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国立競技場から富士塚へ(2) [千駄ヶ谷物語]

hatomoritop_1.jpg 過日、足裏の痺れや腰の調子の塩梅が良く、久々に1万余歩のウォーキングで国立競技場まで歩いた。そして再び国立競技場へ。今回は新宿御苑沿いのコース。御苑が終わった目の先が「東京体育館・国立競技場の建築現場、神宮外苑」だった。

 競技場を一周後に、東京体育館から「鳩森八幡神社」へ向かった。寛政3年(1789)造築の都指定有形民俗文化財〝富士塚〟に登った。眼下左に今話題の将棋会館。同神社周辺にミニ商店街あり。昔の門前の名残りか。他に観音寺、瑞圓寺、千寿院。思いがけず毛深く濃密な感じで〝奇妙な不思議感〟を覚えた。

 この妙な感覚は何だろうか。帰宅後に地図を見れば「鳩森八幡神社」辺りは、大公園「新宿御苑~神宮外苑一帯」から広大な「赤坂御用地」へ続き、反対側に「明治神宮・代々木公園」。その狭間地と理解した。

IMG_6457_1.JPG 明治政府によって大変貌を遂げた広大な御所・公園・神社地域に囲まれて、ここだけにポツンと残った江戸の名残り。〝妙な感覚〟の所以はそこらしい。(追記:後日、千駄ヶ谷駅両側に都内有数の〝連れ込み旅館〟があったと知った。〝毛深く濃密な感じ〟はソレも影響していたか)

 ウォーキングや自転車散歩で都内彷徨の小生だが、何故か今までに「鳩森八幡神社」周辺を訪ねたことがなかった。その理由も探らなければいけない。(追記:都内有数の〝連れ込み宿街〟と知って、そう云えば十代の頃に、そう知って、踏み込んではならない怪しい地域と認識していたような記憶が甦ってきた)

 道路からみれば「明治通り」と「外苑西通り」に挟まれた〝素通り地域〟。我家からJR利用ならば「新大久保~新宿~千駄ヶ谷」。地下鉄ならば大江戸線「東新宿~都庁前に戻って~国立競技場」。一帯の散歩中に急きょ帰宅となればJR「信濃町~新宿~歩いて新宿三丁目~東新宿」。

 歩けば近いのに、かく不便な地で馴染もなかった。改めて他ルートを探せば「東新宿・副都心線」で2駅先が「北参道駅」。これは便利そうだが同駅開通は平成20年(2008)で馴染が薄い。利用するとしても明治神宮、原宿手前、代々木への下車駅で、同駅から「鳩森八幡神社」一帯へ行こうと考えたこともなかった。やはり特別の縁や事がなければ、足が向かぬ地域だったのだろう。

 同地は、あの万年ノーベル文学賞候補の村上春樹が、国分寺からジャズバー「ピーター・キャット」を移転した地らしい。「村上春樹好き」は多いが、小生はその名を口にするのが、何故かなんとなく気恥ずかしい。

 かくして「近くて遠き地域=千駄ヶ谷一帯」に偶然のように迷い込んで、遅まきながら同地に興味を抱いた。散歩の達人・永井荷風もこの地域には踏み込んでいない。野田宇太郎『改稿東京文学散歩』も触れていない。川本三郎はこの地域に言及しているや。いやきっと昭和30~40年(オリンピック前まで)頃の〝連れ込み宿街〟全盛期の通俗小説の舞台にはなっていたような気もするが~。

 まぁ、周辺を歩けば国立競技場の建築過程も見物出来るし、しばしウォーキング定番ルートになりそうです。写真は富士塚看板と、富士塚頂上から社を撮ったもの。

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