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台湾閣を描く。写実より省略を [スケッチ・美術系]

goryoutei15_1.jpg 新宿御苑3作目は御苑スケッチの定番、旧御涼亭(台湾閣)。この日もどこかの〝教室〟の年配者らが並び坐ってスケッチをしていた。彩色仕上げまでするのか、蚊の対策は万全か。

 野外スケッチは椅子が肝心だ。身体の安定をもって画用紙、ペンの走りも安定する。小生も鳥撮り用にコールマンの折り畳み傘状になる携帯椅子を持っているが、公衆の場(人前)で椅子に座って絵を描く勇気がない。風景画苦手には景色観察は遠視で、手元は近視で、その遠近調整が少々辛いことも関係している。

 ここは御託を並べても埒はあかない。無理して描き始めれば、風景を〝写す〟ことに己を見失って描き込み過ぎた。小生のような初心者でも、ペン・筆を持てば描けもしないのに、見た通り(写実)に描こうとし、その結果〝無残なお目汚し〟になってしまう。

 人は何故、細部を描こうとするのだろうか。本能や? ゴッホらジャポニズムの西洋画家らは、浮世絵の大胆な省略(デフォルメ)に胆を潰し魅了されたらしい。

 西洋画は〝見るまえに跳べ〟の実存主義的なところがある。その引き換えに一つづつの筆触に責任を負う。比して水彩画は〝描く前に考えろ〟だ。構図やテーマを、白をどう残すか、どう省略し、どんな線で、どう彩色するかなどを描く前にしっかりと頭の中でデザインしてから描き始める。

 細部を描こうとする性癖が本能ならば、ここは浮世絵や水墨画でも描く〝禅的〟な気持ちを持って、思い切った省略(抽象に近いほど)の覚悟が必要だろう。次はこの辺に留意して描いてみることにした。(苦手の風景スケッチ克服記3)

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