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湾岸6)東京湾の放射能汚染 [新宿発ポタリング]

arakawakakou1_1.jpg 3年前の2011年3月11日、東日本大震災。地震と大津波。翌12日、東京電力・福島第一原子力発電所が水素爆発。以後のベント・破損で福島はもとより全国に放射能物質が拡散した。静岡のお茶、伊豆大島の明日葉からもセシウム検出で驚いた。

 放射能物質は雨が降るたびに田畑・野山から川へ集まり、下流へ流れ行く。湖は沈殿するのみ。ワカサギ釣りはもう出来まい。そして翌12年12月15日、NHK「知られざる放射能の汚染~海からの緊急報告~」を見て震えた。

 放射能物質は次第に東京湾に蓄積し、やがては福島原発20㎞圏内の海と同じになるだろうとデータを挙げてのレポート。すでに荒川河口(写真上)では872ベクレル/㎏、河口から8㎞上流で1623ベクレルが検出。京大シミュレーションでは2014年に汚染がピークとなり4000ベクレルになろうとも予測。

kasai1_1.jpg 小生は当時、鳥撮りに凝っていて「3.11」後も「葛西臨海公園」や「三番瀬」に行った。「三番瀬」では地震の亀裂段差に自転車もろとも前方一回転した。しかし同番組を観て、鳥撮りをやめた。愛おしく撮っている海辺の野鳥らが、放射能で汚染された土の微生物、虫、貝を食っているかと思えば楽しいワケがない。

 以来、東京湾の汚染が気になっていた。2014年になって再びNHKのレポートがあるかと思っていたがなし。原発事故に対する姿勢が変わったか。テレビで知らされるのは長閑な潮干狩り風景だったりする。オリンピックのカヌー競技を荒川河口脇の葛西臨海公園で行う(後に中止)、ちょっと変なところがある総理が「福島は完全にコントロールされている」とまで言い出した。原発関係者で責任をとった人もいない。原発事故はなかったことにしたのか~。

wakasudaiba_1.jpg そして先日(2014年10月13日)、NHKに代わって?東京新聞がほぼ全段で、東京湾上空から撮った写真に各ポイントの海底土、水の放射能汚染(セシウム)濃度をグラフ表示した記事を掲載した。千葉県の花見川河口で局地的に1189ベクレル、荒川河口では167~398ベクトル、多摩川河口は80~135ベクレル、沖合は不検出~41ベクレル。葛西臨海公園と夢の島の間に流れる荒川河口の4地点調査では上流が167ベクレル、河口に架かる橋の上下流が325,398ベクレル。若狭海浜公園脇辺りが209ベクレル。

 文章には「土採取中に葛西臨海公園の波打ち際を見れば幼児が水に手をつけ、海上では多くのヨットが走るのどかな海辺の景色があった」とも記していた。(潮干狩りシーズンだったら海辺は人で埋まっていただろう)。同紙ではまた「水産庁データではシジミ、アサリ、ウロハゼなど食品基準から考えると心配ない状況といえそうだ」ともあった。(本当だろうか? 写真は東京ゲートブリッジから見たお台場風景)

 ちなみに榛名湖のワカサギ釣りをネットで見れば「解禁」とあって、これまた驚いた。あれほど絶望的レポートがあったのだが~。日本という国はイヤなことはすぐ忘れる素晴らしい特性を有しているらしい。釣った魚を食う食わぬは知らぬが、台場でも東京ゲートブリッジでも釣りに興じる人の多いこと。

 あたしの釣り初体験は、子供時分に父に連れられた「東雲のハゼ釣り」だった。あのビリビリ来る竿の感触、さらに天麩羅の旨さを今でも覚えている。あたしも釣りたい、食いたい。いつ死んでもいい老人ゆえ、多少の放射能汚染はどうでもいいのだが、ここを〝なし崩し〟にしたら、次世代の子らにダメージを与えることになろう。ここは警告を発し続けなければとも思う。

 追記:2014年12月19日の東京新聞が、東京を流れる隅田川と荒川の流域セシウム調査を発表していた。流れの早い荒川は河口付近で濃度が濃く(398ベクレル/㎏)、満潮で流れが逆流する(流れが緩い)隅田川は中流域が高濃度(378ベクレル)と発表した。これは東京新聞の調査・発表だが、政府はどうしてこうした調査・発表をしないのだろう。※ベクトル=大きさと向きの量。ベクレル=放射能の量(Bq)。間違いをご指摘され、訂正しました。)


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