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乳搾り滴る白や花馬酔木 [花と昆虫]

asabi1_1.jpg 先日、新宿御苑で「キブシ(木五倍子)」を「馬酔木」と間違えたが、一昨日の墓参りで「馬酔木」を見た。共に花期が同じで、房状・壺形・白・・・と花の感じが似ていた。だが、間違えたらエラいことになる。「木五倍子」の実は「お歯黒」の染料になるが、「馬酔木」の葉には毒がある。馬が食えば足が萎え、別名「馬不喰(うまくわず)」。鹿も食わぬから、奈良公園には「馬酔木」だけが増えているとか。ほ乳類は食べてはいけない。

 正岡子規の根岸短歌会から伊藤左千夫らが創刊したのが「馬酔木」。こちらは「あせび」ではなく「あしび」。手許の本では、どんな理由で「馬酔木」を題名にしたのかがわからず。左千夫は今の「錦糸町駅」辺りで牛乳搾取業をしていた。タコ入道のような風貌に無骨な手をしていたが、歌を詠み、茶の湯をたしなみ、純情小説「野菊の墓」も書いた。<牛飼が歌よむ時に世の中の新しき歌大いにおこる>は有名な歌とか。短歌機関誌に「馬酔木」としたワケは、牛の乳を搾りつつ、その白乳色に馬酔木の花を想ったのじゃないかと勝手に想像した。<乳搾り滴る白や花馬酔木>


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