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忝奉存候=かたじけなくぞんじたてまつりそうろう [くずし字入門]

kanyoku1_1.jpg 古文書を好かんワケは、封建時代ゆえ極度の尊敬語・丁寧語満載ゆえだろう。遺された古文書は、概ね上下関係のなかの書付、記録。しかも漢文調だ。あたしは熊さん八ッつあん同士の手紙が読みたいが、そんなものは遺っていない。

 

「忝奉存候」なる漢字四字をなんと読む。「かたじけなくぞんじたてまつりそうそう」と十八文字の平仮名になる。下から上へ読む「返読文字」もややこし。以下、読み難い慣用句を列挙メモ。これを覚えれば、かなりの部分がスラスラと読めることになる。

 

「仰付被下置候様偏奉願上候」は、~仰せ付け下し置かれ候(そうろう)様(よう)偏(ひとえ)に願い上げたてまつり候。どこで区切り、返読するかは暗記するがいいだろう。

 

「被為 仰付被下置候ハヽ」。~仰せ付け為(な)され下し置かれ候らわハ」。「為=ため、として」の他に「為=せ、かせ、させ、わせ、らせ、し」と読む。「被=(受身で)され、さる」。「被成=なされ」「被下=くだされ」「被成下=なしくだされ」「被下置=くだし置かれ」「被仰付=おおせつけられ」「被為仰付=おおせつけなされ」「被仰聞候=おおせきかされ候」「被仰出者也=おおせいださるものなり」。

 

上記に「可」が付くと「可被下=くださるべし」「可被成=なさるべし」。「可被下候=くださるべくそうろう」となる。この場合の「可」は可能ではなく、申すの丁寧語。

 

「仍而如件=よってくだんのごとし」。「如此=かくのごとし」。「不及申=もうすにおよばず」。「令」も古文書特有で「令吟味=ぎんみ(せしめ)」「令請印=うけいん(せしめ)」「令覚悟=かくご(せしめ)」「令沙汰=さた(せしめ)」など。この辺は慣用句ゆえ丸覚えがいいようです。


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