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4)資本主義の終焉は民主主義をも~ [政経お勉強]

minnsyuhokai_1.jpg 2月1日「東京新聞」に「ピケティ氏、本紙と単独会見」速報。詳細は後日掲載とあったが核心一部が紹介されていた。氏は「日本の富裕層上位10%の富が、1960年代は全体の30%程度で、2010年は40%に上昇」。富の集中が進んでいると指摘。非正規労働者が全体の4割に拡大していることには「経済成長を阻止する」と懸念。また「人口減少は経済成長率を鈍化する」。親から遺産を引き継ぎ、家賃や配当を稼げる富裕層と、所得が伸び悩む中低所得層の不平等が広がる」と指摘したそうな。

 日本の総理は、何故に親から遺産を引き継いだ元総理の子や孫で、かつ財閥裕福層のお坊ちゃま(麻生太郎、福田康夫。鳩山由紀夫、安倍晋三など)が就任するのだろうか。おっかしいなぁ~。

 さておき、ここでは水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』より氏の資本主義史観による〝資本主義の変遷〟を自分流解釈でまとめてみる。①12~13世紀のイタリア・フレンツェで「資本家と利子」が登場。②16~17世紀にイギリスが海を越えて途上国の資産を搾取。この所有欲=資本の蒐集が欧州資本主義の理念。③自国工業力が優って自由主義、植民地主義を主張。④途上国が発展して自国を脅かせばIT技術と金融自由化のグローバリゼーションを推進。⑤蒐集する周辺(国、地域、人々)がなくなってきて資本主義が終焉へ。

 加えて「蒐集」による破綻例をこうあげている。★「9・11」は米国金融帝国の「蒐集」に第三世界が反抗したもの。★リーマン・ショックは「電子・金融空間」でマネーを過剰「蒐集」しての自滅。★日本の原発事故はエネルギー「蒐集」で起きた事故。★欧州危機は独仏同盟による領土「蒐集」(ユーロ帝国)が招いた危機。「蒐集」が限界に達して資本主義の歴史が終焉に向かっていると説明。

 水野著は、それが「民主主義をも破壊」するとも指摘している。「近代システムは中間層がいて、民主主義と資本主義が成立していたが、今日の貧富二極化による中間層減少で民主主義も成り立たなくなった」。「日本では1970年代に〝1億総中流〟が実現したが、中国で〝13億総中流〟が実現するとは思えない。富裕層と貧困層になれば階級闘争が激化し、中国共産党独裁体制も揺さぶられよう」。

 また「富める者は、強引で独断になりがち」ともあった。今朝の新聞で野村総研調査の消費者アンケートが発表されていた。北海道ではアベノミクス「全く実感していない」「実感していない」計75.4%。関東では同計65.1%。別記事で「百貨店売上高4社前年割れ」、「1月新車販売前年比19.1%減」。「味の素が原料価格高騰と円安で輸入コスト上昇で値上げ」。アベノミクスによる異次元的量的金融緩和の大きなツケが、民主主義の行方がちょっと怖くなってきた。


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