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義松の風景画を模写して [スケッチ・美術系]

fukemosya2_1.jpg 五姓田義松の多数風景画から17歳・明治5年作「横浜根岸相沢村」(10.7×26.2㎝)を簡易模写。風景スケッチのコツが掴めるかもしれないと、チマチマと筆を動かした。それを(左)かかぁに見せれば「あら、いいじゃないの」と言った。

 だが隠す必要もないから告白すれば、風景スケッチになると決まって困惑する。どう描けばいいのかわからない。「水彩画=風景スケッチ」イメージがある。初心者向け水彩教本は概ね風景画だが、「いいなぁ」と思う絵には出会わない。あたしは絵の初心者だが、すでに多数画家の風景画を見ている。

 見たまま細かく正確に描けば写真に近づく。写真を超えた美しいアニメ背景もあり、風景写真にデジタル処理の絵もある。広告向きのイラスト風の風景画。写実力を磨けば超写実画もあろう。いや、短い筆触で印象派のように、または立体を放棄し平面的に描こうか。水平線や遠近法からも解放されて抽象画風に描こうか。いや、そもそも公衆の場に画架を立てるなんぞ恥ずかしい行為があたしに出来るワケもない。

 一方、厳しい自然に分け入って自然の神秘・一瞬の美を求める写真家もいる。月日を要し動物生態を撮る写真家もいる。今や世界の観光写真も溢れ満ちている。写真ではなく〝風景を描く〟ってなんだろう。

 「なにも描かない白が最も美しいんですよ。人間は愚かだから何かを描きたがる」と言ったのは97歳の熊谷守一翁らしい。彼が「スケッチ旅行」でものにする絵は、細部を気にせずに括った数色の平塗り構成で、マティスの風景画にも通じて、これまた〝いい味〟だから、絵を描き始めた隠居の頭はますますこんがらがってしまう。


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