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蜘蛛の巣をかき分け入るる庵かな [週末大島暮し]

jyorougumi2_1.jpg かつては週末通いだった伊豆大島だが、次第に億劫になった。昨年は春秋の二回。今年は秋だけ。庭は薮と化し、ロッジは蜘蛛の巣が被う。拾った小枝で、幾つもの女郎蜘蛛の巣を払い払って、やっとロッジの鍵を開ける。

 久しぶりゆえ車も草刈機もチェーンソーもエンジン始動せぬ。老朽化するロッジはメンテナンスが欠かせない。あれもこれも軟な都会老人の手には負いかねて人頼り。せめて自分でと、朽ち行く壁のペンキ(オイルスティン)塗りくらいは頑張ってみる。

 東京での隠居暮らしはシンプルライフ。ロッジ所有が重荷になってきた。同世代の島移住者T氏が「おめぇは贅沢だよ」。然り。ロッジを手放そうか。いや、新宿のマンションを賃貸に出して〝島定住暮らし〟と参ろうか。

 腹が赤く熟した産卵前の女郎蜘蛛に問えば「おいらぁ~、廃屋の方が棲み易いぜ」とぬかしやがった。


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