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ハイハンドルのウィーン窯風 [デミタス&飾り皿]

3jwk1_1.jpg もうひとつ「ウィーンスタイル」と思われる「上絵金彩男女図ハイハンドルカップ&ソーサー」があった。ここで注目は〝ハイハンドル〟だろう。

 三井記念美術館で開催「デミタス コスモス」の多数展示のなかで、ハイハンドルは僅か七点だけで、それらに遜色せぬデザイン。凝ってい、骨太の感がする。バックスタンプをみると、ウィーンスタイルのマークを囲んで「JWK」と「Dec.Karisbad」の文字が組み込まれている。写真はカップのバックスタンプだが、ソーサー裏には同スタンプに加えて「Made in Garmanuy」も刻印されていた。〝ドイツで作られたウィーンスタイル〟?

 ここからが謎解き。まず「Karisbad」とは? ネット検索するとアメリカの3州にこの名の街があった。チェコにもあったが、ドイツでは探せない。チェコの「Karisbad」を調べる。ボヘミア地方・カルロヴァ・ヴァリ地域から生まれた磁器ブランドとあった。ドイツとの国境に近い西ボヘミアのチェコ有数の高級温泉リゾートとか。読み方は「カールスバッド」。ドイツ語では「カールスバード」。

3jwk2_1.jpg チェコなのに、なぜに「Made in Germany」なのだろう。この謎を解明すべく、チェコの歴史を探る。なんと同地はドイツ系住民が多く、1938年にナチス・ドイツによってドイツ領となり、それが第二次大戦終結まで続いたらしい。ってことで、このデミタスは戦前までのドイツ領当時のチェコ製ってことだろうか。また「JWK」については調べられなかった。

 このデミタスを見つめていると、周辺国に翻弄され続けたチェコの厳しい歴史が垣間見えるような気もした。


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