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司馬江漢6:再び人体比率図を~ [北斎・広重・江漢他]

fujinratainozu_1_1.jpg 前回、江戸は明和7年(1770)刊、万象亭(桂川甫周の弟、森嶋中良)編の『紅毛雑話』の人体比率図をアップしたら、美術系友人から「江戸時代にそんな図が出回っていたとは驚いた。文章があれば、それも紹介せよ」の連絡が入った。古文書初心者ゆえ、たどたどしく読んでみた。

 「紅毛の画法附銅板の法」 紅毛の画たるや至れり尽せり。尤(およそ)此道学ぶ者、初めに男女の骨節(骨格の意だろう)を精(くわし)うし。夫(それ)より赤裸(あかはだか)の人物を出き習ひ。其上にて衣服を着たる所を画くにいたる。下に出す画法は「シキルデブック」に載る。一チ二箇を模写して、好事の人に看(かん)に呈す。「シキルデ」は画、「ブック」は書の事なり。扨(さて)銅板(あかねばん)を~ 文章はここから銅版画の法の説明に入っていた。(誤訳あればごめんなさい)

koumougahou1.jph_1.jpgkaonokakikata_1_1.jpg 残念ながら、比率図に関する文章はこれだけ。ついでに「婦人身體之図」と「同異本之式~是はコンパスル矩(さしがね)にて割たる法なり~」(顔の描き方の説明図)もアップ。これまた現在のデッサンの教材と同じ。

 改めて記すが、杉田玄白『解体新書』刊の4年も前、鬼平が火付盗賊改方長官になる17年も前の、明和7年刊の書です。当然ながら以後の絵師らも、むろん北斎も同図を見ていたような気がします。

 国立国会図書館『紅毛雑話』下巻をリンクゆえ、興味ある方はその先もお読みください。他に「骨節之式」「手足之式」「人物活動之式」なども掲載。次回は司馬江漢の油絵と銅版画についてのお勉強に入ります。

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