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浦沢直樹:描いて描いて描きまくる [スケッチ・美術系]

urasawa1_1.jpg 世田谷文学館「浦沢直樹展~描いて描いて描きまくる」へ。同館へは昨年の「植草甚一展」へ行った。小生には〝漫画体験〟がない。かかぁは若い時分に「ガロ」を読み、結婚当初は「マーガレット」を買っていた。

 過日、息子の家のトイレに入ったら「パタリロ」の魔夜峰央「翔んで埼玉」あり。読み始めたら「お爺さん、倒れたんですか」と息子嫁の声でトイレから出た。そう、息子が子供時分に漫画単行本を揃えてい、それらをちょい読みしたことがあった。

 昨年、偶然観たテレビ「漫研」に釘付けになった。同番組は浦沢直樹が人気漫画家の仕事場を訪ね、漫画誕生の秘密を探る内容。彼らの線画の妙に感心した。かつ同番組に満ちる熱気に惹き込まれた。今どき、これほど熱く仕事をしている人々は珍しい。

 かくして「浦沢直樹展」へ。彼は長編連載漫画大ヒット作家。そのなか「YAWARA!]と「MASTERキートン」は息子の書棚からちょい見した記憶がある。同展ガイド本購入。12時間のロングインタビュー収録。5歳で漫画を模写。小2からコマ割り漫画を描き始めた。「オタク」と思いきや小学3~6年は学級委員。中学は陸上部でギターも覚えた。高校は軽音楽部。大学は経済学部でバンド活動。小学館採用試験ついでに編集部へ漫画原稿持ち込み。これが同社新人コミック大賞入選でプロ漫画家へ。以来ヒット街道まっしぐら。単行本149冊。

 同書には、画塾でデッサンをしたなぁ~んてことは一言も語っていない。5歳からの漫画模写・創作であの画力を得たらしい。壁面一杯の下書きから完成原稿展示は圧巻も、一点絵を額装の「ギャラリー」コーナーは特別な感動なし。漫画はタブローではなく、コマ割り(物語展開の構成・演出)で読ませるものゆえだろう。

 人気漫画家ゆえ会場は平日でも満員かと思ったが、入場者はパラパラで拍子抜け。帰宅後に漫画好きの方々のブログを拝見したら彼の漫画には賛否さまざまな意見。漫画家も多い。さらに今の若者は皆さんが評論家で、かつての少年らが漫画に夢を託したような状況ではもないらしい。

 先日、出版業界データが発表された。出版物は20年前の40%減。漫画単行本は横ばいも、漫画雑誌は激減。世界に誇る日本漫画の明日は大丈夫かしらと心配した。一世を風靡した「大友克洋」は漫画のペンを置いたとか。浦沢直樹はこれからも「描いて描いて描きまくる」のだろうか。これを機に、漫画にも注目してみようか。だが漫画は図書館にはない。えっ「漫画喫茶」「スマホマンガ」?。あたしには未知の世界がまだまだありそう。カット絵は同展チラシ写真から。少しは似ているかなぁ。


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