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飯島耕一『虚栗』の時代~芭蕉と其角と西鶴と(2) [読書・言葉備忘録]

iijima1_1.jpg (1)に続くが、長くなるので私的解釈メモ。 ④京の俳人は『虚栗』刊前後にしばしば江戸に下って、芭蕉や其角と交わっていた。⑤幸田露伴『井原西鶴』と『芭蕉と其角』について。⑥今泉準一『元禄俳人宝井其角』、加藤郁乎『江戸の風流人』、柴田宵曲『蕉門の人々』、「日本古典文学全集」の『井原西鶴』の暉峻康隆校注に言及。

 ⑦「早稲田文学」での自身と加藤郁乎との対談をひき、乾裕幸『井原西鶴~全句集』へ。⑧著者が名付けた「虚栗の時代」(天保元年、二年、三年、貞享元年あたりの世情と事件調べ。

 ⑨西鶴『好色五人女』 『好色一代男』考察。 ⑩は旅がテーマ。『好色一代男』は色道修行の旅。世之介の寺泊の廓の物語から、『おくのほそ道』も旅で<一家に遊女もねたり萩と月>を並べひく。芭蕉と西鶴は水と油だが、色と情では合うのではと結ぶ。

 ⑪『虚栗』の其角句を紹介。⑫大阪天王寺の西鶴の墓へ。著者は感傷的になって亡くなった友を次々に記し、其角の芭蕉三回忌の句<しぐるゝや此も舟路を墓参り> ⑬『虚栗』の芭蕉と其角の歌仙全句。

 同署はみすず書房、1998年刊。併せて飯島耕一『詩の両岸をそぞろ歩きする』(清流出版、2004年刊)を読む。其角関連エッセイは「笑顔・種村季弘素描~其角は西鶴より二十の年下だったが」、「芭蕉と其角とは本当にどんな師弟だったのか」、「其角と芭蕉の深い因縁」があった。


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