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山川健一『自転車散歩の達人』 [新宿発ポタリング]

IMG_6895_1.JPG 図書館をぶらつき、山川健一『自転車散歩の達人』(1999年刊)が眼に止った。前半三分の一が「ママチャリ讃歌」で面白かった。

 仕事先の事務所の女の子が置きっぱなしにしていた無印ママチャリを貰う。以来、仕事場・初台(自宅は幕張らしい)から西新宿・渋谷・青山・神田あたりまでママチャリ生活になって、その楽しさを綴っている。膝打つ文章を短くして挙げる。

 「敬愛する植草甚一氏は散歩の達人だが、自転車散歩の達人を目指して~」。「車で女性に会えば余計なことを考えるが、自転車は別れ際がきれいだ」。「ボブ・ディランのアルバム『フリーホイーリン』の意は坂道を自転車で下る快感のこと」(小生の注:惰性で走っている。気楽、自由奔放に行動する)。「ママチャリに乗ると思想や世界観まで〝無理しない〟が肝心とわかる」。「ママチャリとPowerBookと青い空はよく似合う」。「ママチャリのバスケットにスケッチブックを放り込んでおくと~」「海を感じながら走るのがいい」。「いい自転車だと無理をする。ジーンズで充分なのにレースウェアなんかを着るのはカッコ悪い」など。

 その後は自転車の歴史やらで読む気もせずに頁を閉じたら、中年オジさんがママチャリで「E.T」のように空を飛ぶほんわかした表紙(イラスト)だった。装画は唐仁原教久。ってことであたしは〝マイ・ママチャリ=4万円DAHONのフリーホイーリン〟を絵本風に描いてみた。頑張って坂を登って、坂を下る時は本当に快感。空は飛べぬが、そんな気分になってくる。


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