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宮「わたつみを守れる神のみやの船~」 [狂歌入東海道]

42miya_1.jpg 第四十二作目は「宮」。狂歌は「わたつみを守れる神のみやの船なみちゆたかにこぎかへるみゆ」。ボストン美術館では「神のみやの〝松〟」だが、偏は木じゃなく舟だろう。ゆえに「船」。わだつみ(海)を守れる神の宮の船浪路豊かに漕ぎ返る見ゆ」。宮=熱田神宮。熱田神宮なら大楠で、やはり〝松〟ではない。大伴家持の歌に「~漕ぎ隠る見ゆ」あり。結句はそれに似ている。

 弥次喜多らは「宮宿」で泊。ここでも弥次さんは隣の部屋の瞽女(ごぜ)さんに夜這いして大騒ぎ。瞽女さんの枕元から自分の部屋まで長々と褌が続くお粗末。喜多さん、爆笑しつつ一首。

「瞽女どのにおもひこみしは是もまた恋に目のなき人にこそあれ」。翌朝、慌ただしく船着場へ。ここから海上七里の渡しで桑名へ。今ここは「宮の渡し公園」とかで、当時の船着き場が復元とか。江戸時代は常時五十艘もの渡し船が稼働する賑やかさ。

42miyauta2_1.jpg42miyautaup_1.jpg「おのづから祈らずとても神ゐます宮のわたしは浪風もなし」。

 順風に帆を上げて滑るように走る船。小便がしたくなった弥次さんは、宿で貰った火吹竹にソコを宛がって致した。竹筒に溜めてから捨てると勘違いし、筒先の穴から小便がジョロジョロと洩れ広がって船の中は大騒ぎ。それでも船は無事に桑名へ着。

 「膝栗毛四編」これにて完。


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