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古文書も自転車遊びも台場がらみ~ [くずし字入門]

komonjyo11_1.jpg 十月八日の続きで、左記筆写の解読文+読み下し文。

 御用向之儀ニ付(ご用向の儀につき)昼夜不限(かぎらず)何時被 仰付(おおせつけられ)次第、刻限等聊遅滞不仕(こくげんなどいささかも遅滞つかまらず)、無御差支(おさしつかえなく)右馬不残(のこらず)引連罷出可申候(引き連れ罷り出で申すべく候)、万一差懸り川支(川づかえ=川止めに差しかかり)、其外(そのほか)差支筋(さしつかえすじ)有之歟(これあるか)、又ハ病馬有之候ハゝ、是又(これまた)刻限遅滞不仕(つかまらず)、無御差支(おさしつかえなく)代り馬差し出し候様、当人方并(ならびに)私共取計置可申候(取り計らい置き申すべく候)、尤(もっとも)右足留金受取候ニ付、御用相済候迄ハ、何様の義(なにようのぎ)御座候共、代り馬差替無之内ハ(代わり馬差し替えこれ無きうちは)為引取(ひきとらせ)申間敷候(申すまじく候)、後日毛頭御差支無之様(これなきよう)、当人共銘々証人有之候、別紙帳面此度差上(このたび差し上げ)、私共連印一札(れんいんいっさつ)差出申候処、仍て如件(よってくだんのごとし)

 一字ずつ「くずし字」を字典で確認して筆写する。それを改めて解読し、読み下す。繰り返しやってはいるが、十をやって覚えられるのは一つだろうか。だが十回やれば十を覚えられる。そうやって一歩一歩古文書に慣れ覚えて行く。古文書が読めてから、何かの役に立つかと言えば立たず。

 江戸時代の農家名主が遺した文書を、現代人のあたしが一字一字読めつつあって「あぁ、やっと江戸人に追いつけたかなぁ」とただ謙虚になって行く。謙虚になってそっと静かに死んで行く準備かも。あたしにとって筆写=写経みたいなものです。

 最近、自転車で東京湾埋立地に走るのに凝っている。同地成り立ちの書を読めば、この古文書が書かれた嘉永七年のペルー艦隊再来に備えた台場(砲台)築造の記述が欠かせぬ。妙に江戸趣味と自転車趣味がクロスしている。


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