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ライターもボナールも濃密複数愛? [スケッチ・美術系]

nabi_1.jpg ソール・ライターはナビ派の画家ピエール・ボナールが好きだった。彼の部屋には恋人ソームズが描いたボナール風の絵が幾作も掛けられていたとか。

 ライターとソームズの関係詳細は不明だが、彼は「ハーパーズ・バザー」誌でファッション写真を始めた35歳の頃に、モデルの卵だったソームズに出会った。そしてライター79歳の時に、彼女はこの世を去った(自死?)。同じ建物内に在住ながら、結婚せず44年間の恋人関係~。

 彼の写真集『ソール・ライターのすべて』には、彼の部屋?で濃密関係風の多数女性ヌード写真あり。バーバラ、キム、イネス、ベッティナ、ジェイ、リン、フェイ、そしてソームズ。女性同士のヌードもあれば、ボナ-ル風の浴槽ヌード写真もある。彼は後に、それら白黒紙焼きの上からガッシュで絵も描いた。

 さて、ライターとソームズが好きだったボナール(1867~1947)の絵を見ると、有名な浴磐・浴槽ヌードがある。ベッドでまどろむヌード絵なんか、それをモロに真似たようなライターの写真もある。

 日常性の裸=浮世絵の春画の影響も指摘されるが、当時の彼らには「濃密さ漂う室内風景」、身近モチーフを描く「親密派」なる流れがあったらしい。ビナールの絵に「リュシレンヌとルネ」二人を描いた絵がある。ボナールは26歳(1893)の時にマルトと出逢い、二人が正式結婚したのはボナール57歳〈1893)で、直後にルネが自死している。(ボナールは正式結婚するまで彼女の正式名も知らなかった)

 ライターもそれを倣ったのか~。彼らは共に恋人たちの〝濃密ヌード写真〟を撮り、絵を描いた。かつ複数愛(今はポリアモリーと云うらしい)者だったと推測してみた。以上『もっと知りたいボナール』と『ソール・ライターのすべて』各1冊のみ入手で、そこからの勝手〝推測遊び〟でした。

 写真はボナール紹介本+ソール・ライターの代表写真のメモ絵。以上、コロナウイルスが人類を襲っている今では考えられない「複数濃厚接触」の良き時代のお話でした。

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