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マリー・ローランサン(3) [スケッチ・美術系]

marie6_1.jpg 最後のラフ模写は、マリー・ローランサン70歳作「三人の若い女」(中央下)。老いて、かくも若い女性を描くのは同性愛者ゆえか。ローランサンに家政婦として30年余仕えたシュザンヌ・モローも若い愛人だったか。彼女を養女にして、ローランサンは同作3年後に没。

 高尚な?絵画論が下世話な話になってきたので、最後にフォーヴィスム、キュビスムについて勝手解釈でまとめる。絵画はルネッサンスより写実一途も、19世紀中頃の写真登場で改革を余儀なくされた。同時にチューブ入り絵具の発明で野外スケッチが可能になった。絵には写真にない強力な表現があると、まずは印象派が登場。モネがルノワールと河畔に画架を並べ、水の揺らぎ・光を短線で描き出した。それがスーラへ受け継がれ、スーラの絵がゴッホを覚醒させた。表現主義の夜明け。

 光を、色を、形を感性や主観で捉えてマティス、ピカソ、ブラック、レジェらがフォーヴィスム、キュビスムを。シュールに走ったのがミロやダリ。抽象画に走ったのがカンディンスキーやクレー。また写真から肖像画を描く。ドガ描く〝踊り子〟も写真からだろう。写真のボケやスローモーション効果なども絵の参考にされただろう。

 乱暴な把握だが、ブログの写真を絵に替えた小生にとっては、写真と絵画の関係は興味深い。だがそれ以降の絵画はどうも冴えない。やや盛り上がったのは米国「ポップアート」ぐらいか。テレビの美術番組も美術館も戦前表現主義の画家ばかり。東京都現代美術館「戦後美術クローズアップ」は話題にもならぬ。

 かくして、にわか美術好きの小生の秋は忙しい。上野・東京都美術館「モネ展」へ、汐留ミュージアム「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」(10月下旬から)へ、そして元総理・細川さんちの18禁の「永青文庫・春画展」へも鼻の下を伸ばして観に行きたい。秘蔵図版が4千円とか。小生はそれより人体デッサン用に関節が動く男女フィギヤが欲しい。

 ローランサンのラフ模写は、一枚の水彩紙にちまちまと描いた。美術展を観る度に、こんなラフ模写を続けて行けば、多少は絵の上達になろうか。なおこの項は小田茂一『絵画の「進化論」』、美術出版社『20世紀の美術』、ニール・コックス著・田中正之訳『キュビスム』、府中市民美術館の解説・図版ほかを参考にした。次は東京国立近代美術館「特集:藤田嗣治」をレポート。


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