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大はしゃぎ二歳の孫の春一番 [散歩日和]

rei2sai2_1.jpg 歩き始め、喋り始めたばかりの孫。公園でたっぷり遊んだ。足はくたびれ、よれだしているのに春一番が戯れた。

 細く柔らかな髪が大きくなびく。それを面白がって、風に向かってまた走り出した。


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江戸野菜弁当で食ふ五月かな [散歩日和]

tougarasimesi_1.jpgtougarasiben_1.jpg 昨日は「みどりの日」。新宿御苑生まれ「内藤とうがらし」を使った江戸野菜弁当を同苑で販売するってぇんで出かけた。題して「新宿内藤とうがらしめし」。おしながきに内藤とうがらし汁の茶飯、内藤とうがらし甘酢漬け、葉とうがらし伽羅煮、亀戸大根の葉海水炒め、亀戸大根のお揚げ煮、伝統小松菜の胡椒浸し、檜原村まいたけ天麩羅、野菜のチップス(紫いも、薩摩芋、南瓜、人参、隠元豆)、常盤軒の厚揚玉子。御苑の芝生の木陰でいただいた。

 家では昨年、7Fベランダで「内藤とうがらし」を数度にわたって大収穫したので、今年は伊豆大島の超辛「アオト」の種(昨年の赤く乾燥したニつの実をほぐしつつ)を蒔き、先日に三十ほどが発芽したばかり。御苑内で「内藤とうがらし弁当」の乙な味を愉しんだ後は、即売場で300円で買った江戸野菜「練馬産・早稲田みょうがたけ」(みょうがの根茎を暗所で栽培)を、夕餉の味噌汁(あぶらげ+茗荷たけ)、玉子綴じで食し、シャキシャキの新食感を大いに愉しんだ。

 ブログは目下、山東京伝『江戸生艶気蒲焼』で吉原花魁の身請け・道行の最終場面になってくるので、次の遊び~大田南畝『甲駅新話』(安永四年・1775年刊、内藤新宿の女郎遊び)原文を読み始めている。頭ん中も「内藤新宿」で染まりつつあります。

 <コメント返信> O'Charaqueさん、お久しぶり。風の吹くまま、気の向くまま、気楽に生きております。遊び三昧で、改めて「隠居っていいなぁ」です。 隠居後は「大島暮し」と思っていたのですが、東京から離れられません。「おちゃらく」さんのホームページも拝見させていただきます。★あのぅ、自分のブログなのにコメントすると「画像認識出来ませんでした」で返信できず。できるようになるまで、しばし、ここに記します。


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この邦も吾も枯れるる枯尾花 [散歩日和]

kareobana5_1.jpg ウィークディに新宿御苑に行くってぇと、何と申しましょうか、それなりに賑わっているんでございますなぁ。「あぁ、こんなにも多くの人が働いてねぇんだ」。遮二無二働いてきた戦後世代・団塊世代が一斉リタイアで、年金受給者になった。今や日本人口の1/4が高齢者で、赤ちゃんと母親、学生、専業主婦を加え、総人口のうち働いているのは何割なのだろう。

 

 日本のパワーは衰え、災害は想定越えで襲い始め、村々が放射能で侵された。日本人口半減へ向かう少子化、過疎地も拡大の一途。そんな日本に、一極集中の東京に巨資投じるオリンピックが必要だろうか。枯尾花の風情だけでも充分に愉めようぞ。

 

 その意では地方都市、山村、離島で暮らす方々のほうが、筋金入り“諦観”を踏まえた上での新たな価値観を見つけてくれそうな気がしないでもない。

 ちなみにかつての「東京オリンピック」は二十歳の頃だが、もう充分にひねていて「東京はうるせぇから、どっかへ行こっ」ってんで友人と東京脱出した。伊豆は河津にミニ滞在。当時の河津の村民浴場(銭湯・温泉)は混浴だった。近眼で眼鏡を外した入浴ゆえに女体観察とは参らなかったが、友人は眠れぬほど興奮していたことを思い出す。そう、あの時に首都高速ってぇのが、日本橋川をはじめの川々を覆い尽くす愚策をやらかした。


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黄と赤や枯れ散る前の宴かな [散歩日和]

icyomomiji_1_1.jpg 秋と春が好き。黄金色の銀杏に紅葉。巡る季節のなか、最も美しい彩りとなる。

 

 それも束の間。銀杏は決まっていたかの或る日に、黄葉をハラハラと散らす。あとは色を失った冬木立へ季節一変。

 

 猪瀬都知事の散る前の宴がオリンピック招致。さぁ、あとは散るがいい。同じく安倍内閣の散る前の宴がアベノミクス。暴挙のあとはハラハラハラと支持率急降下。見放されようゾ。


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桐の眼はなにを見張るや東見て [散歩日和]

kirinome5_1.jpg 「飯桐」の次は「桐」を見た。種が違うゆえ、結実時期も違うのだろう。見上げてもイイギリのようなたわわな赤い実なし。こちらは五月頃に紫の花を付け、実は薄緑色の涙型。茶色に枯れて殻が割れると翼付き小種が風に散る。それもすでに終わったのだろう。

 

実はなかったが、桐の幹に“眼模様”があって、ドキリッとした。幹をグルッと回われば、上眼遣いの大きな眼が東方面に三つ。東へ振り向けば国会議事堂、霞が関方面ではないか。

 

返り咲いた首相の言動はどこか変だ。かつての所信声明演説後の精神衰弱・体力限界退陣のコンプレックスから、精神のどこか歪んだ感が否めぬ。頑な原発再稼働、原発輸出。福島原発はメルトダウン千日後の今も130万ベクレルの汚染水を流している。よくもまぁ、ぬけぬけとコントロール下にあると言ったものだ。東北復興の遅れ。放射能汚染で戻れぬ村々があり、仮設住宅暮しも続く。そして特定秘密保護法案。日本はイヤな方向に歩んでいる。そして野党のていたらくよ。政治はいつだって国民意識とかけ離れているのは何故なのだろうか。

 

権力を持つと人は変わる。片や暴挙、片や保身。桐の眼の反対側を見れば、都庁舎が聳えている。そっちは金銭欲、出世欲、名誉欲に加えコンプレックスの塊の都知事がいる。この機に資金集めのパーティをやったとか。その鉄面皮あまりに醜い。飽きれ果て、名を聞くものイヤだ。こちらも都議会は猪瀬追及に及び腰とか。

 秋景色に風流を愉しもうと思ったが、出るのは溜息ばかりだ。
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飯桐や冬の予告の赤が冴え [散歩日和]

iigiri3_1.jpg「浦島草」の赤き実、黄金色の銀杏、続くは落葉高木「イイギリ」の赤い実。飯桐の名は、その大きな葉で飯飯を包んだことから。「短歌俳句植物辞典」をひくが、外来種じゃなかろうに不載なり。ならば同じ落葉高木の桐をひけば「桐の花」「桐の実」「桐一葉(ひとは)」「桐の花」はある。

 

だが桐はゴマノハグサ科で、飯桐はイイギリ科。イイギリの葉はハート型・葵型で別名「アオイノキ」。一方、桐はホームベース型で毛が生えているゆえに飯は包めぬ。イイギリは赤い実だが、桐は大きな黄色の涙型。茶色に熟し実が割れ、中の実が風に散る。

 

さらに調べてみる。イイギリは別名「アオイノキ」の他に、赤い実が似て「ナンテンギリ」、桐に比して腐りやすく「イヌギリ」、古名「ケラノキ」など。それら別名で「俳句短歌辞典」をひくが、やはり不載。おそらく有名俳人によるイイギリの句がないのだろう。他の季語辞典には「飯桐の実」があるそうだが句例なし。

  イイギリの紅い実は渋いとかで、野鳥は目もくれぬ。やがて周囲の樹々が葉も実も落ちて冬木立の景色へ。ここでやっと赤い実は熟し、それまで見向きもしなかったヒヨドリ、オナガらが「これ以外に喰う実なし」とシブシブの呈で啄み始める。そんな光景が展開され始めると今年も終わりです。


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落つる葉や別れの枝の膨らみか [散歩日和]

karehayo1_1.jpg 灼熱の夏が続き、一気に冬の気配。しかし街を歩けば、眼が秋を探している。高層ビルを背にした桜の葉を撮った。さまざまな色に染まりつつ、虫食いのまま朽ち落ちる風情。だが落葉樹はいい。落ちる葉を見送る枝先に、来春に向けた固い蕾が宿っていた。落葉もまた腐葉土になろう。

 あたしはこの世に、次世代に、何かを残せたか。端から根なし草、風に漂い、やがて朽ちる。そんな「ひっそり」こそがいい。そう呟けば、かかぁが「おまいさん、そりゃ枯れ過ぎだよ」と言った。


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早稲田界隈と尾崎一雄 [散歩日和]

wasedastizu.jpg 早稲田の文人を紹介するサイトを拝見した。尾崎一雄が「水稲荷」(移転前の)参道際の下宿「時習館」に5年程住み、7年かけて早大卒業。「穴八幡」崖下の喫茶店経営の軍人未亡人と暮らし、次に“芳べぇ”と「亮朝院」際の下宿「関口」で同棲。「金田病院」で長女出産。「諏訪神社」脇の借家に移って、そこから穴八幡斜め前の蕎麦屋・三朝庵と早稲田中高校の間の「東光館」へ。それらが『猫』『暢気眼鏡』『芳エ物語』『あの日この日』などに書かれているとあった。

 新潮現代文學集『尾崎一雄』、筑摩書房の現代日本文學全集の尾崎一雄収録の集を借りて読んだ。大正9年頃から昭和12年の39歳までの約17年間を早稲田界隈で暮していた。あたしは、この頃の私小説は未読が多い。それは、まぁ簡単に言うとこうだ。小説家だが食えるほどではなく、貧乏を周囲(特に女性)に及ぼし、なのに女性遍歴を披歴する・・・そんな私小説ばかりで読む気になれぬ。『暢気眼鏡』は昭和8年で作者35歳作。その4年後に永井荷風『墨東奇譚』。後者は繰り返し読みたい作で、何故これほどに世界が違うのだろう、と思ってしまう。

 あたしも20代半ばより同界隈在住。最初は早稲田通りは「子育て地蔵」並びのビル4F。依って、作者の早稲田転居地は頭ん中で辿れる。しかし今、「子育て地蔵」境内に濱田煕さんが描いた「昭和10~16年頃の戸塚3、4丁目の家並と商店街」のイラスト大マップが掲示されてい、尾崎一雄の移転歴すべてが追える。suwajinjya3_1.jpg 『江戸名所図会』より界隈の“名所”を紹介してきたので、あたしも地図を描いてみた。

 すでに「穴八幡」「大窪天満宮(西向き神社)」を記してきたが、現あたしんチ地域の鎮守様は「諏訪神社」。先日も「諏訪神社」での盆踊り(写真)の賑わいを楽しませていただいた。そして神社隣が元別当「玄国寺」。で、なんと云うことでしょう、書院が「岩倉具視」邸一部だってぇから、改めて驚いた。

 岩倉具視は今春に、あの猪瀬知事著『ミカドの肖像』検証読書で触れたばかり。あの人(知事)は、何故にまた岩倉具視が孝明天皇を毒殺したなんて噂を肯定しつつ、同書を締めくくったのだろうか。地図を描きつつ、そんなことが頭ん中で膨らんできた。

 あたしには遠い話だったが、近所の玄国寺に「岩倉具視邸」で、これは面倒だが、またちょっと首を突っ込んでみなきゃなるまいと思いつつ、目下は机横に図書館で借りた岩倉具視関連書が積まれている。あぁ、頭が痛くなりそう。 


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老が身にはらはらはらや落葉風 [散歩日和]

icyou_1.jpg きのふ、銀杏並木を歩いてゐたら、微風にもかかわらず、一本の銀杏だけが「ハラハラハラ」と吹雪のやうに舞つてゐた。

 他の銀杏を見れば、既に枯木あり、黄色の葉を茂らせた木あり。「ははぁ~ん、銀杏つて奴は、一本づつ一気落葉の日ってぇのが決まつてゐるのかも知れぬ」と思つた。

 木はいい。春になれば生命を讃歌するかの瑞々しい葉を吹き出す。人は死んだら、おしめぇだ。

 テレビで知る著名人訃報に接すると、あゝ、俺より年下だ、年上だと思つてしまふ。60余年めぇには輝くやうな幼子だつたのだが・・・。


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遠足の親御らの笑み四十路越へ [散歩日和]

ensoku1_1.jpg 先日の新宿御苑ウォークでのこと。時期なのでしょう、苑内の彼方此方で小学1年生らしき遠足の光景で賑わっていた。ウチの子も小学1年生の遠足は新宿御苑だった。で、ちょっと腰を抜かすほど驚いた。

 遠足に付き添う親御さんらと擦れ違えば、なんと云うことでしょう、皆さま、早や中年の容貌です。あたしらが子供だった時分の母親ってぇのは、容姿も貧富もさまざまなれど、誰もが「若くピチピチしたお母さん」だった。それが母のイメージだったが、擦れ違う親御さんらを横目にする度に、そんな概念がグラグラと崩れて行った。

 年増なんてもんじゃなく、皆さんすでに立派な中年。今や晩婚の世。30代半ばで結婚して子を産み、子らが小学1年生になれば、既に40代じゃありませんか。アラフォーなんて言葉が流行っていて、皆さん、それぞれおしゃれにしていますが、すでにピチピチの張りは遠い昔で、人生折り返しに入った容貌です。時代は、日本は、かくも変ったかと考え込んでしまった。

 ちなみに内閣府2011年6月発表の「子ども・子育て白書」データでは、2010年の女性初婚年齢は28.8歳。第一子出産年齢は29.9歳。これは全国データだから都心ではさらに高齢になっていよう。あたしが産まれた時分の母らの初婚平均年齢は23歳ほど。

 追記★平成24年(2012)6月6日の新聞:「厚生労働省は5日、2011年の人口動態総計を公表した」とあった、女性が第1子出産の平均年齢は30.1歳と初めて30歳を越え、晩婚化の傾向が進んだとあった。


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白黒の世界も一夜江戸の雪 [散歩日和]

sirokuro_1.jpg 東京では、積雪は年に一度あるかなし。珍しいゆえ、もう少し雪を詠む。雪の日は「うるう年のうるう日」で、野暮用で新宿三丁目へ。用を済ませて副都心線に乗り込めば「走りません」の車内放送。歩いて帰った。写真はその際に撮った花園神社。うっすら積もった雪で、にわかに景色はモノクローム。

 今、小沢昭一の著作を数冊読んでいる。芸、芸人の話。「話にさく花」の「あとがき」でこんな風にまとめていた。古代ローマの哲学者セネカ著、茂手木元蔵訳「人生の短さについて」の訳者の要約解説を引用で・・・

「人生は短いが良く使えば長い。すなわち実務を捨て、自然を見つめる暮らしをすればよろしい」。アッという間に過ぎた芸人人生を振り返って、これからは実務(仕事の芸)を止めようと結んでいた。あたしも実務を僅かに引きずっているが、隠居生活に入っている。20代半ばからのフリー生活を振り返れば、ただただ忙しかった。「忙しい=心を亡くした」アッという間だった。

 改めて先日の雪をゆっくり見つめ直して、もう一句・・・ <白黒の世界も一夜江戸の雪>


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雪吊りや主役を梅に譲りけり [散歩日和]

yukituri1_1.jpg 過日(20日)、新江戸川公園へご近所ポタリング。その際にポケデジで撮った写真を、今になってパソコンに落として、「おぉ、これは句になる」と・・・。

 手前の「雪吊り」の後ろに紅梅が写っている。そう、公園に入って、まずはパッと見事に咲いた紅梅に眼を奪われた。

 <雪吊りや主役を梅に譲りけり> 大雪・寒波の変な天候だが、確実に春は近づいている。


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人と陽と虫を集めて福寿草 [散歩日和]

fukujyusou1_1.jpg 昨日、新宿御苑散歩。昨年は1月末には咲いていた福寿草が、やっと咲いた。枯葉の下から一気に吹き出たように咲き、枯れ野がパッと輝いていた。人が吸い寄せられている。老夫婦が携帯カメラで、お嬢さんが三脚でマクロ撮影。あたしは背後から望遠レンズで撮った。

 福寿草が人を惹き寄せ、そのパラボラ・アンテナ効果で花芯に陽を集め、その暖かさで虫が寄る。<人と陽と虫を集めて福寿草>

 去年は<福寿草ぬくもりて惹く術を持ち>。「おくのほそ道」シリーズの芭蕉句もじりで<御苑にて満面の笑み福寿草>を詠って、これで三句目。句は上達せぬが季節の記録です。季は「新年」。だが、今、咲いた。


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地に還る祝ひ宴か冬日陰 [散歩日和]

fuyuhikage1_1.jpg 師走でぇ。マンションめぇの街路樹ハリエンジュの葉は半分ほど落っこち、欅は赤茶色で触れば落ちる按配ぇだ。写真はコナラかな。萌える新芽・新緑もいいが、落葉寸前の木々の色づきもなかなかてぇしたもんだ。

 やがて木枯らしが二度三度吹くってぇと、木々は枝だけになっちまう。未練なく散る潔さよ。「宵越しの銭は持たねぇ」さっぱり好きの江戸っ子のようだ。江戸っ子は貯蓄に執着しても、繰り返される江戸の花・火事で身上がすっからかんになることもいやというほど知っていた。大川でケツを洗ったようにさっぱりして新年を迎える。

 潔く散った落葉だが、これが腐葉土になって新たな季節の滋養になるってぇから、自然はうまくできているぢゃねぇか。潔く散れねぇ奴がいる。散っても次の世代に何も遺せねぇ奴もいる。あたしは落葉より役立たなかった人間かも知れねぇ。(今朝は下町言葉。あたしは談志より志ん朝の方がだんぜん好きだったなぁ)


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長らへてブログ遊びの恥ぢ紅葉 [散歩日和]

hajimomiji1_1.jpg 同じような駄句を記したような気もしたが、記事数千を越えて振り返へるもままならず。で、なんですねぇ、紅葉を見ますってぇと、反射的に己の身を恥じて「恥じ紅葉」と赤面なり。恥じを上塗りしつつ生きた日々で御座候。

 その上、いつ覚えたかブログ遊びまで始めた。小林一茶も永井荷風も山田美妙の日記も、情交回数まで晒す赤裸々さ。片や馬琴日記の味気なさ。そこで自身を晒さぬように私、僕、俺、小生、あたし・・・の一人称抜き文章を心がけ、さらにはフィクション(嘘っ八)を記すように心がけている。己とフィクションの境界、タイトロープを歩む遊び、酔狂。それでも己は出て、恥じに恥の上塗りになる。今朝こそ「いい嘘」が書けたかしら・・・。

 本当のことも書こう。卑しく美食を貪って、日曜日に恐る恐る体重計に乗った。69㎏。ガーン! 炭水化物抜きダイエット再開した。三日で2㎏減の67㎏。あと2㎏落とす。


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武蔵野の桜散りぬるさんらいず [散歩日和]

413tree2_1.jpg 武蔵は634で東京スカイツリー。自室から望む朝陽は北に寄ってツリーとの絡みは愉しめなくなってしまった。それでも朝陽の按配は…と起きてしまう。あれほど続いた寒さも、にわかに麗らかになり、桜もあっという間に散り始めた。

 昨日、14㌅自転車を駆って早稲田通りを西に走ってみた。環七と環八と青梅街道を越えたところが「善福寺公園」。僅かな水鳥が残っているだけだった。変速ギアもない小径自転車の時速は約10㎞。片道1時間10分。帰路は青梅街道。ロードサイクルならば時速30㎞か。1時間でどこまで行けるだろうか。地図の上で30㎞の円をコンパスで回してみた。

 「おまいさん、子供みたいな真似をしているんじゃないよ」とかかぁが笑った。 


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「書かでもの記」+「写さでもの記」(1) [散歩日和]

 永井荷風は「書かでもの記」に、こう書いている。…『伊波伝毛乃記(いわでものき)』といふものあり。これ曲亭馬琴暗に人を誹りて己れを高うせんがために書きたるものなりとか。おのれがこの『嘉加伝毛乃記(かかでものき)』いささか名は似たれどもゆめゆめさる不都合の下心あるにあらず。書かでもよきこと書くは唯いつもの筆くせとしかいふ。

 それをあたしも真似て『写さでもの記』。「写す」未然形+接続助詞「で」+係助詞「も」。写さなくてもよいこと、写真がなくてもよいこと、書かなくてもよいことを記す。

★先日、近所の戸山公園の箱根山頂が地震で崩れたと教えられた。行ってみれば登山禁止。登ってみれば展望台土台が崩れ、展望台全面が防水シートに覆われていた。ネット検索すれば歴史好き女子大生が「ここは尾張藩下屋敷の築山・箱根山ね」と展望を楽しんでいた最中に3.11の地震に遭遇。展望台ベンチにつかまるも、コンクリート床がビシビシ割れる恐怖と、その写真をブログに載せていた。

★箱根山の下、旧陸軍軍医学校跡地で今、731部隊がらみ人体標本を埋めたとされる調査発掘の重機音が轟いている。7,8年も前のこと。「人骨問題を究明する会」のサイトが、この辺の歴史に詳しいのはこのサイトです、とあたしのホームページの「戸山ヶ原・戸山荘伝説」をリンクしているのに腰を抜かしてしまった。歴史の闇が解明されようとしている。

★この地は戸山公園が妙に凹んだ地で、いかにもいわくありげ。不自然な官舎と駐車場。管轄があやふやゆえに、この地をトライアルバイク練習場にしていた若者がいて、あたしも仲間に入って日々練習に明け暮れていた時期があった。ドラム缶・倒木越え、急斜面の昇り降りに急ターン…。罪な場所で遊んでいたもんだ。 


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幼きひ造兵廠へ肝試し [散歩日和]

kagasimoyasiki2_1.jpg 左写真は「加賀藩下屋敷絵図」北側一部。思うに赤丸辺りが生家。下屋敷は池泉回遊式庭園で約22万坪。明治に「板橋火薬製造所」になり「東京第二陸軍造兵廠」へ。この北角辺りに帝京高校が出来たのが昭和22年。

 子供時分に帝京脇の石神井川から「造兵廠」跡にもぐり込むのが冒険、肝試し。「スタンド・バイ・ミー」だった。記憶が正しければ火薬を造っていたから、建屋ひとつひとつが高い土手で仕切られていた。レンガ造りの廃屋巡り。壁に精緻な春画が描かれていたりで、怪しい大人が屯っていたりと、そこは未知と恐怖の世界だった。

 石神井川は未だ護岸工事前で、深い谷に降りられた。ここでヒルを捕るとタナゴに換えてくれる変な店があった。川は昭和33年の狩野川台風をはじめよく氾濫した。クラスメイトの何人もの家も浸水した。過日、まったく久し振りに自転車でこの辺を彷徨えば、川沿いは美しい散策路に変っていてコガモ、オナガガモ、カルガモの番がいた。昭和はあまりに儚く、江戸が透けて見えた。


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いにしへの加賀下屋敷ツグミ舞ひ [散歩日和]

syakutugumi_1.jpg 大震災から鳥撮りを控えて自転車彷徨。日比谷方面に2度。高円寺、和田堀から善福寺公園へ。過日は生まれ育った“十条”を何十年振りに彷徨った。正しくは北区寄り板橋。

 子供時分に柵をくぐり入った冒険の場「東京第二陸軍造兵廠」跡は、帝京大病院をはじめで様変わり。石神井川沿いもきれいな散策路。記憶が辿れぬほどに変化していた。この一帯は造兵廠前は「加賀藩下屋敷」。写真は下屋敷内を流れていた石神井川の桜のツグミ。標準レンズでも鳥は撮れる。

 現住マンション東面は「尾張藩下屋敷」跡。陸軍に接収されて戸山ヶ原、そして今は戸山公園。「尾張藩下屋敷」や「戸山ヶ原」調べに没頭した時期あり。尾張藩下屋敷が13万6千坪の一方、加賀藩下屋敷はなんと21万8千坪の広さ。絵地図を見れば北角から石神井川を引き込んでい、その屋敷外に「御成橋」。殿様が“お成り”で御成橋。御成橋から坂を上った辺りに昔の帝京高校があって、その前辺りが生地なり。昨日、さっそく図書館で「中山道板橋宿と加賀藩下屋敷」なる書を借りた。生地も現住所も下屋敷脇ってぇことは、常に江戸の外れってこと。中心、体制へ斜に構えた性根は生まれつきだな。


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木洩れ陽に歯朶ひとつだけ謎の舞ひ [散歩日和]

kaze2_1.jpg「おまいさん、梅を観に行こうよぅ」ってんで、久々に小石川植物園へ。森の奥まで行けば、木洩れ陽を浴びた歯朶一枝だけが不思議に揺れていた。

 鳥撮りの眼は、揺れる草木を見逃さぬ。「鳥がいるぞ」。凝視すれど鳥の気配なし。ただ一枝だけが不思議に揺れ続けている。あれはなんなのだろう・・・。風の通り道と草木の形状が相まっての現象か。光と風の妙なる調べ、魔界のささやき、自然の鼓動、神秘・・・。

 持っていたのは60ミリのマクロ。とっさにスローシャッターとひらめいて1/10secにした。F20.0 ISO400 。腰を下ろして構えた。歯朶が動きを止めた。やや待てば、また左右に揺れ始めた。連写。またピタッと止まる。もう一度・・・と待つ。また不思議な舞いが始まった。状況に応じて瞬時にシャッター速度、絞り、ISO感度を変える。そんな臨機応変が少しづつ出来るようになってきた。鳥類学者でもなく図鑑を作るワケでもないから、バカの一つ覚えみたいな合焦もなかろう。もっと自由多彩に鳥を撮ってみたい。そのために少しづつ練習・・・。


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ビルを縫ひ舞ひ落ちてゐる春の雪 [散歩日和]

biruyuki4_1.jpg 東京にも雪。雪景色を期待したが、そこまで積もらず。ならば舞ひ降る雪をスローシャッターで撮ってみようと思った。東京スカイツリーが見え、メジロが遊び来るのは東窓で、西側玄関を出た廊下でビルとビルの隙間から明治通りに降る雪を狙った。

 「1/5sec F18.0 ISO400で手持ち」。ビル風に真横になったり垂直になったり乱れ舞ったり…とシャッターを切るたびに雪の舞いが違った。こう記すと長時間も粘ったようだが数分のこと。鳥撮りと同じく“せっかち早撮り”。句は旧仮名の「ハ行」の遣い方練習句。旧仮名の本に「ハ行と“ゐる”が使えれば八割完成」の小見出しがあった。


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冬のハエ厠なくてもヤツデかな [散歩日和]

yatude1_1.jpg パソコン内写真を整理していたら、この写真にこんな句がふと浮かんだ。撮ったのは新宿御苑。ヤツデに蠅が止まっている。あたしの子供時分は、どの家も便所脇にヤツデを植えていた。日陰に強く、大きな葉で目隠しにもなったんだ。

 新宿御苑が一般開放された当初、子供のあたしはオタマジャクシ採りに夢中で、御苑の池にドボンと嵌った。泣きながら大木戸門から四谷の親戚の家へ駆け込んだ。同じ時分だろう、実家近く北区十条銀座裏の畑の肥溜めに落ちた。今では考えられぬが商店街の裏は畑だったんだ。畑に肥溜めってことは、それが畑の肥料だった。

 先日読んだ馬琴本に、屎尿の代価が「家族一人分=夏に茄子五十個+冬に干し大根五十本」で、馬琴は「当家は大人五人で子供二人だから六人分の茄子、干し大根を寄こせ」と交渉していた。江戸から戦後間もない頃まで屎尿は畑の大事な肥料だった。パソコンのキーボードを叩きながら「あぁ、時代は遠くに来たもんだ」とつぶやいた。そしたらかかぁが「やれ打つな蠅が手をすり足をする」と一茶の句を詠い、「おまいさん、蠅だ蚤だ屎尿だと一茶にみたいな句ではなく、時にはシャキッとした粋な句をおつくりよ」と言った。


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福寿草ぬくもりで惹く術を持ち [散歩日和]

fukujyusou1_1.jpg 新宿御苑散歩で福寿草開花を見た。ご存じでしたか… 福寿草の黄色い花は、パラポラ(parabolic,parabola))アンテナと同じく太陽光を中心(花芯)に集めて、外気より10度も高くしているそうな。したがって花弁内側はつるつるで常に太陽に向いている。そうして得た温もりで受粉媒体の虫を誘っている。

 こんな事を知るのも写真+ブログ+ネット検索+俳句が相まってのこと。撮った写真を見つつ、まず福寿草の俳句を探してみる。荷風は<日にあたる窓の障子や福寿草>。一茶は<帳箱の上にさきけり福寿草>。この帳箱がわからぬからネット検索すれば、帳場に置く帳簿や筆記用具入れで、どうやら小さなキャビネットらしく机にもなるとか。一茶はその帳箱の上に福寿草の鉢を置いていたんだなとわかる。あたしも一句できないだろうか…。そこでこの寒い時期、凍てついた地に咲いて、受粉はどうするのだろう…とネット調べしたらパラボラアンテナ効果を知ったってワケ。藤沢周平「一茶」には、老いた一茶が32歳の「やを」の股ぐらに冷えた脚を突っ込んで、そのぬくもりに「あぁ極楽・極楽」とつぶやくシーンがあったような。かくして<福寿草ぬくもりで惹く術を持ち>。


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菰巻きに残り葉の影揺れてをり [散歩日和]

komomaki_1.jpg GGBで六義園まで走った。往き45分。帰り1時間。東京は坂が多い。大久保の台地から神田川で凹み、護国寺から大塚へ上り、千石でまた凹む。14インチ小径で変速ギヤなしの自転車の程を知った。地獄の太腿鍛錬。この自転車はやはりご近所散歩までがよろしいようで…。

 かつて青山劇場コンサート取材へ250ccバイク(セロー)で往き、帰りにエンジン点火せずで大久保自宅まで押し帰ったことがあった。その体力に我ながら驚いたもんだが、あれは何年前だったろうか。老いたもんだ。 


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鈴懸の陰嚢のやうな実を笑ひ [散歩日和]

suzukakenomi_1.jpg 新宿御苑の散策で、こんな実を撮った。何の実でしょう。プラタナス(鈴懸)の実。正確にはスズカケノキとアメリカスズカケの雑種=モミジスズカケ。日本ではプラタナスで通っている。<鈴懸の陰嚢(フグリ)のやうな実を笑ひ> こんな下品な句では、鈴木章治のジャズ・クラリネットの名演奏が泣きますね。

 え~、植物ってぇのは、下品というか助平な名がありますなぁ。その代表が「イヌノフグリ」です。どんな花かってぇと、ピンクの可憐な花。どう見たって陰嚢(フグリ)にゃぁ見えねぇ。名付け親はいってぇどういう料簡でそんな名をつけたんでしょう。でね、この「イヌノフグリ」も絶滅危惧Ⅱ種ってぇから驚きだ。そう、よく目にするブルーの「オオイヌノフグリ」(外来種)に追いやられる一方てぇんだ。えぇ、こうやってブログ記しつつ一日ひとつふたつ、知らなかったことを覚えてんですねぇ。今さら覚えたってど~しょうもねぇ歳なのに。


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枯葉降り老いを呑み込むベンチ在り [散歩日和]

bench1_1.jpg 婆さんが言った。

「あすこのベンチにお爺さんが座ったら同化しちゃいますねぇ。ふっふっ・・・」

 あたし達は座って休みたかったが、足を引きずりながら公園を後にした。


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紅葉は艶やかに成り藻屑かな [散歩日和]

otiba2_1.jpg 紅葉は艶(あで)やかに成り藻屑かな

 今朝は頭が惚けている。眼もしょぼつく。よってどうでもいい事を記す。日頃から100-400ミリをどう下げ持つかに悩んでいた。肩掛けにすればずり落ちる。結局いつも首に掛けてカメラが前。邪魔だし重い。先日、いいアイデアが浮かんだ。やってみたら、思いのほか按配が良かった。こうである。現場に着いたらデイバッグからカメラを出し、バッグトップの把手にカラビナを付け、カメラ・ストラップをここに通してバッグを背負う。これならカメラは肩から落ちぬ。ストラップから肩を抜けばカメラを構えられる。撮り終わったら肩を入れて肩掛けに戻す。これで左腕を前にすれば、正面の人からカメラは見えぬ。左側の人にもカメラは見えぬ。大仰な望遠レンズがさり気なくなる。

 このアイデアに至るに3年を要した。レンズフードのネジが甘くなって黒ビニールテープで止めている。直進ズームもダラッと伸び切ってしまうので黄色テープを張って締りが利くようにしている。我が身も愛用レンズも藻屑寸前。


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カラスウリ夜咲く花を蛾が愛でり [散歩日和]

karasuuri1_1.jpg 知らない事って多いですねぇ。秋に朱の実を連ねるカラスウリ。今まで何気なく見てきたが、実はこの実を結ぶ花が極めて異様とは知らなかった。夜に咲いて朝に萎む。五つの花弁の縁から糸状がニョキニョキと伸び縮れ絡んで広がる。どうぞ、ネット検索でカラスウリの花を見て下さい。

 で、受粉を媒体するのがスズメガ(雀蛾)と云うからまた驚いた。例のハチドリ似の蛾だ。蛾だから夜行性。止まれる枝もない蔓性カラスウリの奇怪な花にホバリングしつつ、その長い口吻で蜜を吸う。烏瓜と雀蛾が交わす夜の妖幻な営み。炎に蛾が舞う有名画(迫水御舟『炎舞』)があるそうだが、眼を閉じると、その絵に劣らぬ幽玄な絵が浮かんでくる。その花を、その花と雀蛾の夜の神秘を見ることが果たして出来ましょうや。


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戸惑ふや季もフュージョンの菊と蝶 [散歩日和]

kikutocyo2_1.jpg この写真から俳人はどう詠むか。菊は秋。蝶は春。さらに現実はハラハラと落ち葉が舞い、カラスウリの朱の実が連なり、池には冬鳥の鴨らが飛来している。

「菊と蝶」と詠えば季が違う、季重ねになる。季を二つ詠めば17文字で詠むべきテーマが散る。今年は菊の開花が遅れた。蝶はモンシロチョウではなくスジグロシロチョウ。スジグロは発生時期が長く秋にも舞う。俳句は菊と蝶と落ち葉を眼にしても、テーマをひとつに絞って詠むのがセオリー。ならばもう一句…

kiku1_1.jpg変り菊偏屈翁の笑み浮かび 

 江戸時代には変り朝顔が流行ったらしい。菊も同じだな。何年もの丹精の繰り返しで変り種を生む。相当な偏屈じゃないと務まらぬ。朝顔と云えば最近は秋になって葉が繁茂し薄紫の花を開花させる種がありますね。あれは「西欧朝顔」と云うのでしょうか。やはり現実はフュージョンで、今や俳句はフィクションなり。


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晡下の空青澄みたまま月白し [散歩日和]

hoka2_1.jpg 久し振りに仕事をしている。レイアウト用紙を求めて新宿「世界堂」までウォーク。画材店に行くと「あぁ、あたしは昔々グラフィックデザイナーだったんだ」と思い出す。今のデザイナーはDTPをはじめコンピューター駆使ゆえ、画材店より大型家電店パソコンコーナーに行くやもしれん。大判レイアウトシート小脇に午後4時少しまわった時分に街を歩けば、青く澄んだ西の空に白い月が浮かんでいた。

 自宅に戻って皓月を撮れば、空は瞬く間に黄昏れた。つかの間の妙。「晡下」は荷風ファンにお馴染みの言葉。午後4時。荷風さんは独り者ゆえ、夕食は外食だから「晡下」時分に街へ繰り出す。「断腸亭日乗」には連日「晡下浅草」「晡下銀座」など出没の記が繰り返される。荷風さんも秋深き頃、こんな月を眺めながら麻布の偏奇館を出たんだなぁと思った。 晡下の空青澄みたまま月白し


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