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異体字の字典ひもとく夜長かな [くずし字入門]

itaiji_1.jpg 「異体字解読字典」(柏書房、二千円)を購った。巻頭に「異体字とは」が記されていた、~現在正しい楷書とされているのは「康熙字典」(中国の漢字字典で日本でいう旧字体が載っている)や「常用漢字」に載っている字体で、それ以外の古字、本字、俗字、略字、通用字、さらには草体のくずし字もすべて異体字といえる。

 ということで、私たちのまわりには「異体字」が溢れているのだが、隠居してから「異体字字典」を初めて手にするは、遅きに失する感が否めない。先日受講した古文書講座に「鹿浜町」(筆写参照)が出てきた。「鹿」はパソコンでは出てこない略字で、「浜」は新字体ゆえに当然ながら「濱・濵」のくずし字。こうなると「異体字」の字典なしでは、くずし字の元の字もわからん。

 秋の火を嫌って穐と本字記し

sikahama_1.jpg 写真の開いた頁に「秋」がある。旧字・本字は「穐」。この字は二十年も前から知っていた。某歌手の名古屋の劇場公演をレポートした際に「千秋楽」は「千穐楽」と記しなさい。「秋」には「火」があって劇場は嫌いますゆえ~と指摘された。芸処・尾張のこだわりだ。

 目下、尾張藩がらみ古文書の復習中。一方読書中は尾張藩御用人から隠棲した横井也有の『鶉衣』。也有隠棲の裏には、徳川吉宗に反抗した当時の藩主・吉春によって翻弄された御用人の日々があったに違いないと睨んだので、徳川吉春関連本も読んでいる。妙に尾張づいてしまった。その辺を勉強しつつ字典をひもといていると秋の夜長も短いこと。


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