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重量級文鎮は抄紙機竣工記念 [暮らしの手帖]

syasiki_1.jpg 代々木の「大江戸骨董市」で〝バカみたいに重い文鎮(置物)〟を買った。鉄の塊だ。売る方も買う方も、笑いながらの愉快な売買交渉だった。

 なぜこんな物に手が出たか。実は画集や分厚い書籍を見開きにしつつ、キーボードを叩くことままあり。そんな時は重量級押えが必要で〝セロテープ台〟を使ってい、それに代わると思ったんだ。

 物は「十條製紙・釧路工場、昭和三十五年六月竣工記念274吋抄紙機」縮小型記念品。抄紙機(しょうしき)とは、紙を連続的に抄く機械(製紙機)。100㍍8秒で紙を製造するとか。

 この釧路工場の歴史が面白い、前田製紙~北海製紙~富士製紙~王子製紙~十條製紙~現・日本製紙と激動を秘めている。当時の世界最大新聞用紙抄紙機で同工場6号機。歴史的価値があるらしく、王子・飛鳥山「紙の博物館」に縮尺模型が展示されているそうな。

 同抄紙機完成の昭和35年は「ダッコちゃん人形」ブームだった。小生は高校生で、特注の革製本格登山靴を求めるべく、麹町の文具卸店でアルバイトをしていた。ミゼットの助手席に乗って、横浜・有隣堂へ納品。第三京浜走行中の急ハンドルで横転。二人で車を起こし、投げ出されて〝ひしゃげた教材粘土〟を手でペタペタと長方形に直して無事納品。今後、この重量級文鎮を使う度に釧路工場の激動史へ思いを馳せ、ミゼット横転と登山靴を思い出すだろう。

 過日「東京フォーラムの大江戸骨董市」へ行ったが何も買わなかった。何故に手が出なかったのだろうと考えた。己の〝にわか文鎮蒐集〟にポリシーがないと気付いた。●ガラクタはもう買わない。●ン万円の文鎮を幾つも集めたいとも思わず。そこからウ~ンと熟考。やはり手が出るのは、「面白い(曰く、ワケあり、ユニークな形)文鎮」だなと思った。今後、そんな文鎮に出会えるでしょうか。


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