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連休は伊豆大島と新宮へ [週末大島暮し]

habu_1.jpg 連休は混雑を避けて家ん中。いや、貧乏で遠出する余裕もない。ってことで読書とご近所ポタリング。図書館には、事前に「新宿区立図書館」所蔵検索をする。読みたい本があれば、それが区内9図書館のどこにあるかがわかる。あの本はこっちで、この本があっちと自転車で各図書館巡り。読む本は概ね古い本だから「閉架」にあって、調べた書籍番号を受け付けに提示する。

 この連休は、いつもと違ってフラッと新宿中央図書館に遊びに行った。地域資料を次々閲覧して、開架の本をのんびりと眺め歩いた。秋廣道郎著「波浮の港」と、熊野新聞社編「大逆事件と大石誠之助」が目に止まった。

 東京生まれで馴染みの「地方」がないが、ひょんなことで伊豆大島にバンガローを建てた。もう20年余も前。大島関連書はすでに読み漁ったが、「波浮の港」は平成22年刊。近年島に行くと、波浮の彼方此方にやたらと歌碑が建って「波浮の港を愛する会」の名がある。気になっていたが、著者はそのNPO法人の理事長。東京で弁護士をなさっている。名前から伺えるが、波浮港を拓いた秋廣平六さんの子孫で、第一部は波浮の名家の秋廣家の子供が、戦後の波浮でどのように育ち暮したか」が綴られていた。第二部は「私の平六伝」。

 伊豆大島は六ヶ村で成り立ち、それぞれ村誌が編纂されている。各村の歴代村長などの名を見ると、現在の島もそれら家系の方々が多いのに気付く。島は否応なく「地縁」の側面を有す。大田南畝は江戸が百万人都市になって「大江戸」「江戸っ子」の意気を吐いたが、今は1300万人都市。地縁どころか江戸っ子は芥子粒みたいな存在になってしまった。あたしが住む大久保はコリアンタウンになった。マンションのゴミ出しルールは、日本語は肩身が狭くハングル文字、英語、中国語が併記されている。東京はもはやコスモポリタン、無国籍の都市。その意では人口2万に至らぬ島の「地縁」は想像を越えた濃さと言えよう。

 大久保から大島を思えば、東京都とは云えあまりに遠く、懐かしく、悠久の自然と歴史に満ちている。時にお邪魔する「島暮し」には謙虚が肝心と改めて思った。同書は数時間で読了。おぉ、そう云えば波浮に幾つもの与謝野晶子の歌碑が建っているが、与謝野夫妻は紀州・新宮の常連客で大石誠之助、甥の西村伊作と親交が深く、伊作の文化学院創設にも参加している。そして次に手にしたのは、その新宮の本。最近の佐藤春夫邸調べから、眼を閉じると新宮の明治~大正の風景が浮かび、現在の新宮マップも浮かんでくる。熊野新聞社編「大逆事件と大石誠之助~熊野100年の目覚め」から、新宮の100年を彷徨った。(続く)


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