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草津「たのしみの日数かさねて春雨に~」 [狂歌入東海道]

53kusatu_1.jpg 第五十三作目は「草津」。狂歌は「たのしみの日数かさねて春雨にめぐむ草津の旅の道芝」。変体仮名は「可=か、年=ね、亭=て、耳=に」。

 草津宿は中山道との分岐・合流の追分あり。本陣二軒、脇本陣二軒、総戸数五百八十六軒の約三割が旅籠だったとか。弘化三年頃に建造の田中七兵衛門本陣が復元されて(国史跡に選定)一般公開。江戸時代末から続く旅籠「野村屋」、大田道灌の祖先「大田酒造」等あり。

 絵に名物「うばもちや」の看板の茶屋が描かれている。同店は現・国道一号線に店があるそうだが、昔は宿場を出た矢橋道への分岐角にあった。保永堂版「草津・名物立場」も同店が正面から描かれている。

53kusatuita_1.jpg 絵の看板は「うばもちや」だが、それを説明する文は「うばがもちや」と〝が〟が入っている。「うばが餅、姥が餅」。あんころ餅の天辺に小さな白餡がちょこんと乗って〝乳房風〟。近江源氏某の幼児を育てた乳母の乳房。家康、芭蕉、近松門左衛門も食べたとか。

 さて矢橋道から約3㌔ほど北上すると矢橋船着場。琵琶湖を渡って大津への早道だが「もののふの矢橋の船は速いけれど急がば回れ瀬田の長橋(勢田橋、唐橋、臥竜橋。長さ260㍍)」。武士なら船ではなく確実な橋を渡って行け。「急がば回れ」の諺が生まれた地。次の「大津」を経れば、いよいよ京です。


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