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五輪イヤーの不動産は? [政経お勉強]

tokyozenbo_1.jpg 小生は超高層ビル好きだが「こりゃ、ちょっと建て過ぎじゃないの」が正直な感想。都庁展望階から湾岸まで超高層ビル吃立で〝剣山〟のよう。

 これら超高層のオフィスビルへの入居会社も、商業複合ビルへの出店舗も、高額マンション購入者も数に限りがあろう~。新ビルへ入居すれば、どこかで「空き室」が生まれているはず。

 商業複合ビルの多くが劇場を有しているのにも呆れる。そんなに興業事業があるワケもなく、素人ながら「馬鹿だなぁ」と思ってしまう。不動産デベロッパーは開発を止めると倒れるのか。自転車操業のように、まぁ次々に新計画を展開です。

 世の基調は「少子高齢化」です。五輪後に選手村はマンション大量供給となる。投資家も不動産屋も価格上昇は「五輪まで」が合言葉。今朝の新聞に「マンション バブル並み5980万円」の題字。だが発売戸数は27年振りの低水準になったとの内容。

 白井さゆり著の不動産関係記述に加え、牧野知弘著『2020年マンション大崩壊』も参考にする。~今のマンション高騰は需要によるものではなく「建築従事者の高齢化による減少=人件費上昇+建設資材や原材料の上昇=建築コスト30%値上がり」による。白井著は「それを生んだのが日銀の異次元緩和と五輪開催決定です」

 加えて都心以外での高騰は少なく、1980年代末のバブルとは明らかに違う。上記理由ゆえに需要を伴わない、資産価値を伴わない建築ラッシュと高騰に、もしローン融資が焦げ付けば~と危惧する。東京都は五輪を契機に「東京国際金融センター構想」を掲げているそうだが「リスクマネー」嫌いの日本は、ロンドンや香港のようにはならないだろう。他に好材料も見つからないと記していた。

 「株価」が実態と違っていること。昨今の超高層ビル群に「成長神話がない」ことを認識するのが肝心ってことだろうか。白井著は最後に「今は成長なき時代のなかで、いかに充実した生き方を求めるかが進むべき道でしょう」と結んでいた。

 そこで昨年秋の国連本部での「気候行動サミット」でのスウェーデン少女・グレタさんの演説が再び胸に響いて来た。~あなたたちが話すのは金のこと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。もしあなた方が私たちを裏切るならば、あなたたちを絶対に許さない~

 先日のダボス会議でも、トランプ大統領はディール(脅し取引)で得た効果で米経済好調をアピールをするばかり。17歳になったグレタさんは「気候対策は何もなし遂げられていない」と反論。安倍首相の施政方針演説も、実態から離れた〝成長〟を自慢気に語り、躍動感あふれた新しい日本へ~と時代錯誤〝戦後復興〟風に白々しく語っていた。

 今年は遅まきながら、グレタさんや彼女に賛同する世界中の青少年らに敬意を表しつつ「気候変動、温暖化」のお勉強を少ししてみたいと思いました。

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五輪イヤーの日本経済? [政経お勉強]

goringo_1.jpg 元日銀審議委員の慶応義塾大教授・白井さゆり著『東京五輪後の日本経済』を読む。前項「兵器を買わされる日本」と同じく、このテーマ(経済)も無知・苦手だが、せめて年頭は頑張ってお勉強です。

 まずは「アベノミクス」について。平成18年(2006)から翌年までが〝美しい国〟なる意味不明な第1次安倍内閣。閣僚不祥事続出と首相自身の体調不良で退陣。以後、福田~麻生~鳩山~菅~野田内閣を経て平成24年(2012)に第2次安倍内閣。ここで出て来たのが「アベノミクス」。

 平成20年(2008)の「リーマンショック」時は麻生内閣。翌3月株価=7054円の大底。菅内閣の平成23年(2011)3.11に東日本大地震で株価8605円。そして平成24年(2012)の第2次安倍内閣「アベノミクス=大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」。

 黒田日銀総裁主導の「大胆な金融政策」は「量的・質的金融緩和=異次元緩和」。長期国債とETF(指数連動型上場投資信託。詳しくは各自お勉強下さい。)買入れにジャブジャブとお金を投入。ETF買入れは1995年(村山内閣・松下日銀総裁)からだが、「アベノミクス」は異次元のジャブジャブ投入。

 アベノミクスのETF買入れは当初、年間1兆円だったが3兆円から6兆円とエスカレ―ト。かくして日銀ETF保有額は30兆円余。東証1部の時価総額574兆円余の約19%で、マーケットを左右する巨額資金になった。

 次いで145兆円の運用資産を持つGPIF(年金積立金管理運用独立法人)の株式買入れ。2017年の日本株の保有額は36兆円に達して日本株の最大株主。かくして日本の株は、日銀とヘッジファンド(保有率30%の外人投資家=上っても下がっても利益追求目的)によって、実態とかけ離れた状態になった。

 外国投資家は、危険を察知すればサッと引けばいいが、巨額を投じている日銀は引くことも出来ず、ただただ株を買い続けねばならずで、えらいリスクを負っている。長期国債保有額は、昨年3月末で459兆円。

 「株が上った」などとバカみたいに自画自賛しているが、企業はそんな危うさを十分に承知之介で、故にひたすら内部保留(約463兆円=2018)だ。庶民に金は回らない。当然ながら「成長戦略」も芳しくなく、目玉のIRにも怪しさが満ちている。(小生はまだまだ理解不足ですか、皆様各自お勉強下さいませ)

 追記:日本経済「五輪後の落ち込みを」紹介したが、1月に早くも暗雲。「新型コロナウイルス」騒動で中国に工場進出した諸企業、および国内観光が大打撃。五輪前に不景気風が列島に満ちた。日本、乗り切れるや。

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『兵器を買わされる日本』 [政経お勉強]

heikitokyo_1.jpg 政経のお勉強は好きじゃないが、頑張って読んでみた。著者:東京新聞社会部で12月20日刊。新書帯コピーに「これが新聞記者の調査報道です」。その1冊を自分流1回まとめ。

 平成18年(2006)、安倍内閣は〝美しい国〟を掲げ、「外交・国防を官邸主導で先導すべく」従来の「安全保障会議」を「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設を高らかに提唱。だが下痢(大腸炎)辞任で頓挫。

 翌年の福田内閣は、従来の「国防会議と安全保障会議」で充分ですと判断。麻生~鳩山~官~野田、そして平成24年(2012)12月に第2次安倍内閣発足。翌年に「国家安全保障会議」を閣議決定し、その事務局(実働部隊)「国家安全保障局(日本版NSS)」を発足(昨年末に安倍内閣を陰で支えてきた「内調」北村滋が局長就任)。

 自衛隊内部からは専守防衛、システム、人材面などから発案叶わぬ軍備拡大が、官邸主導で次々に決定。護衛艦「いずも+かが」空母化。既に計画済のF35Aの42機に加え、F35ステルス戦闘機105機(F35Aが63機、F35Bが42機)の爆買い。F35A=1機110億~180億円(空母登載F35Bはさらに高額)105機で1兆2600億円超?

 さらにオスプレイ(1機100億円想定も、実際は200億円で17機導入?)。イージス・アショア(2基1757億円)、早期警戒機F-2Dを9機(1940億円)、グローバルホーク(無人偵察機1機158億円×3機=474億円が計600億円に値上通告されているとか)。戦闘機を買えばミサイルも買わなくてはならぬが、値段未定ながら導入決定でロッキード社も腰抜けるほど仰天。

 これら軍備拡大の裏には国防目的の裏に、トランプ大統領の選挙アピールお土産要素含みとか。ワシントン・ポストは「そこまでトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注ぐ指導者は世界中をさがしても他にいない」と大絶賛(失笑)とか。

 これらは数年前の「秘密保護法」で、国民への説明はなし。かくして2019年の防衛予算案を上回る5兆3613億円の兵器ローンを抱えたらしい。毎年のローン返済のやりくりが厳しく、国内防衛企業への支払い延期を試みたが叶わずで、補正予算や予算振り分けなどの裏の手を駆使の自転車操業とか。加えてこれら兵器はFMS(=米国の装備品輸入=言い値による維持整備費)で、一度購入すれば莫大な維持管理費が続くらしい。

 新年早々にとんでもない本を読んでしまった。詳しい内容は同書をはじめ、各自お調べ下さい。ネットでもかなり調べることが出来て、調べる度に腹が立ってくる仕組みになっているようです。縁のない兵器名・数字ばかりで誤記多いかも。気付き次第修正します。

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「i~新聞記者ドキュメント~」を観て [政経お勉強]

sinbun_1.jpg 映画「新聞記者」の原案者・望月衣塑子を追った「i~新聞記者ドキュメント~」を観た。映画「新聞記者」を観て「同調圧力」と「内調」(内閣調査情報局関連7冊を読む)の勉強をさせていただいだ手前、同映画も観なければ~です。

 望月衣塑子著『新聞記者』(角川新書)も読んでいるが、構成・筆力の弱さか、映画ほどの訴求・説得力なく、小生は当時のブログで同書言及なしだった。それにしても昨今のマスコミ=忖度官僚と同じだなぁと思っていた。

 内閣に擦り寄る媒体社や関係者。内閣発表そのまま報じる大本営発表のような媒体。先日テレビ出演の前川喜平氏が「官僚は公僕ならぬ下僕になっちゃった」。マスコミも評論家・文化人?らも下僕になった方々の多いこと。

 官僚が下僕になったには、長期政権内閣が官僚人事権を握ったことによろうが、それだけではないだろう。バブル崩壊(1991~1993年)、就職氷河期(2000年前後の就職)の関係あるかと推測する。

 官僚の忖度人生の代表格がモリカケの佐川宣寿(当時理財局長)だろう。1957年生まれで、官僚になって約10年後にバブル崩壊。世間の荒波に揉まれるより忖度=下僕で生きる安泰に安堵したと推測する。

 一方、マスコミ前線は望月衣塑子(1975年生まれ)はじめ40代だろう。彼ら世代は就職氷河期を勝ち抜いてのマスコミ就職。勝ち組の優越感と安堵のなかでジャーナリストの本分を忘れたように推測する。部外者ゆえ、某社の某記者がこんな取材をして~なる具体例はまったく知らないのだが、飲めば会社の愚痴に花咲かせているフツーの会社員のような姿が浮かんでくる。

 小生は、会社員4年後からずっとフリー。初任給でラッシュアワーの通勤電車拒否でドロップハンドルの自転車を買った。また小生ら世代は学生運動、カルチャー系ドロップアウトあり。安定した生活より他に夢を求めた世代。その結果、不安定や苦難苦渋もたっぷりと体験してきた。

 さて映画です。「新聞記者」はフィクション加味で果敢に闘う記者の姿に映画館に大拍手が満ちたが、今回の「i~新聞記者ドキュメント~」上映後の観客は重く暗く肩を落とし、冷たい雨の街に消えて行った。日本の政治家、官僚、マスコミの不甲斐なさをトコトン観せられて、日本は「i」の声が届かず「もう日本、だめだぁ~」の落胆を再確認。言い換えれば「ドキュメンタリー」の勝利かも。ちなみに「報道の自由度ランキングは日本67位」とか。地球温暖化、原発、核兵器問題も米国追従で後進国に成り下がった。

 それでも先日の菅官房長官会見の「桜を見る会、シュレッダー問題」で、従来になく記者らの質問が矢継ぎ早に飛んでいて驚いた。来年の日本、ちょっとだけでも良い方向に歩み出しますようにと祈った。

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内調(8)「官邸ポリス」現実92%と偏見100%  [政経お勉強]

makuren1_1.jpg 幕蓮著『官邸ポリス~総理を支配する闇の集団』を読む。帯コピー「元警察庁キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル!本書の92%は現実である」

 プロローグ。2011年の原発事故で内閣官房長・戸田(枝野幸男氏)が「日本国民を安心させる」偽情報の記者会見後に、トイレから妻へ電話。「日本はヤバい。子供を連れて日本脱出せよ~」(これ相当に悪質なフェイクと推測する)。それを隣のトイレで録音した記者が「官邸ポリス」の瀬戸(杉田和博内閣官房副長官)へ聞かせる。瀬戸は「〝国賊〟の志の低い大臣や政治家たち~」云々から「真に我が国のことを考えているのは内務(警察)官僚たる我々が~」と記す。

 端から相当に偏った意図、偏見で書かれた小説だとわかる。全12章、最近の諸事件の裏側が「仮名」で書かれていて、読めば「実名」が推測される仕組み。ちなみに俎上に載った仮名を、小生の推測実名で列挙してみれば~

 ★安倍総理の明恵夫人の夜遊び、森友学園がらみの後始末。★山尾志桜里議員の不倫スキャンダル。★御用記者・山口敬之氏の伊藤詩織さんへの準強姦逮捕の直前中止の裏経緯。★元文部科学省トップ前川喜平氏の「出会い系バー」リーク。★テレビ朝日の「放送番組審議会委員長」で番組監視をする総理応援団の幻冬社社長・見城徹氏。★反安倍記事が溢れるネット締め付けに、ミクシィ子会社「フンザ」のチケット転売で「ジャニーズ通信」よりの商標権不正利用で捜査。ジャニーズへ配慮と思われたくなく「TOKIO」Y君のリーク。★財務省の福田淳一事務次官の女性記者へのセクハラ発言事件。★2018年の総裁戦の裏側。★外務省系の矢口国家安全保障局に「官邸ポリス」が貸しを作った話~など。

kantei1_1.jpg ここで書かれた「官僚ポリス」は、前述通り現「内閣官房副長官兼内閣人事局長」の杉田和博氏(官邸の妖怪、現78歳)。「俺たちは政治家どもの下僕ではない。公僕のなかでも最も意識の高い我々こそが、日本を導いてゆく」。「内調」資料室が極秘の「官邸ポリス」設立準備室。杉田を頭に他の主メンバーは「内調」トップ北村滋内閣情報官、山下史雄警察庁生活安全局長、中村格警察庁総括審議官など。

 さて松本清張『深層海流』を読んだ後だけに、これは「カリカチュア」風小噺集の印象。帯コピー「本書の92%は現実で、100%の偏見で、コミック仕立てである」が相応しいような。同書出版は2018年末。世論調査で、モリカケ問題やアベノミクス不評で「安倍内閣を支持しない」が「支持する」を上回った時期。そこへ一石を投じるべく書かれたとも推測した。

 今井良著『内閣情報調査室』には、同書の著者〝幕蓮〟の正体を「内調」は絞り込んで監視下にあると記されていた。そしてサイト「アゴラ」に潮氏が特別寄稿。リストアップされた3人目Yと私は30年来の親交がある。Yのゴーストライターなら私の可能性だが、Yも私も「チーム幕蓮」ではない。誤解が拡散せぬように筆を執った、の一文が載っていた。まぁ、それほど真剣に読むこともなく、仮名を実在名に当て嵌める遊びを愉しみつつ読めばいいのかなぁ~です。小生は書籍に絵を描き加え、推測実名を書き込んだりして遊び読んだ。

 「内調」関連書は他に元室長・大森義夫著『日本のインテリジェンス機関』(文春新書)、毎日新聞で政治担当論説を務めた仮野忠男著『亡国のインテリジェンス』(論客19名執筆や対話。日本文芸社)はじめ多数。また『内閣調査室秘録』の志垣民郎氏が現役だった時代だろう『秘録戦後史~内閣調査室への報告書でつづる』全5巻(昭和20~40頃迄)の膨大書もある。読んでみたいが「内調」専門家?になりたくないので、この辺で「内調シリーズ」を止める。

 それにしても<「内調」⇒「安倍内閣」⇐「日本会議」>はどう絡み合っているのだろうか。宿題多数ですが、これにて終わり。冷房の効いた部屋で、しばしお絵描きの練習に没頭しましょと思っています。

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内調(7)長期政権で存在感増して~ [政経お勉強]

kitamura1_1.jpg 今井良著『内閣情報調査室』2回目は、注目した記述の箇条書きメモです。

 ★「内調」と公安警察、公安調査庁の競合:国内部門では<内調VS公安警察の公安1~3課VS公安調査庁の調査第1部>競合。国際部門では<内調VS外事警察VS公安調査庁の調査第2部>競合。この三つ巴の闘いが、安倍一強の長期政権で「内調」の存在が増しているとか。先の総裁選、前川喜平氏のリーク、安倍総理べったり記者の準強姦の逮捕中止など「阿部総理の私的機関」と揶揄されつつある。

 ★情報・諜報活動用語=インテリジュンス・アセスメント。電波・活字のマスコミやネット資料からの情報収集=オシント。協力者(人的)情報収集=ヒューミント(先日の日韓問題で、ヒゲの隊長こと外務副大臣・佐藤正久がテレビで幾度も〝ヒューミント〟と発していた)。通信傍受=シギント。暗号解読=コミント。レーダーの傍受=エリント。情報機関の相互協力=コリント。いやだねぇ、この歳になってスパイ用語を知るとは。

 ★スパイの初期訓練:まず徹底訓練されるのが「公刊情報の収集分析(オシント)」。その結果、約半年で「情報選択の達人」になり、やがて週刊誌編集長並みになるらしい。(このブログも余り長く〝内調シリーズ〟をやっているとチェックされるかも)

 ★2018年12月、幕蓮(ペンネーム)著『官邸ポリス~総理を支配する闇の集団』出版。帯コピー「元警察庁キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル。本書の92%は現実である」。なんと「内調」のさらなる上に「官邸ポリス」がいるとか。さて、どんな内容なのでしょうか。

 ★2019年1月現在の「内調」の調査委託先は、略称で世界政経調査会・国際情勢研究所(内調のシンクタンク)、国民出版協会、ラヂオプレス(北朝鮮の通信傍受でおなじみ)、内外情勢調査会(時事通信社の関連団体)、アジア動態研究所、アジア問題研究会、海外事情調査所、NHK、共同通信社、時事通信社、国際経済調査会、国際問題研究会、JONC、東京出版研究会、内外事情研究会、日本社会調査会、日本文化研究所。

 今井著は最後にこう締めくくっている。「内調」トップの北村滋内閣情報官は在任8年。「官邸の守護神」として総理大臣を支え続ける黒子としての存在感は増し続けるだろうと。昨日、森友学園がらみ文書改ざん容疑の佐川氏らへ、大阪地検捜査部は再び不起訴とした。まさか「内調」が絡んでいるとは思えぬが~。

 テレビで政治的発言をしている方々は、概ねどこかの息がかかっていると思って「鵜呑みをしないこと」、特に「全体主義に巻き込まれないこと」が肝心でしょう。テレビより多様性に富んだ書籍が並ぶ書店で選んだ本を読みましょ。次は「内調」の上で暗躍する『官僚ポリス~総理を支える闇の集団』を読んでみましょう。

 追記1:8月20日朝刊の「週刊写真誌」広告に<独占スクープ!滝川クリステル「妊娠情報」を内閣情報室だけが知っていた。反安倍の旗手が官邸の軍門に降った内幕>のような見出しが躍っていた。同誌を買って読む気はないが。「あぁ、内調~」と思った。

 追記2:9月3日の新聞。政府は外交・防衛、安全保障政策を総括する国家安全保障局(NSS)の谷内正太郎局長を退任させ、安倍晋三首相の信頼が厚い内閣情報官・北村滋を浮上させた。外務・防衛両省出身スタッフが多い同局に警察庁出身の北村氏が就任すれば異例の人事とか。テレビニュースに苦虫かみつぶしたような北村「内調」トップの顔が流されていた。9月11日に決定。なお後任の「内調」トップは滝沢裕昭氏。

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内調(6)『内閣情報調査室』メモ [政経お勉強]

imaicyo_1.jpg 今井良著『内閣情報調査室』より〝内調〟設立後の動きを時系列に箇条書きでまとめてみる。

★1957年:第1次岸信介内閣での組織変更で「内調」が内閣官房に置かれ「内閣調査室」へ。★1886年:第2次中曽根内閣で現「内閣情報調査室」へ。併せて関連局長級による「合同情報会議」開始。その内容は「国家機密」で議事録なし。

★1993~1997年:大森義夫室長時代(同氏著『日本のインテリジェンス機関』(文春新書、2005年刊あり)に、大手出版社の月刊誌編集幹部に深くコミットしてマスコミ世論操作。★1996年:橋本内閣で災害など有事の際の情報一元化の「内閣情報集約センター」発足。★2001年:森内閣で「内閣情報調査室」を格上げ。事務次官級の「内閣情報官」誕生。

★1997年:「防衛省情報本部」(防衛省の情報機関)誕生。略称DIH。総務部・計画部・分析部・総合情報部・画像地理部・電波部。2001年4月に「内調」兄弟的分析機関「内閣衛星情報センター」(市ヶ谷の防衛省内・通称ホシ)設立。2018年2月の「光学6号機」を載せたH2Aロケットによる「光学衛星」と、夜間・悪天候の「レーダー衛星」の2種による画像情報(イミント)の分析。分析能力50㎝だが、その能力は隠されているらしい。電波部は〝象の檻〟と称される大型通信所が全国6ヶ所。各地に小規模通信施設。電波1課がロシア、2課が中国、3課が朝鮮半島。8課が暗号解読の特殊部門。日本最大の情報機関(推定2千名)の1/3が電波部。

★2008年:「カウンターインテリジェンス・センター」設置。諸外国からのスパイ行為に対処する日本初の防諜機関。★2013年:安倍総理の肝いりで外務省が仕切る日本版NSC(国家安全保障会議)発足。翌年にNSCを補佐する「国家安全保障局」設置。9大臣会合を含め5年間に100回。内容は特定秘密保護法で秘匿。★2015年12月:「国際テロ情報収集ユニット」始動。実際は「内調」指揮監督で「内調」の力はさらに拡大。 

★現「内調」トップ=内閣情報官は北村滋氏。安倍内閣の総理秘書官~総理辞任で警察庁~総理復帰で再び「内調(国内・国際・経済・総務)約250名のトップ。毎週火・木曜日に「内調」で得た情報をA4数ページにまとめて官邸で総理直接報告。

 日本国民ながら安倍内閣を裏で支える「内調」の存在・実態を知りませんでしたでは、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ」と怒られる。あと1回続きます。

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内調(5)今井良著『内閣情報調査室』を読む前に [政経お勉強]

keisicyo_1.jpg 次に今年5月30日出版の今井良著『内閣情報調査室~公安警察、公安調査庁との三つ巴の闘い』(幻冬舎新書)を読む。今井良とは? 同著に「NHKで報道番組に10年間携わった後、民放テレビ局で警視庁キャップ、ニュースデスクなどを歴任」とあり。

 映画「新聞記者」サイトに氏の「権力に仕えた人間が、権力に抗う。内閣情報調査室が持つ果てしない大きな力とスケールをこの映画で見事に描ききっている」の推薦文。民放は何局にいたや。ペンネームと推測した。

 まず本文冒頭「千代田区永田町の〝総理府ビル〟4階の~」なる書き出し。同ビル名でネット検索もヒットなし。「内調」が入るのは「内閣府庁舎(通称「本庁ビル)」だろう。

 そして「内閣情報調査室は日本国のためのスパイ活動を行うれっきとした情報機関である。~ライバルとも云える2つの機関〝公安警察〟と〝公安調査庁〟」の説明後に「公安警察は全国でおよそ10万人の公安警察官で組織され~、公安警察を指揮するのは警察庁警備局。内調には警視庁公安部から出向している公安警察(ノンキャリア)が数多く存在する~」

 この文章にも混乱させられた。「公安警察官は全国で約10万人」は、どう積算されての数字だろうか。「警察庁公安」の説明が、いきなり「〝警視庁〟公安部」になっている。著者は「警視庁キャップ」経歴ゆえ間違いはなかろうが、警察に疎い小生は戸惑う。文章配慮が足りないな。これは鵜呑み要注意と、まず自分で各オフィシャルサイトなどでお勉強することにした。

koancyosa_1.jpg <公安警察とは> 警察庁と都道府県警察の公安部門を指す俗称。「警察庁警備局」を頂点に「警視庁公安部」「各都道府県警察本部警備部」「所轄警察署警備課」で組織。

 <警察庁警備局の公安> 行政機関「国家公安委員会」が内閣府の外局「警察庁」を管理。職員約8,000名。一般職員4,843名、警察官2,200名、皇居護衛官922名。警察庁の内部部局に「警備局~警備企画課~公安課、警備運用部、外事情報部」。地方機関として全国6管区警察局を設置。都道府県警察は各知事の所轄下にあるも、都道府県公安員会の管理下にある。警察庁長官狙撃事件は未解決。

 <警視庁の公安> 皇居桜田門前の建物が「警視庁」。東京都を所轄の警察組織。職員約4万6千名ほど。公安捜査官は1,100名。筆頭が公安総務課(第1~第5公安捜査は反戦デモや左翼政治団体対応)、そして公安第1~4課(労働紛争争議、極左情報、日本赤軍、過激派の情報収集、右翼情報など)、外事第1~3課、そして公安機動捜査隊(学生運動からオウム真理教、そして今は爆弾テロを担当)。司令塔は警視庁警備局。

 <法務省外局・公安調査庁> 昭和27年(1952)の破防法執行と同時に法務省の外局として発足(「内調」発足と同年)。検察官出身者が幹部。職員1,650名。そのなかの公安調査官が調査業務に従事。本庁以下、全国8ヶ所に公安調査局、14カ所に公安調査事務所。本丸は総務部で「工作推進室」で人的情報(ヒューミント)で潜入など。調査第1部が国内の極左集団、調査第2部が国外情報担当。しかし破防法適用例は未だなし。幹部以外の職員名は秘密。「内調」への出向多数。目下は五輪テロ対策など。2019年予算は150億円ほど。

 ●全国公安警察官の1/3以上は、警察庁警備局・警備企画課の情報第二担当理事官(キャップ)が総括する中央指揮命令センターの指揮下になる。完全秘匿(氏名も抹消)の存在ゆえ通称ZERO。この程度の知識を得てから、今井著を読んでみる。

 写真上は桜田門前の「警視庁」。その奥の建物が「中央合同庁舎第2号館」で正門右に「総務省」、左に「国家公安員会/警察庁」の看板。写真下が赤レンガ・法務省旧本館の裏の高層ビル「中央合同庁舎6号館」に「法務省」と「公安調査庁」が置かれている。

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内調(4)研究費を払っていた127名 [政経お勉強]

naikakufu_1.jpg 『内閣調査室秘録』は第二部から志垣氏の回顧録(小活字で2段組でビッシリ)。昭和34年(1959)にCIA研修。帰国後はCIA東南アジア担当とジョイントワーク。昭和37年(1962)頃から国際学者・若泉敬氏に核政策の依託研究。その2年後、中国核実験。若泉氏の「日本は核武装せずの国是を貫き、米国の核の保証を取り付ける一方、核武装の潜在能力を持つ」と、他の委嘱学者4名の「カナマロ会」研究が佐藤栄作政権の非核政策になる。

 同年頃に「内調・審議員会議」発足。メンバーは学者・事業者・司法トップ・各省OBら。毎週木曜日開催で各5万円の謝礼。日記には各会テーマと出席者名。佐藤内閣の木村俊夫官房長官時代から、週1の「内調」報告が定着。昭和43年(1968)年頃からの日記に、「ニューオータニ」の会合が多くなる。誰と会って何を話したかが記されている。 佐藤内閣終盤(昭和46年、大阪万博が終わった翌年)に山崎正和、高坂正堯、黒川紀章ら若手による「政策科学研究会」発足(以後20年余続く)。この会合日、出席者、議題が記される。志垣氏、この頃になると日本の将来は大丈夫と引退を思ったとか。

 「内調」が委託研究費、資金援助した127名が50音順に実名で紹介されている。昭和42年(1967)に「朝日新聞」が「内調の研究費」を報じ、学者リクルートがやり難くなったと記す。127名の中にロケットの糸川博士の名あり。会合もニューオータニが多いことで、小生思わず「オヤッ」。小生の社会人3・4年目はPR会社勤務で、同社は月1「例の朝飯会」をニューオータニで開催。同社顧問に糸川博士がいたような。また入社前の同社は佐藤総理のPR活動もしていて「佐藤首相の新聞に大きく載ったあの写真この写真も同社のパブによる」と聞いた。同社も「内調」に関係していたのかしら。

 現「内調」から委託費を得ている団体(法人)は発表されているが、さらに首相夫妻に会食をおごってもらった芸能人、文化人、ジャーナリスト、マスメディア幹部らの一覧も、後世に発表されるかも知れません。同書に関してはここまで。興味ある方はご自身でお読み下さい。

 写真は現「内調」が入る「内閣府庁舎(低い方の建物)」。高い建物は「中央合同庁舎8号館(内閣官房、内閣府)」。小生風体芳しくなく、正面から撮れば職質されそうで、建物裏側を撮った。両ビルの向こう側が首相官邸です。

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内調(3)進歩的文化人攻撃と藤原弘達 [政経お勉強]

sigakicyo_1.jpg 映画「新聞記者」の影響か、「内調」関連書2冊が相次ぎ出版されている。まず7月19日刊の岸俊光・編/志垣民郎・著『内閣調査室秘録~戦後思想を動かした男~』(文春新書)を読む。

 著者は97歳。氏の妹の息子が俳優・志垣太郎氏。昭和27年発足の「内閣調査室」初期メンバーで、昭和53年(1978)まで「内調」一筋。その創成期秘話をはじめ、長年の活動の回顧録を公開。なお退官後は「内調の情報依託先」だった企業の社長や会長職。ちなみに初代室長・村井順は総合警備保障(ALSOK)を創業。

 さて「内調」発足当初は、外務省から出向の曽根氏の案で、自民党最左翼・宇都宮徳間氏をはじめ、右派左派の狭間の国会議員に金銭支援で抱き込んだ。また戦前に「軍国主義」も、戦後に「民主主義」論陣を張る「進歩的文化人」を批判すべく、彼らの今昔の言説の違いを時事月刊誌「全貌」に連載。槍玉に挙げた例が、戦前にヒットラー礼賛の清水幾太郎をはじめ、30名を俎上に載せた。これを一冊にまとめて『学者先生戦前戦後言質集』を刊。再版の際にはさらに10数名を追加補足。全員の実名を挙げ、これらは自分が執筆した。また日教組批判も書いたと告白していた。

 松本清張が記した初代・村井室長の「腹巻事件(3千ドル摘発)」は、昭和28年(1953)9月の産業経済新聞三面トップ記事になった。この〝大捏造記事〟を仕込んだのも前述・曽根氏。書かされた記者は後に左遷。こうアッサリと告白されて、清張さんはあの世で頭を抱えているだろう。

 村井順は、これら外務省の反抗や、緒方竹虎の副総理昇格後の後任官房長官とうまく行かずで左遷された。2代目室長・木村行蔵は可も不可もなし。3代室長・古屋亨が清張も紹介通り「内調」を6部体制にして礎が固まったと紹介。

 志垣氏は前述紹介の★3部(マスコミ論調)★5部(民主主義研究など)★6部(情報判断会議)などを担当。進歩的文化人への攻撃に加え、「内調協力者」の人脈を拡大。その一つ「土曜会」メンバーに「月々4万5千円」の支援(昭和27年頃の国家公務員初任給7千6500円)。その後も学者らに研究費を渡してのシンパ育成を続けて来たと告白。

 その代表例が藤原弘達氏。彼が左翼理論家になるのを恐れて抱き込んだ。昭和30~54年(1955~1979)の酒席接待日・店名を克明に記録(公開)。結果、彼は後にテレビ「時事放談」「グリーン放談」などで保守的政治評論家として大活躍。創価学会や公明党も厳しく批判した。

 小生20代半頃だろうか、テレビで「口角泡を飛ばす酒飲みらしき藤原弘達」をよく観た記憶がある。今になって「あぁ、裏にそんなことがあったのか」です。今もそんな人が居るのかも知れぬが、隠し事は後世に誰かの日記公開などでバレたりするかも~。次回へ続く。

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内調(2)松本清張が危惧した謀略的活動 [政経お勉強]

seicyonigao.jpg.jpg 「内調」の実態は闇。その闇に松本清張が昭和36年(1961)に小説『深層海流』で挑んでいた。登場人物は仮名で「内調」誕生経緯、当初の諸事件をM資金、政財界の派閥争いがらみで詳細紹介。そして4年後の『内閣官僚論』最終章が『内閣調査室論』。こちらは実名で論じていた。その概要をまとめてみる。

 「内閣調査室」は、講和条約発効寸前の昭和27年に、GHQが去るのに備え、世界の共産圏、国内の共産党や労働組合などの脅威阻止のために誕生。(小生注:昭和25年、朝鮮戦争勃発。マッカーサーが吉田首相に警察予備隊の設置、海上保安庁8千人増員指令。併せてレッドパージ開始。2年後に警察予備隊が保安隊へ。29年に自衛隊へ。吉田茂は麻生太郎の祖父)

 当初の目標は「日本のCIA」だったが、その組織を見て新聞各紙が「戦前の内閣情報局(注:戦争に向けた世論形成、思想取締りの情報機関)だ」と激しく非難。結果、名称も「内閣官房内閣調査室」。(注:発足の昭和27年4月9日「もく星号」撃墜。12日に破防法反対で107万人デモ。5月1日に「血のメーデー」)

seicyosituron_1.jpg 「内調」発案は村井順(警察官僚~吉田首相秘書~初代室長)。その案に強く共感したのが副総理で官房長官・緒方竹虎。やがて吉田と緒方が対立。各省出向で構成された「内調」内も諍い続き。「内調」設立の翌年に村井室長が外遊すると、新聞が「村井はボン到着時から英国情報員にマークされ、ロンドンでは腹巻の闇ドル(M資金)が関税で没収された」と報道。これまた内部抗争で外務省のフェイク。2代目室長・木村行蔵は、各省役人同士の抗争をいさめ「和」を説いた。

 3代目室長・古屋亨時代には、「内調」防衛班長・肘付が部下Iの辞職願を勝手に提出した「肘付事件」。昭和29年には駐日ソ連大使代表部の2等書記官が米国側へ逃亡。関わった「内調」の軍人2人、外務省出向役人が調べられ、地検調べ中に外務省・日暮氏が窓から飛び降り自殺。さらに鳩山首相がソ連と国交回復するキッカケになったドムニツキー親書について怪文書が出回った。その出所も防衛班長・肘付とか。かく「内調」の足腰定まらず。

 4代室長・石岡実の時代に★1部(国内情報)治安担当、文化担当、経済担当、労働担当。★2部(海外情報)朝鮮、中共、東南アジア、ソ連・東欧、軍事、資料。★3部(マスコミ論調)★4部(資料・通信関係)。★5部(研究、民主主義研究等)。★6部(情報判断会議)の体制へ。

 この頃から民間団体への情報依託が増加した。これは「内調」定員67名+各省からの出向の内閣幹部約30名でスタッフ不足によるもの。昭和36年の衆議院予算委員会で古屋室長が依託団体名・予算を公開。ここでは全文引用省略するが同年調査委託費=3億6600万円ほど。39年度の調査委託費は約4億6000万円。

 『内閣調査室秘録』の編者・岸氏は松本清張『「深層海流」の意図』より「情報の蒐集は国策に必要だろうが、そこを逸脱して謀略性を帯びたら見逃すわけにいかない」の清張記述を太Gで強調していた。「モリカケ問題」の元文部科学事務次官・前川喜平氏の「出会い系バー通い」リークなどは明らかに謀略的活動だろう。そうなれば、あの事件この事件で「内調」がどう動いていたかも気になってくる。

 次に先日7月19日発売の『内閣調査室秘録』(設立当初のメンバー・志垣民郎氏の日記など)を読んでみる。カットは以前に描いた松本清張似顔絵(続く)。

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内調(1)安倍内閣と250名の内閣情報調査室 [政経お勉強]

kisya_1.jpg 21日に参議院選挙が行われた。自民党は単独過半数を失い、自民・公明・維新などの改憲勢力が2/3を割り込んだが「安倍一強政治」変わらずです。

 映画「新聞記者」が、内閣情報調査室(内調)の不気味さを描いていた。安倍一強の長期化で「内調=安倍内閣の情報機関」となって、昨年秋の自民党総裁選でも石破・元幹事長へも「内調」が動いたとか。

 怖いですねぇ。「加計学園問題」では「官邸の最高レベルが言っている、総理のご意向」などの文書に、官房長官が「怪文書みたいな~」と一蹴。その後に元・文部科学省の事務方トップの前川喜平氏が「行政が歪められている。同文書は私も見た。在るものを無いとは言えない」と発言。

 すると即、読売新聞に前川氏の「出会い系バー通い」報。官房長官すかさず「信用出来ぬ人物」と言い放った。このマスコミ工作も「内調」が関与していたらしい。だが再調査によって、それは〝怪文書〟ではなく、実在する文書とわかった。〝悪だくみ〟は後でバレるのが常です。(参考:森功著『悪だくみ』、角川新書『同調圧力』、今井良著『内閣情報調査室』)

 今井著によれば、内閣情報調査室は海外情報機関から「CIRO(サイロ=キャビネットインテリジェンス&リサーチオフィス)」と呼ばれる存在。官邸の総理執務室を最も頻繁に訪れ、官邸職員に「火・木の紳士」(両日に首相とサシ面談)と呼ばれるのが同組織トップ=内閣情報官・北村滋氏(警視庁から2011年に内閣情報官)で、第2次安倍内閣発足から4年間で面会数659回とか)★北村氏は現在、出世して国家安全保障局長に出世。表舞台に出て時々ニュース映像に登場している。

 現在の「内調」は安倍一強に比例して公安警察、公安調査庁を凌ぐスパイ組織として日本版CIA(中央情報局)としての地位を固めているらしい。所在地は総理府ビル(内閣府庁舎)。内閣情報官・北村滋、次長・森美樹夫、内閣審議官4名、内閣情報分析官7名、そして国内部門、国際部門、経済部門、総務部門で約250名(平成17年の国会答弁では170名。採用職員約70名、警視庁出向約40名、公安調査庁出向約20名、防衛庁出向約10名、そして各省から若干名=ウィキペディア。それから現在は80名も増えて約250名らしい。平成31年度の同室予算は35.3億円。また内閣衛星情報センター予算は620.7億円=ネット調べ)。

 さて参議院選挙結果を得て、安倍内閣は諸問題山積みで「内調」もフル活動だろう。今日も菅官房長官の「情報を収集した後で~」と発言する映像が流れていたが、これは「〝内調〟の情報収集・分析結果を得た後で~」の意だろう。

 政治や事件の記者経験もなく、右でも左でもない〝フツーの貧乏隠居〟が、ちょっと重いテーマながら「内調」について、どの程度まで知ることができましょうか。隠居の新たな暇潰しです(続く)。

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「東都新聞」と「東都ジャーナル」 [政経お勉強]

myback1.jpg 上記タイトルからお気づきの方も多いだろうが、映画『新聞記者』主人公・吉岡は「東都新聞」で、川本三郎原作の映画『マイ・バック・ページ」主人公・沢田は「週刊東都~東都ジャーナル」。

 映画は同じ〝東都〟だが、前者モデルは「東京新聞」で、後者は「週刊朝日~朝日ジャーナル」。6月28日公開『新聞記者』から約1週間後7月7日にBS日テレが2011年公開の『マイ・バック・ページ』(以下『マイ~』)を放映した(頭のいい編成がいるらしい)。

 映画『マイ~』は映画や町歩きの随筆、また永井荷風テーマはじめの幾作で文学書を受賞の川本三郎が、1971年の赤衛軍を名乗るグループによる自衛官殺害の際の血痕付き腕章などの所持から「証拠隠滅」で逮捕。同社を懲戒免職された15年後に、その経緯を記した同題書の映画化。

 ここでは著者の〝問題点〟を再考せぬが、〝東都〟両映画から45年の時代の変わりようにも気付かされた。川本三郎は小生と同年代だろう。60年安保は16歳で、70年安保は26歳で社会人。学生運動の狭間世代。小生は付属高校入学時に、大学生らが物騒(危険)なプラカードを作っているのを見た。70年直前には新宿西口フォーク集団や東口のフーテン族を縫って新社会人として通勤していた。当該世代は傷を負い、狭間世代が口を挟めば揶揄される。

warudakumi_1.jpg 映画『マイ~』には、当時の荒れた世情や若者の熱気が満ち、ザワザワとした手触りが満ちていた。一方の映画『新聞記者』画面には妙なクール感が流れていた。内閣情報調査室(内調)場面の灰色プラスチック壁の中で、大勢の内調スタッフらが黙々とパソコンに〝悪だくみ〟を打ち込む光景にゾッとする恐怖感があった。

 45年を経ると同じ<新聞・雑誌&政治>の世界は、かくも変化している。ならば今から数十年後は、当然ながら戦前の傀儡のような政治家らの姿や影響のない、「ビッグデータ~AI(アーティフィシャル・インテリジェンス)」による未来予測、政策立案、効果的施策の時代になっているのかも知れないと思った。何かと問題が多く、金食い虫の〝国会議員〟はもういらない時代がきてもいい。

 川本三郎の妻は、彼が懲戒免職された際に「私は朝日新聞と結婚したワケじゃないから~」と彼を励ましたとか。彼女は2008年没で、川本三郎は2012年刊『いまも、君を想う』で荷風句「持てあます西瓜ひとつやひとり者」をもじって「持てあます野良猫二匹やひとり者」と書き出した。その最終章では「公園墓地と言う霊園で亡き妻を思いひとり弁当を食う」と詠った。

 時代も、人も、街の姿も変わり、「中立」は絶えず変化し、テクノロジーは驚異的変化・普及している。そのなかで誰もがどう生きるかを問いつつ生きて、あたしもソロソロでございます。

 時の流れは早く、人々はもう「モリカケ問題」があったことなど、すっかり忘れているらしい。森功原作『悪だくみ』なる映画が製れたら、『新聞記者』より遥かに凄い映画が出来るに間違いない。話題の人物が多いゆえオールスター出演。2時間余の超大作になりそう。小生は単行本で読んだが、今年6月6日に「文春文庫」刊らしい。

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「同調圧力」について [政経お勉強]

doucyo_1.jpg ●迂闊にも、同映画を観るまで「同調圧力」なる言葉を知らなかった。★クマさんは、江戸時代で遊び過ぎだよ。●ネット検索すると、2015年6月の為末大氏(元400mハードル選手、走る哲学者)のサイトがヒットした。タイトルは「同調圧力の正体」。概ねこんな内容だった。

 ~テレビに関わっていると、メディアの方が〝この意見は中立だろうか〟と神経質になっている姿をよく見る。〝中立に報道すべし〟の縛りを自らに課している。だが〝中立〟とは何か。それは常に今の時代の中立で、時間軸を伸ばせば、その中立も偏向しているに違いない。よって多様な世界観が大事なのではないか。山本七平氏は、現在の〝中立意識〟をどう看破してくれるだろうか~。

 ★2015年と云えば、第二次安倍内閣の当時の高市早苗総務相が「中立報道でなければ〝電波停止宣言〟」をした頃だな。マスコミ陣は〝中立〟にピリピリしていた姿を見ての、為末氏の考察だろう。で「同調圧力」なる言葉の出所はわかったの。●勉強不足で申し訳ない。わからず仕舞い。山本七平著『「空気」の研究』も読んでいないし。ブログに別テーマ出現で読書途中のままのオルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』にも同様な指摘があったようにも思う。

 ★同題書が出ているんだよな。●映画『新聞記者』に座談会映像が挿入で、画面中の小枠挿入ゆえに、何を語り合っているか明確にわからなかったが、その座談会が巻末附録として掲載された題名『同調圧力』が出版とか。★クマさんは、現代ごとに疎いから、同書で初めて知った言葉も多かったんじゃないか。●うん、少し勉強してみた。

 ■同調圧力:全体主義的で、多様性を認めずに〝村八分〟の圧力らしい。■リテラシー(literacy):何らかの形で表現されたものを適切に理解・解釈・分析して改めて記述・表現すること。昨今はネット上にフェイクが多数ゆえに「リテラシー〝力〟」が重要視される。特にフェークの多いネットリテラシー。テレビや新聞(影響力大ゆえに安易に信用してはいけません)メディアリテラシーが肝心。

 ■アクセス・ジャーナリズム(access journalism):権力に近い側に寄り添って取材する法。余りに権力側に偏っている人を「政権のポケットに入っている人」。★あぁ、あの人・この人だなぁ~。 ■アクセス能力:権力者や有力者の懐に入る能力。これに長けたミラー記者がブッシュ政権高官のリークでスクープ。それがイラク大量兵器保有の報で戦闘へ。後に政権のガセリークとわかり、危険な取材法とされた。

 ■アカウンタビリティー・ジャーナリズム:accountability=説明責任。制作決定へのプロセスを情報公開法などで丹念に探り、真実を白日に晒す報道とも言うのかなぁ。昨今の政治は内緒ごとが多いから議事録を改ざん・破棄・さらには記録せずで、説明責任から逃げている場合が多いらしい。

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『新聞記者』出演者・製作者の矜持 [政経お勉強]

eigakoukoku_1.jpg ★クマさん、映画好きじゃねぇな。●子供時分から泣いたり怒鳴ったりのテレビドラマが大嫌いだった。★男は黙って~ ●それも面倒臭い。やはり好きじゃない。

 ★そんなクマさんが、珍しく映画を観ようとしたら、それが〝なっちゃん〟と官邸がらみで興醒めした。●その反動かなぁ、ふと眼にした映画広告(写真)に「日本の映画が変わる!」とあった。是枝裕和の推薦文が「これは、新聞記者という職業についての映画ではない。人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」。キネマ旬報の推薦文を要約すると「権力と闘うジャーナリズムを描く映画は日本では無理だろう~を打ち破ったのが『新聞記者』。ここで描かれる数々の政治事件が、何を指すかは一目瞭然。大手映画会社では出来ないこと。この映画は観客に多大な問題を問う力作である」

sinjyukupi_1.jpg ★例の如く、観る前に原案・望月衣塑子『新聞記者』を読んだ。●いや、これは読む前に観るだな。即「新宿ピカデリー」まで歩いた。★チケット買えたか? ●満席。明日の最終回に2席が空いていた。「前から2列目ですがいいですか」。そのチケットで翌日観た。★どんな映画だった。●映画内容はネットに溢れているから省略。

 ★ひと言くらいは~。●内閣の悪だくみ、内閣情報調査室(内調)の暗躍。(内調)は政権不都合情報のコントロール集団(追記:~及び諜報活動などで250名ほどが在籍しているらしい。今井良著『内閣情報調査室』なる書あり。買おうと思ったが見城徹の顔が浮かぶ幻冬舎刊ゆえ買えなかった)。各省からの出向職員らが、ネトウヨよろしく一斉にネット投稿しているシーンの恐ろしいこと(佐藤優氏が新聞に、内調はそんなことをするほど暇じゃないと書いていた)。とは言え、政権に邪魔な人間をおとしめるガセネタはリークする。官僚にも無理強いし、それを苦に官僚の自殺もあった。フィクションゆえ、逆にリアルな恐怖が増す。そんな世界にジャーナリスト矜持を有する女性記者が闘いに挑む。苦悩する若い官僚~

 ★クマさん、若い時分にPR会社にいたな。●PRのそもそもが政治PRから始まった。★フリー後は楽曲プロモートの仕事。●あぁ、まず素材の分析。キャンペーン・コンセプトの設定。それに沿って攻めるべきラジオ、テレビ、活字媒体、店頭、出演、イベント、タイアップ、さらにはシンパ作りを考えてチャート化する。薄い部分をさらに補強してマルチ展開を仕上げて行く。そんな企画書ばかりを書いていた。

 ★楽曲も政治もPRの基本は同じ。政治はエゲツない展開もありそう。●一時期、首相がマスコミ各社役員と盛んに会食で~。★政権ベッタリの人間やマスコミ役員が増えた。

 ●内閣の動きを見ていると有能PRマン(戦略立案者)がいて、実行部隊が「内調」で、怖い別動隊(公安)も一緒に動いているらしい。資金は潤沢で、やりたい放題。テレビは放送法を盾に電波停止宣言。自己規制から「同調圧力」(村八分)。★そう云えば、テレビはこの映画について一切報じていない。●記者らの多くは、内閣が出す情報をただ流すだけが仕事。★戦時中の大本営発表と同じ。●一強政権で官僚も保身・忖度で生きている。

 ●エンドロール後の映画館に大拍手が渦巻いたってぇのは、映画内容と同じく、出演者も製作スタッフも配給会社も劇場も、すべての方々が相当な覚悟を持って挑戦したってことで、それらすべての方々の勇気への賞賛だったと思うんだ。

 ★追記:7月23日で33万人ヒット。興業収入4億円突破とか。願わくば、一つでも多くの映画賞を受賞し、海外でも公開。また現政権下では無理も「同調圧力」薄れた後の時代でもいいから、テレビ放映もされるようになることを願っています。

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映画『ある町の高い煙突』を観る前に [政経お勉強]

entotu_1.jpg ●映画は、日立鉱山の煙害と闘った男の物語。時は大正3年、煙害回避で世界1(当時)の高さ155.7mの大煙突をおっ建てた噺。★ほぉ~。●映画の公式サイトを観るてぇと、実在モデル4人を紹介。まずは主人公。若くして煙害対策委員長になった関氏。★二人目は~

 ●藤田組・小坂鉱山から日立鉱山へ移って、煙害被害の補償問題担当の角氏。彼が伊豆大島・三原山の噴煙に耐えて美しく咲き誇る「オオシマザクラ」に注目。明治41年に鉱山社宅周辺に同サクラを植えた。植え続けて昭和7年(18年間)に260万本へ。日立に「オオシマザクラ」が満ちた。★角氏が「オオシマザクラ」を知った経緯や如何に~。

 ●そこが肝心も書かれていない。三人目も藤田組・小坂鉱山から日立鉱山に移った小平氏。社内起業で電気系「日立製作所」を創った。★四人目は? ●大物・久原房之助。彼の父の実弟が藤田伝三郎だ。久原は藤田組に入社。退社後に鉱山買収して久原鉱業。彼の最初の妻が鮎川義介の妹で、久原は鉱山を鮎川に譲渡して政界入り。鮎川は同社を日立鉱山に改称し、後の日産コンシェルン(鉱業、電気、自動車など)を形成し、久原は立憲政友会総裁になった。(追記:戦後はA級戦犯容疑で公職追放とか)

 ★藤田組、鮎川義介で伊豆大島のメンツが揃った。●鮎川義介が私財投じて大島公園を作ったのが昭和10年。その後に藤田組が東京湾汽船、大島観光に着手する。★で、その映画『ある町の高い煙突』を観たの? ●観る前に原作・新田次郎の同題小説だ。胸ワクワクさせて新宿・紀伊国屋へ走って入手。だが読めども読めども「オオシマザクラ」は出て来ねぇ。さらに落胆したのは~

 ★どうした・どうした~。●新田次郎に大煙突の小説化を勧めたのが日立市天気相談所の山口秀男氏とか。なんと秀男氏の子が、公明党代表・山口那津男。選挙になるってぇと、支持者に「皆さん〝なっちゃん〟ですよぅ~」の山口代表。で〝なっちゃん〟が、映画スタッフ率いて首相官邸へ。映画が公明党、官邸とくっついちゃった。

 ★あら、嫌だ。首相官邸ってぇのは何でも取り込んじまう。先日も吉本新喜劇メンバーが官邸表敬訪問。●それは吉本芸人〝闇営業〟問題噴出前の確か6月6日だった。同映画スタッフの官邸訪問は5月初旬。安倍晋三ツイッターが「鉱山の公害に対して、企業と地域の皆さんが力を合せて、解決に取り組んだ実話が映画化されます。山口代表と、その映画の関係者の皆さんが本日、令和最初のお客様として~」

 ★政権は若い女性も取り込みたいってんで、先日は女性ファッション誌ともタイアップ展開した。●かくして同映画への興味がストーンッと醒めた。★映画を観ないクマさんが、久し振りに観ようと思い立ったら残念な結果になり申した。●するってぇと、映画『事件記者』の広告が眼に飛び込んで来た。

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オオシマザクラとゴーンさんと映画 [政経お勉強]

nitta_1.jpg ●八っつぁん、映画の噺していいかぁ。ちょっと政治がらみだが。★老い先短ぇんだ、手短に頼むぜ。●伊豆大島だが~。★ははっ、クマさんも小屋もボロボロだ。免許返上の歳にもなった。●島ってぇと「椿」だが、島を真っ白に染める「オオシマザクラ」が、まぁ見事なんだ。★それがどうした。

 ●先月に読んだ新聞コラムの書き出しが「大島で磯釣りをした。入った磯がかつての鮎川義介別荘地と聞かされて、一気に仕事モードに入った」てぇんだ。★おぅ、先が気になる。●日産ゴーン被告逮捕が「国策捜査」じゃねぇのかっちゅう憶測があって~と続く。★さて「オオシマザクラと鮎川義介と日産ゴーン氏」がどう結びつく。

 ●安倍首相が敬愛するのが~ ★祖父・岸信介だな。戦犯逮捕も何故か起訴を免れた。●彼の満州事業の中核を担ったのが同郷(長州)の満州重工業開発の初代総裁・鮎川義介だ。彼もまた巣鴨拘置所20ヶ月で無罪放免。★そういやぁ~、おめえの千駄ヶ谷シリーズで元満鉄総裁・松岡広右は戦犯裁判中に病死とあった。

 ●3人共に同郷で姻戚関係。満州で権勢を奮ったのが「2キ3スケ」と言われている。信介・義介・広右(ひろすけ)が「3スケ」。★「2キ」が東条英機(絞首刑)と満州国総務長官・星野直樹(終身禁固刑)。それがゴーン氏とどうつながる?

 ●岸信介の遺志実現に執着するのが現首相。祖父の盟友・鮎川義介(日産コンシェルン創業)の日産が、フランス政府の企てに潰されてたまるかってんで、内閣から日産社外取締役を送り込んでいた。★ホントかいなぁ。●ゴーン逮捕と同時に日産側が官邸へ走っている。

 ★それが「オオシマザクラ」とどう結びつく。●鮎川の日産コンシェルンには日立鉱山がある。鉱山と云えば公害だ。そこで鉱山側が噴煙にもめげずに自生する「オオシマザクラ」に着目して、明治41年に鉱山社宅周辺に植えたっつぅんだ。それが広がって今では260万本。かくして今も日立市は「オオシマザクラ」が美しい。時期になると海からのサクラ観賞ツアーがあるてぇほどだ。★はぁ~ん、大島じゃ「椿」ばかりで「オオシマザクラ」の観光施策はねぇ。噺はそれだけじゃなかろう?

 ●「オオシマザクラ」をネット検索すると「大島さくら子」さんばかりがヒットするが、その隙間に6月公開映画『ある町の高い煙突』がヒットした。★噺が長くなりそうだから、次にまた聞いてやらぁ。

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あぁ悲しき我が姿(安保法) [政経お勉強]

anposaiketu3_1.jpg 19日未明、参議院本会議で安全保障関連法が可決された。採決に先立って民主党・福山議員は「日本はずっと総理大臣や閣僚が、集団的自衛権行使は出来ないとしてきた。戦後70年にわたって守られてきた立憲主義、平和主義、民主主義の歴史を壊して、なぜにこんな法案を通そうと急ぐのか」と述べたが、彼らは聞く耳を持たず。

 さぁ、これで待望の「戦える国」になった。アメリカからの要請はもう断れぬ。アベお坊ちゃんの〝我が軍〟は海外出動し、他国軍支援をし、武器輸送や輸出給油をし、攻撃も辞さぬ。法案の拙速さに加えて、法案を通そうとする手順が酷かった。

 憲法の勝手解釈。これで憲法が信じられぬ国になった。学者が違法と言えば「学者に何がわかる」と言い放った(20日、学者の会171人が「民主主義の蹂躙だ。学問的生命をかけて廃止まで奮闘したい」と声明)。むろん民意など関係なし。法案提出(5月15日)前の昨年12月に、自衛隊総合幕僚長が米軍幹部に「今夏までに安保法案を確約」とか。アベお坊ちゃまも法案提出前の4月30日に、米国議会で同じく「夏までに安保法案成立」と、まぁ、得意満面の大演説。端から日本の国民や議会無視で鼻高々。ったくもう、どうしようもないヤツが総理になってしまった。

 すでに日本は格差拡大、貧困深刻化、中間層解体で資本主義も民主主義も危うくなっている。国の借金1千兆余円。防衛費は約5兆円になったが、今後は戦う国にふさわしく、さらに拡大して行くだろう。アベノミクスは口だけゆえ、絞り取るの先は国民からだ。若者たちには「学費免除」や「奨学金返済免除」などで「経済的徴兵」が進むとも言われ出している。

 いや、日本にはまだ可能性はあるゾ。武器輸出だ。(23日新聞:武器輸出に貿易保険。損失は税金で穴埋め)。産軍複合体が儲け頭になろう(23日新聞:軍事可能研究16大学応募、防衛省予算3億円)。原発もどんどん輸出か。うん、アベお坊ちゃんの年頭所感通り「日本を再び世界の中心で輝く国」になりそうな気がしてくる。アベお坊ちゃんは、今日はゴルフだとか。

 17日の参院・特別委員会の政権側の力で押し切る採決のテレビ映像を観た。議長を守り野党議員を近づけぬよう折り重なって、どこかで見た図だなぁと思った。意は違うが、先日にラフ模写したばかりの藤田嗣治の戦争画に似た図があった。そう思ったら、彼らの姿が大日本帝国軍隊兵士や自衛隊の姿のように見えてきて、こんなカット絵を描いてしまった。描き終わってから、ほくそ笑む「アーミテージ」を描き加えた。

 秋です。観たい美術展がいっぱい。昨日は「府中市美術館・マリー・ローランサン展」を観た。今日は東京国立近代美術館で「MOMATコレクション 特集:藤田嗣治」を観る。荒れた心が癒されましょうか。


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国会前道路封鎖を突破して [政経お勉強]

kokkaidemo1_1.jpg 昨夜の国会前デモは大変だったらしい。雨、隙間なく連なった警察車両、逮捕者13名とか。

 ここでは9月14日デモを、隠居の眼でレポート。地下鉄「国会議事堂前」下車。駅を出ると、デモ主催者側のスピーカーが至る所に設置で誘導された。「本日は大勢の方々が参加されています。ご年配の方、お子様連れの方々もいらっしゃいます。スピーカーの声はどこにいても聞こえますから、無理をしないで下さい。一人のケガ人も出さないのが私たちの願いです」~のようなメッセージ。

 ペンライトが配布される。国会前ライブコンサートでもあるかの感じ。誘導のまま進めば国会前。道路は封鎖され、歩道両脇に座り込む人々。絶え間なく流入する人波。あっという間に歩道は立錐の余地なし。

 6時半に集会開始。次々に演説が流れる。賛同の雄叫び、シュプレヒコール。次第に熱気が満ちる。大江健三郎三さん、声が出ないも老体に鞭打っている。ここでは演説内容は割愛。あたしのお薦めは『現代思想』(10月臨時増刊号「安保法案を問う」)。43名執筆で反対意見が網羅されている。

 道路封鎖柵を挟み、国民と警官のせめぎ合い。「開けろ・開けろ」の声。「過剰警備監視旗」が揺れ、弁護士腕章の女性が走り、看護班、報道と警察のカメラマンが走る。その内に警察車両が続々登場で道路脇を固めだした。こうなると逆に怒りが増す。

 「駐車しちゃダメでしょ。動かしなさいよ」「いや、危険だから」「誰が危険なの。政府は国民を怖がっての過剰警備でしょ」。警官とやり合っているのは元気なオバアさん。60年安保の国会突入を知っている世代だろうか。シュプレヒコールに合せて、鉄柵がジリジリと押し込まれる。昨日、駅売り「日刊ゲンダイ」をみたら、落合恵子が「そこの装甲車の配置は何だ!市民に向けて何やってんだ、おまえたちは!」と叫んでいたとか。

 どこかで突破個所が出来て、国会前道路に人々が流れ込んだ。道路中心を歩き出す人々の、まぁ、うれしそうな顔・顔。未だ突破できぬ人々に手を振っている。遠慮の手に力を入れれば鉄柵などワケなし。人々が一気に国会前道路を埋め尽くした。(昨夜の警察車両はこの日の反省だろう、車両増加で車両間なく詰めて突破防御。これでは怒りは増すばかり)

 埒明かぬ国会だが、ここでは道路封鎖の小さな小さな〝突破〟。国会前道路を埋めた市民のシュプレヒコールが、夜空に響き渡る。例え安保法案が強行採決されようとも、この声は国民主権(国民をバカにするな)、民主主義(この愚かな独裁者め)、立憲主義(憲法を守れ)の声は、こうした行動から全国に広がって行く予感がした。SEALDsの奥田君は中央公聴会で「次の選挙に影響が出るでしょう」と言った。新聞は早くも来夏参院選の落選危機議員のリストを挙げた。(19日、共産党は初めて野党団結すべく選挙協力を打ち出した)。~この辺で終わる。まぁ、こんな絵を描くことになるとは思ってもみなかった。


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若者らのウネリに期待して~ [政経お勉強]

abe1_1.jpg 歳を取って偏屈になったか、テレビをつけると 〝嫌いな顔〟が増えた。その結果、観たい番組が少なくなった。〝嫌な顔〟は見なければいいが、我慢しても観なければならぬ顔もある。5月に絵を描き出し、最初に人の顔を描いたのがその〝嫌な顔〟だった。

 5月26日からの衆議院・安全保障関連法審議をテレビで観ていて、その拙速な内容に加え、アノ人はガキみたいに「早く質問しろよ」とヤジるに至って、描かずにいられなくなった。初の似顔絵が似るわけもなく、二度描いた。似なかったが、なにやら傀儡内蔵風に描けたので6月1日のブログにアップした。タイトルは「あぁ、日本が変わって行く」。

 当初は声をあげる人は少なかったが、今はウネリのようになってきている。特に若い層からの動きがうれしい。安全保障関連法の違法性や粗雑さに加えて、アノ人の嘘臭さ、傲慢さに反対の勢いが増しているのだろうう。

 嘘っぽくて信頼できぬ人がトップの会社ならば異議異論、反逆、社を出る人も多かろうが、その〝権力〟にしがみついているのか、牛耳られているのかの議員が約400名もいて、追従政党もいる。振り返れば3.11(原発事故)から政府不信は膨らみ出していた。

 若者たちは「武力対武力」ではなく、より賢者の国へ歩み出してくれそうな気がする。そう期待して、また嘘臭いイヤな奴の顔を描いた。さて、老体に鞭打ち、若者らを応援しに行こうか。


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あぁ、日本が変わって行く [政経お勉強]

abe2_1.jpg 国会・衆議院で安全保障関連法の審議が5月26日から始まったが、当日のNHK中継はなかった。これでは〝公共放送〟とは言えず、存在理由もない。

 NHKの審議中継は翌日から二日だけ。<「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」及び「国際平和の共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案>の審議。 

 中継二日目は、昼にプツンッと番組が切れた。総理大臣がガキみたいに「早く質問しろよ」と問題ヤジを放った後だ。スポーツ中継で時間切れなら系列局で中継続行だろうが、NHKの意識はその程度、いや意図してか。審議中継を観れば「まっ、そんなにお粗末な拙速法案で、日本の行く道が決まってしまうんだ」と怖くなってきた。審議は80時間続くそうだが、その後の中継はなく、審議日程もわからない。

sori1_1.jpg そうやって国民、庶民が知らぬ間に〝大事な何か〟が決まって行く。国民も政治に無関心で、投票に行く人も少ない。政治家もなんだか「政(まつりごと)」というより生活手段として議員をやっている感もする。

 そんな主役をテレビからスケッチすれば、かかぁが「そんなにいい男じゃないよ」。人の顔を描くのは初めてで要領をえぬ。技量不足、拙く未熟だが、現内閣が言う「平和」=「武力」と同義語で、「積極的武力主義」ということはわかる。

 あたしらの世代は反体制、カウンターカルチャーで生きてきたが、今はそんな内閣にも迎合する人が多いらしい。「積極的平和主義」が本当は「積極的武力主義」で、「リスクは増大する」とハッキリ言えばいいのだが、何かを隠そうとするからワケがわからなくなる。その人をもう一度描いたら〝もののけ〟っぽくなってしまった。

 追記)新聞報によると、6月4日の衆議院憲法審査会で「自民・公明・次世代」推薦、「民主」推薦、「維新」推薦の3有識者の参考人質疑が行われたそうな。他国を武力で守る集団的自衛権を柱にする安全保障関連法案について、全員が「憲法違反」と表明したとか。


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テレビがポチになった日 [政経お勉強]

 3月27日のテレビ朝日「報道ステーション」その後がかしましい。古賀茂明が官邸圧力で降板することになったと言い、「I am not ABE」の自作ボードを掲げた。30日に菅官房長官が「事実に反するコメントだ。公共の電波を使った行為であり、極めて不適切。放送法があるので、テレビ局がどう対応されるのかを見守りたい」と〝圧力〟をかけた。

 その「放送法」をちょっとお勉強してみた。大本営一辺倒だった戦時中の放送を反省に出来たとか。だが政権はこれを逆手にとって攻撃し始めた。実際に「放送法」が問題になった事例がわかり易い。1993年の「椿事件」。以下、ウィキペディアの長文を200字で要約。

 細川連立政権誕生で、自民党が野党に下った。民放連の会合で「テレビ朝日」取締役報道局長の椿貞良が「ニュースステーションに圧力をかけ続けた自民党が許せない。反自民の手助けになるような報道姿勢で臨んだ」と語り、これに産経新聞が噛みついた。「放送法違反だ。電波法に基づいて無線局運用停止もありうる」。結果、椿は衆議院証人喚問に呼ばれて、その報道姿勢を否定。郵政省はテレビ朝日への免許更新(5年に1度)に政治的公平性に細心の注意をするよう条件を付した。

 次にここで問題の放送法を調べる。「第2章 放送番組の編集等に関する通則」の第4条。放送事業は~~ 一)公安及び善良な風俗を害しないこと。二)政治的に公平であること。三)報道は事実をまげないですること。四)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 ついでに記せば、2011年には外国人株主比率を20%以下とする電波法違反で、フジテレビは28.59%で、あわや免許停止かと騒がれたこともあったとか。

 かくもテレビは制約されている。加えて自民党は野党転落時のテレビ報道のトラウマで、安倍政権はマスコミのトップらとの会食が活発で、彼らも弱腰で擦り寄っているそうな。結果、テレビはすっかり面白くなくなってしまった。ニュース番組も芸人の舞台と化した。芸人にとってテレビ局は神様仏様。逆らえぬ。本音も言えぬ。主義も殺して(あればの話だが)局の指示に従う。おっと、芸人でもサザンがチョビ髭で揶揄し(すぐに謝罪したが)や大田光が骨のあるところ(ラジオで安倍バカを連呼とか)を発揮しているらしい。

 故・筑紫哲也がテレビのジャーナリズムについて、こう書いていた。<「権力を監視する「犬」になるか、権力の「番犬」になるか。権力に情報と解釈を依存し、その伝達役にいそしむ時、それは権力の〝番犬〟である>(ジャーナリストとは何者か/岩波書店)で、今はあっちもこっちも「番犬」や「ポチ」ばかりになってしまった。またテレビ出演で生業っている人に、この件でコメントを求めても本当の事は言わない・言えない。

 放送法に無関係の活字媒体には、今こそ頑張ってもらいたい。「週刊新潮」の<大メディアを鷲掴み「安倍官邸」剛柔のカギ爪>と、「週刊文春」<「報道ステーション」古賀茂明AS古舘伊知郎 内ゲバ全真相>がちょっと面白かった。だが出版社や新聞社にも右寄り・左寄りがあって、そこを加味して読まなければいけない。しかし記者クラブにも属していないだろうネットサイトの方がグリグリ突っ込んでい「古賀茂明が報ステの放送中、放送後のスタッフとのやりとりすべてを明かした」なる記事をモノにしていたりする。

 今のテレビはポチ化して観る気もしないが、スポーツだけはテレビに限る。だがフジテレビのサッカー中継アナウンサーは余りに酷い。かつての古館伊知郎の自己陶酔系プロレス中継風を、細く甲高い声でやっている。テレビ映像を観ている側のそれぞれも考え、分析し、感動し、呼吸も整えつつテレビの前にいることを完全無視して、独り喋り没頭している。しかも「媚び」が入るから「虫唾」も走る。アナウンスは文章と同じで、スポーツ系アナは短文(ショートセンテンス)が相応しい。ハードボイルドの文体がいい。しかし彼奴は「あれがこうしてだからそうなってこうしたけれどこうなんですよね」とダラダラと喋り続ける。同僚や社員達は彼に注意、アドバイスをしないんだろうか。かくしてフジテレビのサッカー中継は「音量オフ」で観るにことになる。視聴者無視で自己中心アナ中継は、沖縄民意を完全無視して、自分たちの考えでだけで〝粛々とやる〟現内閣に似ていなくもない。

 脱線ついでに今のテレビは、おそらく芸能プロダクション頼みではなく局内スタッフのアイデアが冴える「テレビ東京」と、マイナー過ぎてアナーキーだったり、えらく洒落た番組があったりの「TOKYO MX」が面白い。放送法で縛られて反発する気概もなく体制のポチ化したテレビ(しかも最近の報道系番組のフリーアナウンサーはフィクサー系事務所の所属が多い)、芸人の舞台と化したテレビ、さらに通販CMに占拠されたテレビに辟易したら、書籍を含めた活字媒体に注目かつ奮闘を応援しに「さぁ、本屋に行こうっと」。


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東電とレンガ高架橋の狭間で [政経お勉強]

toukyoudenryoku_1.jpg 自転車で新橋辺りを走っていたら、ガードマン(警官?)らが厳しく警護する建物があった。何だろう。「東京電力本社」だった。日本列島に人が住めない汚染地域を作った。そして同本社裏に古色蒼然「レンガアーチ高架橋」が有楽町~東京駅へ続いていた。

 このレンガ高架橋は明治時代の竣工。関東大震災(大正12年)、東京大空襲(昭和19・20年)を経て今なお現役。「レンガアーチ高架橋」は中央線のお茶の水~神田~東京駅にもある。東北線や上越線、京浜東北線が秋葉原を経て東京駅へ。昔はここに「万世橋駅」があった。東京駅と同じ辰野金吾設計。そして今日(3月14日)は「上野東京ライン」の開業。上野を経て東電本社裏・新橋辺りの「アーチ高架橋」の上を疾走して行く。

koukakyou1_1.jpg レンガ建造物を見ると明治・大正を振り返らずにはいられない。明治維新からの「富国強兵」で日本は大帝国日本へ。日清戦争が明治29・30年(1894~95)で、日露戦争が明治37・38年(1904~5)。そして東京駅周辺の「レンガアーチ高架橋」竣工が明治42・43年(1909~10)。大正3年(1914)に東京駅開業。さらに続ければ昭和6年(1931)に満州事変。昭和16年(1941)、太平洋戦争に突入。

 今回は右派系リーダーの一人だろう渡部昇一の本を読んでみる。~日本は石油を止められで開戦に踏み切った。米国に戻ったマッカーサーは「日本は原料供給を断たれて戦争に踏み込んだ。(侵略ではなく)自衛のためだった」と言った。ゆえに占領軍の「軍事裁判」は間違いで、靖国参拝が問題になろうはずがなく、むしろ宗教干渉だ。占領軍が作った憲法もおかしい。まして日本の今までの平和は憲法第九条のお蔭ではなく、米国の軍事力の傘の下でこそ。(渡部氏の本は多数あるも、同じ事ばかりが書かれている)

 そうした理論?の影響だろうか、「さぁ、今こそ〝戦後レジームからの脱却〟。あの頃の〝美しい日本〟を取り戻せ」と叫ぶ政治家がいる。隣国は異常な高予算で軍備増強しまくっている。米国に頼るばかりではなく日本も自立して軍隊・軍備の抑止力を持つ。憲法改定と集団的自衛権の行使。軍備増強。そして資源に困らぬよう原子力発展を怠らぬ、抑止力になるなら核も開発しようと言っている。

 自由民主党の衆参議員409名のうち289名が右翼系組織「神道政治連盟」と「日本会議」の国会議員懇談会メンバーとか。あの〝美しい国へ〟ってぇのは「日本会議」の惹句にあり。江戸好きのあたしは〝美しい国=江戸〟と思っていたが、列強国を目指していた日本のことらしい。そうした考えの頂点に立つのが現内閣。絶対多数でやりたい放題。国会でも平気で自衛隊を「我が軍」と言っている。異議を唱える人には完全無視。場合によっては会おうともしない。あたしは「東電」と「レンガアーチ高架橋」の間に挟まれて、しばし動けなくなってしまった。


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7)暴走する日本 [政経お勉強]

utukusiikuni1_1.jpg 古賀茂明著『国家の暴走』(2014年9月刊)に、このような記述あり。~安倍総理は自ら積極的に広報戦略に関わっている。新聞社やテレビ局の社長や幹部との夜の会合だ。公邸に呼んだり電話をしたりで、マスコミ幹部に直接働きかける。「安倍さんから電話だ」と聞こえよがしに口にする人もいて、こうした傾向はテレビ局に強い。

 フフッ、この手は、あの猪瀬知事もよく使ってい、その姿をよくテレビに映させていた。バカだねぇ。テレビが体制に弱いのは「電波法・放送法」ゆえか。昨今のテレビは、確かに体制批判が少なくなった。あたしらが若い時分は「安保」をはじめ、マスコミは体制批判が当然だったが、その〝当たり前〟が消えつつある。2月10日に「政権批判自粛にノー」と作家ら2700人賛同の声明が発表されたが、これまたテレビ報道はなかったような。

 一方、逆に出版社(特に中小)は元気がいい。インターネットはより活発だ。フェイスブックなどではなく、しっかり取材、書き込まれたサイトはなかなか読ませる。またネット検索だと瞬時にいろんなこともわかる。例えば安倍お坊ちゃま総理の側近(スタッフ)の世耕官房副長官の奥様は民主党参議院議員と知って腰を抜かした。公開年間所得は4780万円。これには交通通信宿泊費やらの年間1200万円や記載漏れの献金なども多かろうから、夫妻でザッと1億円は血税を得ているかも、ということが一瞬でわかる。

 今まで選挙(投票)は欠かさぬも、政治(家)への関心薄く、初めてその世界に覗き込んでみれば、まぁ驚きの世界なんですねぇ。自分には政治に関する取材力皆無ゆえ深入りはできないが、せっかく読んだ上記書の一部を図式化でまとめてみた。

 同書は2014年秋の刊だが、例の事件で日本は「有志連合」入りし、2月10日には「ODA大綱」改め「開発協力大綱」が閣議決定されて、他国軍隊への援助が可能になるとか。昨日の国会中継では「日本版CIAを早く創りましょう」とやり合っていた。氏の戦争への「13の矢」はあと5つで「積極的平和主義=軍事的影響力をもっての平和」、「日本を取り戻す=戦前の日本=覇権主義=戦争ばかりしていた明治~昭和初期」の「美しい日本」が実現する。

 氏の予測がこれ以上当たらないことを祈ってやまない。なお氏は最終章で「改革はするが戦争はしない政党」が誕生することを切望していた。同書刊で、氏への締め付けはさらに強くなりそうだが見守って行きたい。


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6)格差への道 [政経お勉強]

kouzoukaikaku.jpg

 政経お勉強5)を記した後にパソコン不調で、図書館の書棚をブラブラと廻った。2006年刊の橘木俊詔著『格差社会』(岩波新書)があり、2008年刊の中谷巌著『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社)があった。目下のベストセラー、水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』に書かれたことは、すでに6、7年も前から指摘されていることを知った。しかも中谷著には今話題の「トーマス・ピカティ(まま)」指摘点も紹介されていた。★なお、今日8日の東京新聞は「ピケティ特集」の感。見開き頁で独占インタビュー。「社説」も「時代を読む」もピケティがらみ。

 さて、ピケティ氏来日で、民主党が格差是正の必要を問えば、お坊ちゃん総理は「まず成長」と突っぱねたそうな。2月3日のBSフジ「プライムニュース」でも自民党側出席者が「まずパイを大きくしなければ格差是正もできないでしょう」と言っていた。

 アベノミクスはパイを大きくして、三角錐に組んだワイングラスのトップに水を注げば下も満ちよう=トリクルダウン理論だが、今朝の新聞でピケティ氏は「トリクルダウンの理論が実現した例は過去にありません」と発言していた。パイを大きくする=成長至上主義。コレが格差をいかに拡大したかをお勉強してみる。

konritu_1.jpg 武田晴人著『脱・成長神話』(朝日新書)の冒頭に、こんな記述があって驚かされたい。「経済成長という言葉、概念が使われだしたのは、せいぜい60年くらい前からのこと」。ウヘッ、50年代半ばってこと。経済白書で「もはや戦後ではない」と記されたのは1956年(昭和31年)。テレビ・洗濯機・冷蔵庫の三種の神器が普及した神武景気の頃らしい。

 また同書は、1961年からの「国民所得倍増計画」は文字通り〝国民みんなの所得倍増〟で、完全雇用で格差是正を目指した。その結果が「国民総中流層」の実現に至る。中谷巌著には自身の69年からのハーバード大留学時の米国中流階級による「よきアメリカ」に感動したとの述懐が記されていた。

 中谷巌氏はその影響もあったか、アメリカ流の急先鋒として行政にもタッチしたが、その後のアメリカの荒廃に、自らの考えを懺悔・転向の自戒を込めて同書を執筆したと告白している。「よきアメリカ」がなぜ崩壊したか。「新自由主義=構造改革」と「グローバル資本主義」が「危険思想」だったとさえ記している。それは〝パンドラの箱〟を開けたようなものだったと懺悔する。

 新自由主義は規制を撤廃してマーケットの自由な動きで経済を活発化しようという「レーガノミックス」を生んだ、慾の開放。共同体価値を無視し〝より多く儲けた者=勝ち組〟になる。この「構造改革」が日本に入ってきて「小泉構造改革=聖域なき改革」。米国で起こったと同じ現象が日本でも起きた。雇用規制の開放で派遣社員が増えた。そこに「IT技術と金融グローバル化」。生産工場は海外に出て行けばリストラが。地球環境も食品汚染も一気に世界規模で拡大した。(上図の「レーガンミックス」は「レーガノミックス」に訂正。クリック拡大でどうぞ)

 そして同著をはじめ多くの経済書には、OECD(経済協力開発機構)の所得分配調査が紹介されている。日本は先進国のうちで三組分けの最下位「不平等性の高い国」に括れ、OECDの平均所得の50%以下を貧困者と定義した貧困率調査で、日本第5位が紹介されている。メキシコ、トルコ、アイルランドを抜いた先進国ではアメリカに次ぐ貧困率2位。あぁ、我が日本の現状はこの有様、なにが経済大国だ。なにが平等だ。(2012年データでは、日本は堂々の4位になっていた)。

 あたしは日々テレビに流れる1億円余の資産を有した閣僚らの姿を見つつ、あぁ、これじゃ日本は良くならねぇなぁと思ってしまった。彼らは本当に正しく?税金を払っているのだろうか。誤解なきように言っておくが、あたしは如何なる政党員でもなく、ただの隠居。なお中谷巌の同著内容については「松岡正剛の千夜千冊」に詳しく紹介されていた。


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5)ゼロ成長で豊かに生きる [政経お勉強]

 人生初「政経お勉強」を始めると、眼を止めるテレビも違ってくる。早起きのあたしはBSジャパンの朝「Newsモーニングサテライト」に見入った。東京・NYを結んで円高、株高、格差、量的緩和、アベノミクス、物価指数などの言葉が飛び交う。「テレビ東京」系は日本経済新聞社系ゆえ経済に特化した「日経朝とく」「日経プラス10」「ワールドビジネスサテライト」等が特徴。

 本も水野和夫著だけではマズかろうと紀伊国屋書店へ。まぁ、新書コーナーは経済書で盛り上がっていた。『税金を払わない巨大企業』なる新書腰巻にはソフトバンク0.006%、ユニクロ6.92%の大活字。アベノミクス批判書も多い。

 テレビは系列新聞社の色付き、体制へつらい、ジャーナリズム欠如、芸人頼り、韓国ドラマなど情けない媒体になって久しく、観たくない番組が多い。加えて公共電波利用による「放送法」(政治的に公平であることなど)のシバリもあろう。比して出版社は誠に自由闊達の感がした。あたしは古本、図書館派だが、たまには新刊書店を覗くもいいかなと思った。

 平積みから、内容はわからぬが題名から佐伯啓思著『「アメリカニズム」の終焉』、武田晴人著『脱・成長神話』、小幡績著『円高・デフレが日本を救う』を購った。オォ!これは経済分野外だが橋下徹・猪瀬直樹・石原慎太郎(当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、今は羽抜鳥の感)らが結託した攻撃で筆を折った佐野眞一〝復活〟の書『ノンフィクションは死なない』があって思わず入手し、最初に読了なり。

 さて、水野和夫著のまとめに入る。第三章からは資本主義終焉後の考察。いち早く資本主義の限界に突き当たり、経済的需要飽和点に達した日本こそ、新システム構築のポテンシャルがあると指摘していた。

 先進国はもう「無限」がない事を知ったのだから「より速く、より遠く、より合理的」から「よりゆっくり、より近く、より曖昧に」で、そこに幸せを見出す新システムを創ったらいいだろう。まずは「脱成長」へソフト・ランディングしよう。

hanazonotuina2_1.jpg その先は「ゼロ成長=定常状態」だろう。例えば自動車なら乗り潰してから買い換える=一定台数で推移する社会。だが日本はすでに一千兆円余の借金がある。ゼロ成長だって至難。気を抜けばマイナス成長になる。今のまま成長を夢見るアベノミクスでは危機が加速、破綻も拡大されるだけだろう。同書はそんな警告で終わっていた。

 同書を読み終えたところで、かかぁの声。「おまいさん、ペットボトルのお茶が115円のところ、今日だけ87円だってさぁ。持てるだけ買って来ておくれよ」「よっしゃ」。ふん、あたしなんかとうにゼロ成長で生きているんだがなぁ、と呟きつつスーパーへ向かった。

 写真は2月3日の新宿・花園神社の節分祭追儺式(ついなしき)。旧暦の大晦日。立春の前日。有名人・芸人なしで宮司さんと鬼の問答に恵比寿様、大黒様も登場。「豆打ちてゼロ成長の豊か哉」


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4)資本主義の終焉は民主主義をも~ [政経お勉強]

minnsyuhokai_1.jpg 2月1日「東京新聞」に「ピケティ氏、本紙と単独会見」速報。詳細は後日掲載とあったが核心一部が紹介されていた。氏は「日本の富裕層上位10%の富が、1960年代は全体の30%程度で、2010年は40%に上昇」。富の集中が進んでいると指摘。非正規労働者が全体の4割に拡大していることには「経済成長を阻止する」と懸念。また「人口減少は経済成長率を鈍化する」。親から遺産を引き継ぎ、家賃や配当を稼げる富裕層と、所得が伸び悩む中低所得層の不平等が広がる」と指摘したそうな。

 日本の総理は、何故に親から遺産を引き継いだ元総理の子や孫で、かつ財閥裕福層のお坊ちゃま(麻生太郎、福田康夫。鳩山由紀夫、安倍晋三など)が就任するのだろうか。おっかしいなぁ~。

 さておき、ここでは水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』より氏の資本主義史観による〝資本主義の変遷〟を自分流解釈でまとめてみる。①12~13世紀のイタリア・フレンツェで「資本家と利子」が登場。②16~17世紀にイギリスが海を越えて途上国の資産を搾取。この所有欲=資本の蒐集が欧州資本主義の理念。③自国工業力が優って自由主義、植民地主義を主張。④途上国が発展して自国を脅かせばIT技術と金融自由化のグローバリゼーションを推進。⑤蒐集する周辺(国、地域、人々)がなくなってきて資本主義が終焉へ。

 加えて「蒐集」による破綻例をこうあげている。★「9・11」は米国金融帝国の「蒐集」に第三世界が反抗したもの。★リーマン・ショックは「電子・金融空間」でマネーを過剰「蒐集」しての自滅。★日本の原発事故はエネルギー「蒐集」で起きた事故。★欧州危機は独仏同盟による領土「蒐集」(ユーロ帝国)が招いた危機。「蒐集」が限界に達して資本主義の歴史が終焉に向かっていると説明。

 水野著は、それが「民主主義をも破壊」するとも指摘している。「近代システムは中間層がいて、民主主義と資本主義が成立していたが、今日の貧富二極化による中間層減少で民主主義も成り立たなくなった」。「日本では1970年代に〝1億総中流〟が実現したが、中国で〝13億総中流〟が実現するとは思えない。富裕層と貧困層になれば階級闘争が激化し、中国共産党独裁体制も揺さぶられよう」。

 また「富める者は、強引で独断になりがち」ともあった。今朝の新聞で野村総研調査の消費者アンケートが発表されていた。北海道ではアベノミクス「全く実感していない」「実感していない」計75.4%。関東では同計65.1%。別記事で「百貨店売上高4社前年割れ」、「1月新車販売前年比19.1%減」。「味の素が原料価格高騰と円安で輸入コスト上昇で値上げ」。アベノミクスによる異次元的量的金融緩和の大きなツケが、民主主義の行方がちょっと怖くなってきた。


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3)富裕層1%が全資産半分を独占 [政経お勉強]

 横井也有『鶉衣』を続けたいが、政経お勉強を始めると状況は刻々と変化して慌ただしい。その意では「江戸」は優しい。こちらが行くまで待ってくれよう。かくして「政経お勉強3)」に入る。

kabudaka_1.jpg アベノミクス第一の矢は「量的金融緩和」の他に、GPIF(年金積立金管理運用独立法人)の日本株運用比率を12%から25%に引き上げた。政府は年金積立金で日本株を買わせた。外国投資家と年金積立金で株価17,000円台へ。日本は「禁じ手=大規模量的金融緩和=財政ファイナンス」をいつまで続けるのだろう。(ここは「山田順プライベートサイト」を参考。氏はブログ文の著作権を開放されてい、それは小生も同じ。勉強させていただいています)。

 そう心配した1月23日、新聞に「欧州中銀が量的金融緩和」の大活字があった。3月から2016年9月までユーロ圏の政府発行国債を毎月約8兆円、総額150兆円買い込むらしい。ギリシャの債務超過に端を発したヨーロッパ不況だが、先日のギリシャ選挙では欧州連合(EU)主導の緊縮政策に異を唱える新首相が誕生。欧州の先行き不透明。

 世界各国が不景気脱出に「量的金融緩和」だが、国債は国の借金。限度を越えれば国債暴落。国の財政崩壊。図式通りに参らぬ危ない綱渡りが続く。どうやら資本主義は行き詰まったらしい。

 水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』には「リーマン・ショック後も3年に1度バブルは生成し、崩壊する」とあり、懲りない政治家の〝成長〟頼りで、繰り返されるバブル。その度に富裕層上位1%に富が集中。そしてバブル崩壊の度に公的資金で金融機関が救済され、その犠牲で中間層がリストラされて貧困層が増える、とあった。

IMG_6197_1.JPG そんな文を読んだ1月20日の新聞に、なんと「富裕層1%が世界資産の半分を所有」の大活字。これは国際非政府組織オックスファムが19日に発表したもの。2014年、富裕層上位1%の所有資産が全世界資産の48%を占めた。1%の人々の平均資産は約270万㌦(約3億1500万円)。上位80人の資産合計は222兆円。これは下位50%、約35億人を合わせた資産とほぼ同じ。「えらいこっちゃ。格差がこんなに広がっていたとは」。

 ちなみに日産カルロス・ゴーン社長の年収は10億円。累計100億円。例えばこれで資産運用をしていれば想像できぬ金額に膨れ上がっているだろう。ネットで「役員報酬ランキング」を見ると、つくづくイヤになってしまう。なぜに格差はここまで拡大したか。

 1月30日、格差拡大を論じた世界的ベストセラー『21世紀の資本』(みすず書房刊、分厚そうな本で5949円)の若い経済学者トマ・ピケティ氏が来日した。国会でさっそく「ピケティ氏論争」。格差是正を訴えた民主党に対し、安倍お坊ちゃんは〝まずは成長〟と突っぱねたらしい。(新聞報)

 資本主義はどうしようないほどの格差を生み、終焉に向かっているらしい。老いたあたしは分厚い『21世紀の資本』を読み込む気力はないが、先日夜、眠れずにテレビをつけたらEテレでピケティ氏のパリ講義が放映中で見入ってしまった。富と資産の保有者の資産収益率(r)> 経済成長率(g)とか。しかも日本は4人に1人が高齢者で、6人に1人が貧困。当然ながら経済成長率は余りに微小だ。


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2)量的緩和すれども [政経お勉強]

defla_1.jpg 2回目は「デフレ」のお勉強。日本はバブル崩壊からずっと不景気。不景気=お金がまわらない=デフレ。倒産すれば株券は紙屑=「株安」。物価が下がれば逆にお金の価値は上がって=「円高」。この悪循環が「デフレスパイラル」。(図)

 リーマン・ショックが平成20年(2008)。株急落で1ドルは90円台へ。この時期は福田内閣。次ぐ麻生内閣で株は最安値6,995円を記録。民主党時代も株価7,000円台。平成23年(2011)3.11東日本大震災後に管総理から野田総理になった9月に1ドル76円の円高記録。

 政府は不景気脱出に「量的緩和」策を続けた。企業が融資を受け易く、設備投資をし易く、国民が貯蓄より消費活発になるように「低金利」へ。バブル崩壊後の平成13年(2001)から続けてきたが効果なし。金利調整の実際は日本銀行が行う。日銀サイトの「長・短プライムレート推移」を見た。「長プラ=1年以上」の金利推移は昭和50年(1975)は9.7%で、以後は6~8%を推移。バブル頂点が平成2年(1990)で翌年崩壊。ここから失われた20年の始まりで、平成9年(1996)になると2%台に下がった。だが「金利」下がれど、景気回復ならず。図式通りには参らぬ。「デフレスパイアル」からの脱出は相当に難しそうだ。

 平成24年(2012)。安倍お坊ちゃま内閣が高らかに「アベノミクス・第一の矢」を放った。従来の「量的緩和」とは次元異なる超大規模展開。日銀・黒田総裁の名を冠して「黒田バズーカ砲」とか。第1弾は2年間で270兆円を投入。日銀がお金をジャブジャブ刷って「長期国債」を買う。この強制的「量的緩和」は市場メカニズムを捻じ曲げる禁じ手「財政ファイナンス」と言うそうな。アメリカは08年から470兆円の「量的緩和」を展開して昨年10月に「効果あった」で終了。だが日本では消費者の財布の紐はビクとも動かず、給与も上がらない。予定された消費税アップも先延ばし。

yukimejiro1_1.jpg 平成27年(2014)10月「黒田バズーカ砲第2弾」。年に80兆円投入らしい。10年国債は0.221%、5年物国債は金利低下で募集停止の「超低金利」、株価は目下17,000円台の「株高」、1ドル120円台の「円安」になったが、何故か庶民の財布は固い。給与上がらず。物価は上がる。格差拡大、派遣社員急増で結婚できぬ若者も多い。子供も産めない。老人は老後破綻に怯えている。

 なぜ状況は良くならないのか。理由は経済音痴のあたしにも推測できる。株は上がったが、日本株の売買は6割が外人投資家らしい。ドル高になって円安。割安感で日本株がドッと買われたためだろう。消費者物価指数が2%に近づいたが、デフレから脱出できたワケじゃない。これは食品が値上げされるたびに、ナニナニの影響でと説明付きで報道され、そうした値上げラッシュが重なった結果じゃないのだろうか。

 数日前のテレビで、黒田総裁が外国のなんだか会議に出席で「世界で最も孤独な総裁」と紹介されていた。「超大量金融緩和」をやるも第2・第3の矢の援助がなく梯子を外されたかわいそうな総裁とか。あのジャブジャブ刷ったお金で膨大に国債を買って「国債崩壊」にならぬのか。そして相変わらず我が暮らし楽にならず。

 あちこちの資料より、こんな感じでまとめて(数字に間違いあるかも)みて、日本の現状がちょっと見えてきた。写真は記事に関係なく、昨日のベランダに積もった雪とメジロ。都会の雪はつかの間で溶けるが~。


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1)十年国債金利0.221% [政経お勉強]

sihonsyugi_1.jpg 経済は恥ずかしながら全くわからない。税理士の手を離れ自ら確定申告をし始めた時に、理解出来ぬ経理言葉や合わぬ数字に発狂しそうになったこともある。さらに告白すれば数字が苦手。引き算なんかつい指を折りたくなる。〝完全な経済音痴〟のまま隠居になってしまった。ボケる前に多少の経済知識を得たいと思った。そこで手にしたのが水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』。満足に理解できなかったが、えらくスリリングな内容だった。

 日本の総理が自分の名を冠した〝アベノミクス〟とやらを国内外で高らかに謳っている。自分の名を冠したその連呼、その口元を見ていると、なんだか〝幼稚性〟を感じてしまう。これも直観だが、例えば「福島第一原発の汚染水は港湾内で完全にブロックされている」とシラ~ッと演説した時も〝アベシンちゃんの幼児性〟だなと思ってしまった。〝アベノミクス〟とやらを信用していいのだろうか。

 いまブログは横井也有『鶉衣』へ挑戦で〝頭の中は江戸時代〟だが、今年は併せて「アベノミクス」と『資本主義の終焉と歴史の危機』を軸に、初めての政経のお勉強をしてみようと思った。イヤ、お勉強というよりもボケ防止だな。隠居で有り余る時間を持ちながら、散財遊びもできぬ貧乏隠居の暇潰しです。

 水野著はまず「利子率の低下は資本主義の死の兆候」と題した項に、こんなことを書いていた。「10年国債の利子率が2%を下回るということは、資本家が資本投資をして工場やオフィスビルをつくっても、満足できるリターンが得られなくなったことを意味する」。

 本当かしら。ネット検索すれば財務省HPで国債金利情報が公開されていた。平成27年1月20日、10年国債は0.221%。「あんれまぁ~」。2%どころではなく大変な超低利じゃないか。1月22日の日経には「5年物国債、金利低下で募集中止。販売開始後初めて」なる活字も躍っていた。ふふっ、新聞の経済欄を初めて読んだ。

 水野著は昨年3月の刊。出版時より約1年で事態はかくも悪化しているらしい。同著によれば〝もう完全に資本主義の終焉〟だろうが、東京には高成長の象徴かのような超高層ビルが次々に建っている。経済ってぇのは本当にわからない。どこかに「やまかし」が潜んでいる。(続く)

この記事ではなく、昔のHPの「東京下町ことば」へのコメントを「kyokoさん」からいただきました。返信しますと<認証コードが一致しません>で、はねられちゃうんです。で、すいませんがここで返信です。コメントとリンクのご報告ありがとうございます。「おみおつけ」が志ん生で「おつけ」とは知りませんでした。勉強させていただきました。子供時分の下町ことばを思い出した後のあたしは、目下、江戸の文字を読みたく「くずし字」勉強中で「江戸の本」を少しづつ読み始めています。

迂闊にも気付くのが遅くすみませんでした。野鳥を撮られ、テニス趣味のkaikuuさんのサイト「あっちも・こっちも」が弊ブログを紹介して下さっていました。小生も左枠「読んでいるブログ」にリンクを張らせていただきました。ありがとうございます。


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