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3)富裕層1%が全資産半分を独占 [政経お勉強]

 横井也有『鶉衣』を続けたいが、政経お勉強を始めると状況は刻々と変化して慌ただしい。その意では「江戸」は優しい。こちらが行くまで待ってくれよう。かくして「政経お勉強3)」に入る。

kabudaka_1.jpg アベノミクス第一の矢は「量的金融緩和」の他に、GPIF(年金積立金管理運用独立法人)の日本株運用比率を12%から25%に引き上げた。政府は年金積立金で日本株を買わせた。外国投資家と年金積立金で株価17,000円台へ。日本は「禁じ手=大規模量的金融緩和=財政ファイナンス」をいつまで続けるのだろう。(ここは「山田順プライベートサイト」を参考。氏はブログ文の著作権を開放されてい、それは小生も同じ。勉強させていただいています)。

 そう心配した1月23日、新聞に「欧州中銀が量的金融緩和」の大活字があった。3月から2016年9月までユーロ圏の政府発行国債を毎月約8兆円、総額150兆円買い込むらしい。ギリシャの債務超過に端を発したヨーロッパ不況だが、先日のギリシャ選挙では欧州連合(EU)主導の緊縮政策に異を唱える新首相が誕生。欧州の先行き不透明。

 世界各国が不景気脱出に「量的金融緩和」だが、国債は国の借金。限度を越えれば国債暴落。国の財政崩壊。図式通りに参らぬ危ない綱渡りが続く。どうやら資本主義は行き詰まったらしい。

 水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』には「リーマン・ショック後も3年に1度バブルは生成し、崩壊する」とあり、懲りない政治家の〝成長〟頼りで、繰り返されるバブル。その度に富裕層上位1%に富が集中。そしてバブル崩壊の度に公的資金で金融機関が救済され、その犠牲で中間層がリストラされて貧困層が増える、とあった。

IMG_6197_1.JPG そんな文を読んだ1月20日の新聞に、なんと「富裕層1%が世界資産の半分を所有」の大活字。これは国際非政府組織オックスファムが19日に発表したもの。2014年、富裕層上位1%の所有資産が全世界資産の48%を占めた。1%の人々の平均資産は約270万㌦(約3億1500万円)。上位80人の資産合計は222兆円。これは下位50%、約35億人を合わせた資産とほぼ同じ。「えらいこっちゃ。格差がこんなに広がっていたとは」。

 ちなみに日産カルロス・ゴーン社長の年収は10億円。累計100億円。例えばこれで資産運用をしていれば想像できぬ金額に膨れ上がっているだろう。ネットで「役員報酬ランキング」を見ると、つくづくイヤになってしまう。なぜに格差はここまで拡大したか。

 1月30日、格差拡大を論じた世界的ベストセラー『21世紀の資本』(みすず書房刊、分厚そうな本で5949円)の若い経済学者トマ・ピケティ氏が来日した。国会でさっそく「ピケティ氏論争」。格差是正を訴えた民主党に対し、安倍お坊ちゃんは〝まずは成長〟と突っぱねたらしい。(新聞報)

 資本主義はどうしようないほどの格差を生み、終焉に向かっているらしい。老いたあたしは分厚い『21世紀の資本』を読み込む気力はないが、先日夜、眠れずにテレビをつけたらEテレでピケティ氏のパリ講義が放映中で見入ってしまった。富と資産の保有者の資産収益率(r)> 経済成長率(g)とか。しかも日本は4人に1人が高齢者で、6人に1人が貧困。当然ながら経済成長率は余りに微小だ。


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