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マリー・ローランサン(2) [スケッチ・美術系]

marie4_1.jpg マリー・ローランサン展には、フォーヴィスム系の絵が幾作も展示されていた。これら絵画論を推進の詩人ギヨーム・アポリネールが恋人とあっては当然か。愛ゆえの憎しみか、彼らしき横顔がアフリカ原始彫刻っぽい平面三角形っぽく描かれた作もあり。

 しかし続くキュビスム風の絵は、この一部ラフ模写した「優雅な舞踏会あるいは田舎での舞踏」(30歳作)他数点で、すでにアポリネールとの恋愛関係は終わっていた。男と別れれば、あとは「自分らしさ」の追及になる。

 ここでキュビスム(立体派)も簡単にお勉強しておく。「セザンヌの影響の流れで、形態と構成による絵画革命。アフリカ部族の彫刻的な絵。例えばピカソの<アヴィニョンの娘たち>などが有名。遠近法に基づかず、三次元の対象を二次元画面に分解・単純化・再構成。幾何学的な形を重ねたような絵が特徴」。

 よくわからないから、例えば日本の萬鉄五郎の絵も見てみる。彼のフォーヴィスム的代表作が、東京美術学校の卒業制作画で、腋毛や鼻毛黒々の「裸体美人」。キュビスム的代表作が切手にもなった「もたれ立つ女」。それぞれ15分程でラフ模写してみたが、どうも、この辺の絵は(小生には)よくわからない。(美大卒の知人がこういった。「お前はおっぱいをすぐ立体的に描くが、萬のおっぱいは平面的なんだ。ゴーギャンのように描かねばいけない。草原はモネのような短いタッチで描く。そこがミソなんだよ」)

 yorozu1_1.jpg さてローランサンはアポリネールと別れた後に母を亡くし、次に一緒になったドイツ人男爵オットーとスペインに亡命したが、彼は酒と女の日々。ほとほと男が嫌になったらしい。美術展の解説では伏せられていたが、次第に同性愛にのめり込んで行ったらしい。

 お相手はフランス・ファッション界の帝王、ポール・ポワレの妹でニコル・グレー。同性愛の派手な話題、自分らしさ追求の絵で、彼女は人気画家に上り詰める。プライベート面中心の伝記も幾冊か出版されているから、そっち系好きの方はぜひどうぞ。次はもう少しフォーヴィスム、キュビスムをお勉強してみる。


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