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ササとゴイ撮れぬはヨシの四年越し [おくのほそ道]

sasagoiko2_1[1].jpg 金森敦子「芭蕉はどんな旅をしたか」では、芭蕉が旅をした前後の旅人30名余の日記が丹念に調べられている。当ブログおなじみの大田南畝関連で登場の平秩東作の「歌戯帳」も多々引用でうれしくなってしまう。これは芭蕉から94年後の天明3年(1783)に蝦夷地探索の際の紀行文。また「読書備忘録」で記した織田久著「江戸の極楽とんぼ」の「筆満可勢(ふでまかせ)」(芭蕉の139年後、文政11年=1828)も引用。こっちは江戸深川の芸人が、宿場遊女らと深間になっては逃げるように町から町への放浪記録。それにしても江戸時代は長い。

 さて、芭蕉17句目は「武隈の松」で<桜より松は二木(ふたき)を三月越シ)と詠んでいる。江戸を出て三ヶ月、遅桜もすんだが歌枕の二木を三月越しに見たという句。二木は逸話があって古歌に詠まれた一本の木から二股に伸びた松。芭蕉の時代にすでに植え替えられて何代目かで、今も植え継がれているそうな。

goisaginoko_1[1].jpg ここにも東作が出て来る。東作は岩沼を出発して一丁ほど行ってから「武隈の松」があるのを思い出して「おぅ、駕籠や、そこへやってくれっ」と頼むが、しぶる駕籠かきと銭の追加交渉のやりとりがおもしろおかしく記されているそうな。

 さて、芭蕉句のもじり遊び。芭蕉が「桜と松+二と三」なら、こっちは「野鳥三種の数字並び」。<ササとゴイ撮れぬはヨシの四年越し> 笹五位(写真上)は撮った。五位鷺とその若鳥・星五位(写真下)は水辺で容易に撮れるが、未だに撮れぬのが葭五位。鳥撮り4年目の今年こそ。


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