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冬鳥が道を誘ふ藪の道 [週末大島暮し]

kisekifrei_1.jpghoojiro1_1.jpg 閑散とした枯葉舞う小道を車で走っていると、黄色い鳥が道案内するように先を飛んで行く。キセキレイだ。ベランダで日向ぼっこをしていたら、草刈り後の庭に二羽の鳥が舞い降りた。ホオジロのつがいが草の穂を啄んでいた。寒さ厳しくなった北の山から下りて、この辺で越冬〈島)するのだろう。車の前を赤っぽい鳥が幾羽も飛び交った。ジョウビタキ。こちらは中国、シベリアからの渡り鳥。

 昭和12年の「島の新聞」に内田農学博士の記事あり。大島で確認の野鳥は86種。留鳥23種、夏鳥7種、冬鳥24種、迷鳥10種、旅鳥5種。他が17種。

jyobitaki_1.jpg 季節毎に多くの野鳥が島にやって来るが、島の観光リピーターはどれほどか。昨年の大災害影響もあろうが、観光集客は端から減少傾向。今は「復興キャンペーン」で宿泊者やツアー客に相当の割引展開がされているも、多くの島民はお金(都の補助)施策は一過性で、抜本的な集客対策にはならぬと気付いている。

 昭和10年「島の新聞」にこんな指摘があった。~(純農村島から遊覧大島になったが)我々の耳目には彗星のように飛来しては消え、忘れ去られる遊覧地の例を多く知っている。「遊覧地は処女の如し」などと云う言葉さへも産み出されている。

 同文は「都会人が求めるだろう島本来の自然、純情、素朴さ、雰囲気を大切にするのが何よりだろう」と結ばれていた。今から79年も前の指摘。それらを大事にしてさえいれば、季節毎に多くの野鳥が戻ってくるように、観光客も戻ってくるような気がしないでもない。(参考:来島者推移=昭和48年84万人、平成3年53万6千人、今は20万人くらいかな)


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