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ジャポニスム21:古本市で関連書入手 [北斎・広重・江漢他]

boston3_1.jpg 池袋西口・古本まつり初日が十八日だった。以後は連日雨予報で初日に行った。かつて同まつりで全作揃いの広重『狂歌入東海道五十三次』を入手。書道系書棚下に文鎮を見つけてから骨董市で文鎮探しも始めた。

 今回はブログ「ジャポニスム」シリーズ中ゆえに、二十九年前の日仏共同企画でパリと国立西洋美術館共催『JAPONISME』展図録を千円で入手した。ジャポニスム資料として貴重な四百頁。片手で持つも辛い重さ。

 次に三年前のボストン美術館浮世絵名品展『北斎』図録を千五百円で入手。すでに所有のボストン美術館所蔵・肉筆画浮世絵展『江戸の誘惑』図録と併せ揃ったことになる。

 以上が物語る通り、浮世絵名作はことごとく海外美術館が所蔵。当時の日本では浮世絵(錦絵)は紙屑同然扱いで、屑屋から紙漉き所へ運ばれる束一貫目(四キロ)が十銭。それらを林忠正がせっせと欧米で売り捌いた。「ジャパニスム12」掲載の歌麿『鮑取り』三枚続が1050フラン(パリ小市民一ヶ月生活費150フランほど)とか。かくして日本の浮世絵は底をついたが、流失先で画家や工芸家らに大影響を与え、かつ大事にされて海外美術館に収まった。

 永井荷風『江戸美術論』執筆が大正二年だった。欧州の浮世絵人気に、日本画や西洋画を真似した日本油絵作をもってパリ展を開催したのが大正十一年。酷評。振り向く人は皆無。大きな〝勘違い〟。反省もなく、荷風没の二十一年後、昭和五十五年(1980)になって、やっと『ジャポニスム(=浮世絵の影響)」に注目した。日本の画家や美術界は相当に惚けていたと言って過言ではない。

 そんな事も記す瀬木慎一『浮世絵 世界をめぐる』も六百円で入手した。浮世絵全般を要約の函入り吉田暎ニ『浮世絵入門』(昭和三十六年刊)を千円で入手。他に北斎川柳の理解に中野栄三『江戸秘語事典』(昭和三十六年刊)も六百円で入手。

 これだけで相当に重かったが、帰宅後に自転車を駆って四谷図書館で岸文和著『江戸の遠近法~浮絵の視覚』、成瀬不二雄著『司馬江漢』(本文編・作品編)を借りた。「ジャポニスム」シリーズ20回で終了と思ったが、新資料入手であちこちに補足追記遊びに相成候。

 国立西洋美術館「北斎とジャポニスム」展が始まった。入場料1600円で図録が3000円らしい。新たな資料展開があるとは余り思えぬのだが~。貧乏隠居には古本と図書館本相手がお似合いかも。

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