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『新聞記者』出演者・製作者の矜持 [政経お勉強]

eigakoukoku_1.jpg ★クマさん、映画好きじゃねぇな。●子供時分から泣いたり怒鳴ったりのテレビドラマが大嫌いだった。★男は黙って~ ●それも面倒臭い。やはり好きじゃない。

 ★そんなクマさんが、珍しく映画を観ようとしたら、それが〝なっちゃん〟と官邸がらみで興醒めした。●その反動かなぁ、ふと眼にした映画広告(写真)に「日本の映画が変わる!」とあった。是枝裕和の推薦文が「これは、新聞記者という職業についての映画ではない。人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」。キネマ旬報の推薦文を要約すると「権力と闘うジャーナリズムを描く映画は日本では無理だろう~を打ち破ったのが『新聞記者』。ここで描かれる数々の政治事件が、何を指すかは一目瞭然。大手映画会社では出来ないこと。この映画は観客に多大な問題を問う力作である」

sinjyukupi_1.jpg ★例の如く、観る前に原案・望月衣塑子『新聞記者』を読んだ。●いや、これは読む前に観るだな。即「新宿ピカデリー」まで歩いた。★チケット買えたか? ●満席。明日の最終回に2席が空いていた。「前から2列目ですがいいですか」。そのチケットで翌日観た。★どんな映画だった。●映画内容はネットに溢れているから省略。

 ★ひと言くらいは~。●内閣の悪だくみ、内閣情報調査室(内調)の暗躍。(内調)は政権不都合情報のコントロール集団(追記:~及び諜報活動などで250名ほどが在籍しているらしい。今井良著『内閣情報調査室』なる書あり。買おうと思ったが見城徹の顔が浮かぶ幻冬舎刊ゆえ買えなかった)。各省からの出向職員らが、ネトウヨよろしく一斉にネット投稿しているシーンの恐ろしいこと(佐藤優氏が新聞に、内調はそんなことをするほど暇じゃないと書いていた)。とは言え、政権に邪魔な人間をおとしめるガセネタはリークする。官僚にも無理強いし、それを苦に官僚の自殺もあった。フィクションゆえ、逆にリアルな恐怖が増す。そんな世界にジャーナリスト矜持を有する女性記者が闘いに挑む。苦悩する若い官僚~

 ★クマさん、若い時分にPR会社にいたな。●PRのそもそもが政治PRから始まった。★フリー後は楽曲プロモートの仕事。●あぁ、まず素材の分析。キャンペーン・コンセプトの設定。それに沿って攻めるべきラジオ、テレビ、活字媒体、店頭、出演、イベント、タイアップ、さらにはシンパ作りを考えてチャート化する。薄い部分をさらに補強してマルチ展開を仕上げて行く。そんな企画書ばかりを書いていた。

 ★楽曲も政治もPRの基本は同じ。政治はエゲツない展開もありそう。●一時期、首相がマスコミ各社役員と盛んに会食で~。★政権ベッタリの人間やマスコミ役員が増えた。

 ●内閣の動きを見ていると有能PRマン(戦略立案者)がいて、実行部隊が「内調」で、怖い別動隊(公安)も一緒に動いているらしい。資金は潤沢で、やりたい放題。テレビは放送法を盾に電波停止宣言。自己規制から「同調圧力」(村八分)。★そう云えば、テレビはこの映画について一切報じていない。●記者らの多くは、内閣が出す情報をただ流すだけが仕事。★戦時中の大本営発表と同じ。●一強政権で官僚も保身・忖度で生きている。

 ●エンドロール後の映画館に大拍手が渦巻いたってぇのは、映画内容と同じく、出演者も製作スタッフも配給会社も劇場も、すべての方々が相当な覚悟を持って挑戦したってことで、それらすべての方々の勇気への賞賛だったと思うんだ。

 ★追記:7月23日で33万人ヒット。興業収入4億円突破とか。願わくば、一つでも多くの映画賞を受賞し、海外でも公開。また現政権下では無理も「同調圧力」薄れた後の時代でもいいから、テレビ放映もされるようになることを願っています。

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