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北区の軍事遺跡(4)北区と新宿区図書館 [新宿発ポタリング]

 小樽の煉瓦倉庫を改造した巨大カフェのような素敵な北区中央図書館。制服姿の女性スタッフ。羨ましくなって越境「利用者カード」を作った。家に戻って北区図書館の「Web OPAC」(Online Public Access Catalog=図書館のネット検索できる蔵書目録。オパック)で、陸軍造兵廠関連本を探したが、それほどのヒットなし。「なぁ~んだ、素敵なのは格好だけか」。

sinjyukutosyo3_1.jpg 試みにキーワード「幸田露伴」で検索。北区は51件で、新宿図書館では170件がヒットした(その画面が左写真)。新宿では同キーワードで『露伴全集』も『露伴随筆』もヒットするが、北区は「露伴全集」と打ち込まなければ『露伴全集』は出て来ぬ。OPACのシステム、見易さも未熟。なお『露伴随筆』は北区ゼロで、新宿では全五冊蔵書。

 これで評価するは早計と、過日のテレビで観た「井上安治」を検索してみた。これまた北区ゼロ。新宿では「色刷り明治東京名所」を2館が蔵書。さっそく借りたが北区中央図書館最寄りの「滝野川紅葉」(紅葉寺こと金剛寺の紅葉行楽を描いた絵)があった。明治初期の石神井川(この辺りから滝野川と名を変える)の閑寂華麗な秋の風情なり。新宿図書館の蔵書充実なり。

 だが如何せん新宿中央図書館は老朽化甚だしく、近々(来年五月)に廃校の旧戸山中学校へ移転とか。それもボロ舎なり。同地に「新中央図書館」建築(スケジュール未定)までの仮舎とか。果たしてあたしが生きているうちに、新しくお洒落な施設・内容になるや。

 なお北区中央図書館に蔵書と絵画を寄贈のドナルド・キーンさんだが、目下「東京新聞」で月一回「ドナルド・キーンの東京下町日記」連載中。12月2日はタイトル「三島への戯れ 癒えぬ痛みに」。三島由紀夫との交流を述懐し、こう結んでいた。・・・三島はある時から手紙に「怒鳴門鬼韻様」と当て字で書いてきた。そこで、私は仕返しに「魅死魔幽鬼夫様」と書いた。三島が自決した翌日消印の航空便をニューヨークで受け取った。「小生たうたう名前どおり魅死魔幽鬼夫になりました」と書かれていた。

 北区中央図書館近くに、三島が割腹した市ヶ谷・陸軍自衛隊駐屯地一号館によく似た「東京第一陸軍造兵廠本部」(現・北区文化センター)が遺されている。怒鳴門鬼韻さんは、この建物を観てどう思っただろうか・・・。(続く)


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