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司馬江漢1:かくインプットされて [北斎・広重・江漢他]

sibanohaka1_1.jpg 神田古本市で、黒田源次著『司馬江漢』(東京美術、昭和47年刊)を1500円で入手した。「司馬江漢」の名は幾度か眼にするもスルーしてきた。強くインプットされたのは川本三郎『大正幻影』だった。佐藤春夫『美しい町』クローズアップで、それは隅田川・中洲に幻想市街(ユートピア)を作ろうと夢想する男たちの物語。

 主人公のひとりFが、その理想地を探すのに疲れ果て、ふと立ち寄った画廊で見たのが司馬江漢の銅板画『東都中洲之景』。思わず「ここだ!」と決定する。実際は江漢作に『東都中洲之景』なぁんてぇのはなく、彼が描いたのは『中洲夕涼』『江戸橋より中洲を望む』『三囲之景』など。佐藤春夫がそれらをミックスして『東都中洲之景』としたらしい、と小生は1012年10月のブログ「荷風の中洲(5)」で記している。

 二度目にインプットされたのは「ジャポニスム」シリーズの永井荷風『江戸芸術論』。~北斎は司馬江漢の油絵並に銅版画により和蘭画の法式を窺ひ知りしは寛政八年頃~などの記述だった。

 「ジャポニスム」シリーズの次は「司馬江漢」のお勉強を、と思って図書館で成瀬不二雄著『司馬江漢/本編編・作品編』を借り読んだが、どうも〝ノリ難かった〟。どうやら難解人物らしくお勉強を放置。だがその後に黒田著入手で、再度挑戦。同著冒頭「序説 江漢研究の諸問題」は二十章に亘って実証できぬ諸問題を展開。〝ノリ難い〟はずである。

 まずは勢いをつけるべく染井霊園隣「慈眼寺」へ掃苔。すでに幾度か訪ねている同寺だが、今回はカメラ持参。芥川龍之介や谷崎潤一郎の墓には写真を撮る若い女性が幾人もいたが、司馬江漢に関心を払う人はなし。次回は東京都指定旧跡看板の文言より司馬江漢の略歴を記してみよう。

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