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鞠子「通りぬけするかごもありとまつたり~」 [狂歌入東海道]

21mariko1_1.jpg 第二十一作目は「鞠子」(丸子)。狂歌は「通りぬけするかごもありとまつたり神楽のきよくのまりこ宿とて」。東海道で一番小さな宿場ゆえ「通り抜けする駕籠もあり止まったり」。当地は神楽が盛んとか。

 絵には「名物とろゝ汁」の看板。旅人が店内でとろゝ汁の丼を抱えている。保永堂版も「丸子」で、同じく「とろゝ汁」の店が描かれている。今もその元祖「丁子屋」が茅葺の店で十三代目が営業中。先日(八月上旬)テレビの旅番組を観ていたら同店が紹介されていた。店主が保永堂版「東海道五十三次」全初刷りを持って、全作で五千五百万円と言っていた。同店脇に芭蕉の「梅わかな丸子の宿のとろゝ汁」の句碑あり。

21marikobun_1.jpg21marikoup_1.jpg 弥次喜多らも雨のなかを鞠子宿へ入ってとろゝ汁屋へ。注文するも店主と女房が大喧嘩で食うのを諦めて一首。「けんくは(喧嘩)する夫妻は口をとがらして鳶とろゝにすべりこそすれ」。鳶は「とろゝ~」と鳴くそうな。喧嘩してとろゝをひっくり返したら、もうヌルヌルと滑るだけ。

 ここから岡部へは現・新宇津ノ谷トンネルだが、当時は右折して宇津ノ谷集落を経る旧道を歩いた。この旧道が出来る前は左折して〝蔦の細道〟を通ったそうで、今はハイキングコースになっているとか。次の「岡部宿」の絵は「宇津ノ山」が描かれている。


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