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荷風と植草とミラーの帽子姿 [スケッチ・美術系]

3kenjin1_1.jpg 先日、世田谷文学館で「植草甚一展」を観た後に常設展示も観た。なんと荷風の森鴎外の次女・杏奴(あんぬ、画家・小堀四郎と結婚)に宛てた数通の直筆手紙があった。小便箋に小さな文字がびっしりで、その緻密・繊細さにちょっと驚いた。

 外に出て自転車に跨ってから気付いた。「あれっ、帽子がない」。戻ると受付の忘れ物コーナーに我が野球帽あり。走りつつ気付いた。「そう言えば植草さんも荷風さんもヘンリー・ミラーも帽子を被った写真があったなぁ」と。

 荷風もミラーもパリから母国に戻っていて、日本で言えば〝洋行帰り〟。帽子が似合っていた。晩年の荷風さんは変なベレー帽も被っていた。Hミラーは洒落た外套に帽子を斜めに被って決めている写真がある。植草さんはアメリカ好きでニューヨークで買ったチェック柄の帽子やドゴール帽を被った写真があった。

 昔の男達はみんな帽子を被っていた。あたしのオヤジも山高帽やカンカン帽などを持っていた。あたしが帽子を被り出したのは、隠居後に自転車に乗るようになってからで、もっぱら「マークなしの野球帽」だ。自転車がスピードの出ない小径折り畳み自転車だから、頭の保護と日除けで野球帽。しかしスポーツ系自転車ならば絶対に自転車用ヘルメットは欠かせない。あたしは、あの自転車用ヘルメットを被るのがイヤだから、小径自転車なのかもしれない。

 そんな事を思いながら、三賢人の帽子絵を描いてみた。少しは似るようになってきて、似顔絵のコツがわかってきたのかもしれない。絵を見た女房が言った。「男はね、禿てくると帽子を被りだすのよ」。 


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