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5)ゼロ成長で豊かに生きる [政経お勉強]

 人生初「政経お勉強」を始めると、眼を止めるテレビも違ってくる。早起きのあたしはBSジャパンの朝「Newsモーニングサテライト」に見入った。東京・NYを結んで円高、株高、格差、量的緩和、アベノミクス、物価指数などの言葉が飛び交う。「テレビ東京」系は日本経済新聞社系ゆえ経済に特化した「日経朝とく」「日経プラス10」「ワールドビジネスサテライト」等が特徴。

 本も水野和夫著だけではマズかろうと紀伊国屋書店へ。まぁ、新書コーナーは経済書で盛り上がっていた。『税金を払わない巨大企業』なる新書腰巻にはソフトバンク0.006%、ユニクロ6.92%の大活字。アベノミクス批判書も多い。

 テレビは系列新聞社の色付き、体制へつらい、ジャーナリズム欠如、芸人頼り、韓国ドラマなど情けない媒体になって久しく、観たくない番組が多い。加えて公共電波利用による「放送法」(政治的に公平であることなど)のシバリもあろう。比して出版社は誠に自由闊達の感がした。あたしは古本、図書館派だが、たまには新刊書店を覗くもいいかなと思った。

 平積みから、内容はわからぬが題名から佐伯啓思著『「アメリカニズム」の終焉』、武田晴人著『脱・成長神話』、小幡績著『円高・デフレが日本を救う』を購った。オォ!これは経済分野外だが橋下徹・猪瀬直樹・石原慎太郎(当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、今は羽抜鳥の感)らが結託した攻撃で筆を折った佐野眞一〝復活〟の書『ノンフィクションは死なない』があって思わず入手し、最初に読了なり。

 さて、水野和夫著のまとめに入る。第三章からは資本主義終焉後の考察。いち早く資本主義の限界に突き当たり、経済的需要飽和点に達した日本こそ、新システム構築のポテンシャルがあると指摘していた。

 先進国はもう「無限」がない事を知ったのだから「より速く、より遠く、より合理的」から「よりゆっくり、より近く、より曖昧に」で、そこに幸せを見出す新システムを創ったらいいだろう。まずは「脱成長」へソフト・ランディングしよう。

hanazonotuina2_1.jpg その先は「ゼロ成長=定常状態」だろう。例えば自動車なら乗り潰してから買い換える=一定台数で推移する社会。だが日本はすでに一千兆円余の借金がある。ゼロ成長だって至難。気を抜けばマイナス成長になる。今のまま成長を夢見るアベノミクスでは危機が加速、破綻も拡大されるだけだろう。同書はそんな警告で終わっていた。

 同書を読み終えたところで、かかぁの声。「おまいさん、ペットボトルのお茶が115円のところ、今日だけ87円だってさぁ。持てるだけ買って来ておくれよ」「よっしゃ」。ふん、あたしなんかとうにゼロ成長で生きているんだがなぁ、と呟きつつスーパーへ向かった。

 写真は2月3日の新宿・花園神社の節分祭追儺式(ついなしき)。旧暦の大晦日。立春の前日。有名人・芸人なしで宮司さんと鬼の問答に恵比寿様、大黒様も登場。「豆打ちてゼロ成長の豊か哉」


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