十八手〟の幾つかをまとめ描きしたので、もう相撲はいいやぁと思ったが、浮世絵師らの凄い努力に刺激され、かつ名古屋場所も佳境だし、また相撲スケッチをした。

 だがどうしたことだろう。前回はスラスラと描けたのに、何度描いても描けないのだ。漫画風だったり、子供絵のようだったりで、描いては破り・描いては破り。どうやら描くには、その時の気持ちも肝心らしい。良い時と悪い時の気持ちの違いってなんだろうか。描くのを甘く見くびっていたのだろうか。絵は描くのも難しく、どう描くかも難しいが、その前提に気持ち如何に左右されるらしい。今回はヤケ気味の絵になった。


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