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動かずに居れよと願ふ老ひの筆 [私の探鳥記]

yokosuzume1_1.jpg 小林重三もスズメを描いた。遡れば浮世絵師らもスズメを描いた。「北斎漫画」にスズメのスケッチがある。彼らはどうやって飛ぶ鳥をイキイキと、かつ正確に描けたのだろうか。望遠レンズや高速シャッターで撮った映像ならば容易にその姿を捉えられようが~。

 彼らはまず先達らが描き遺した図を見た(学習・模写)だろう。飼い鳥、標本、死骸を手にとって観察しスケッチをした。そして野に出て、ふわふわと膨れる柔毛、逞しく風切る翼、鮮やかな飛翔の瞬間・瞬間を鋭い眼で繰り返し観察し、スケッチを重ねたのかもしれない。

 小生は何年も前に、荒れた海の波を望遠レンズ・高速シャッターで撮ったことがある。波が砕け散る瞬間写真に、あの浮世絵にある〝波の形〟があった。浮世絵師らは、あの〝波の形=雪村波〟を捉えるまで、どれほど波を見つめ続け、スケッチを繰り返したのだろうか。

 スケッチには観察力や記憶力も必要らしい。それらすべてが足りないあたしは〝雀躍〟を諦めて、羽根をたたみ大人しく止っているスズメの横姿を描いてみた。


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