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蚕飼する祖父が見てゐた遠眼鏡 [おくのほそ道]

 「おくのほそ道」尾花沢の4句目、計27句目は曾良句で<蚕飼する人は古代のすがた哉> 蚕の世話をしている人から、古の姿もこんなだったろうかと偲ぶ句。芭蕉は伊賀上野生まれ、曾良は信州上諏訪生まれ。共に蚕飼する家や人々の暮らしを知っていただろう。

 定かな記憶じゃないが、あたしが赤ん坊時分に疎開していたらしい。終戦後の幼少期も父方、母方の田舎に長逗留していた記憶あり。父の実家は横須賀の山ん中。二階に蚕棚があり、蚕が桑の葉を食うザワザワという音を覚えている。横浜港からの輸出で、その地も養蚕が盛んだったか? 祖父は海軍出か、モスグリーンの大きな単眼望遠鏡を持ってい、山の上から、さも米軍の軍艦を監視しているように覗いていた。幼児期の記憶を語れば、姉がいつも「嘘ばっかり。とんでもない記憶違いだ」と腹を抱えて笑う。

 定かでない記憶はさておき、芭蕉の時分、いやその前から続いていただろう養蚕や桑畑は、今はもう見ることも少ない。我が息子も蚕や桑畑を知らぬ日本人になった。古からの日本の暮しや情景が次々に失われ行くが、花や鳥は不変の姿で身近にいる。あたしの双眼鏡はNikonの「sportstar」で、ビッグカメラで1万円。使い勝手がすこぶるいい。鳥という古から変わらぬ愛らしい姿をピタッと捉えてくれる。原初が覗ける。

 ★So-netのブログ、相変わらずファイル=写真アップが出来ず。サムネイル画像表示がなく、<読み込み中>で固まったままだ。トラブルは苦情殺到など即反映が常だが、そんな様子もない。自分のブログだけのトラブルだろうか)。


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