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春めきて街に溢るる女体かな [新宿発ポタリング]

hana.jpgkinndaibijyutu.jpg 自転車で街を走っていると、銅像を眼にすることが多い。概ね明治維新の薩長出身の軍人さんが多く、江戸ッ子はあまりいい気がしない。

 女性の裸体像も多い。ハワイか南米のビキニ姿の女性らが闊歩する国ならまだしも、未だ外套も脱げぬ季節の公共の場で、いきなり裸体像に出逢うとドキッとしてしまう。

 最初に紹介は、皇居ランナーに交って自転車で走っていたら、道路向こうの東京国立近代美術館の前庭にアクロバチックな女体像が驚かせてくれた。調べたら「ヤゲン財団コレクション」のマーク・クインさんの作品らしい。ご高齢のご夫人が口をあんぐり開けて見惚れていた。

 谷中の朝倉彫塑館屋上の、跪き空を見上げる豊満な女体ブロンズ像を見た。谷中墓地に隣接していて死と命の対比に感心してしまった。もう一つは野暮用で時に下りる田端駅「ふれあい橋」の、眼にも眩しい黄金の女体像「華」。芸術ゆえ観るに恥ずかしがらなくてもいいのだろうが〝どこ見てんのよぅ〟と言われそうで、つい俯いて通り過ぎる。

asakuraonna_1.jpg むろん男性の裸体像も多い。皇居は半蔵門沿の公園に裸体群像がある。何故に東京に裸体像が多いのだろうか。裸体の絵や写真は、概ね書籍や美術館に収まっている。イタリアのルネッサンス彫刻でもないのに、東京の公共の場での裸体像の多さに、何か訳があるのだろうか。

 谷中墓地に「川上音二郎」碑がある。その上にあった全身ブロンズ像は戦争中に供出されたとか。ゆえに当然ながら戦前、戦中には街中に裸体像があるワケもなく、これは戦後になってからなのだろう。戦後の解放感、自由謳歌ゆえか。

 裸の世界なら銭湯、公衆浴場がある。ここに女体像があってもおかしくないが、ここには何故か富士山が描かれている。ゲージュツは展示を含めて奥が深いのかもしれない。


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